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【市況】今週の【早わかり株式市況】3年4ヵ月ぶり安値に沈む、新型コロナ不安で売り止まらず

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は急落で6週連続下落、新型コロナによる世界経済への影響懸念
 2.日銀のETF買い入れ枠倍増も効果限定的、1万7000円台割り込む形に
 3.GPIFなど政策マネーの買いが観測されるなか、TOPIXは異質の動き
 4.トランプ政権の1兆ドル景気対策検討もECB資産購入策も流れ変えられず
 5.日経平均は3年4ヵ月ぶり安値圏で下値を模索、SBG株の下落が目を引く

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比878円(5.04%)安の1万6552円と急落し6週連続で下落した。ただ、TOPIXは前週末比21.52ポイント(1.71%)高と6週ぶりに反発した。

 今週は前週に続き、下値リスクが強く意識された週だった。新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響を懸念する形でリスク回避の売りがとまらず、日経平均は1万6000円台半ばまで水準を切り下げてきた。

 16日(月)は日経平均が430円弱の大幅下落。前週は週間で3300円を超える記録的な下げをみせたが、週明けも依然として投げ売りが止まらず、一時1万7000円台を割り込んだ。日銀がETF買い入れ枠を年間12兆円に倍増すると発表したが、一時的な措置としたことで、結局これが嫌気される形となった。17日(火)も前日のNYダウが2997ドル安と過去最大の下げ幅を記録したことを受け、日経平均は一時1万6300円台まで突っ込む場面があった。ただ、GPIFによる政策買いの動きなどが観測されるなか急速に下げ渋り、大引けは小幅ながらプラス圏で着地。この日TOPIXは32ポイント超の大幅高で日経平均との差が目立った。18日(水)はトランプ米政権が1兆ドルの景気対策を検討すると発表、加えてFRBが企業の資金繰り支援のためコマーシャルペーパーを買い入れる措置を行うと発表したものの、米先物安などを横目に後場に入って値を崩す展開を余儀なくされた。そして、3連休前の今週最後の商いとなった19日(木)は朝方にECBによる7500億ユーロの資産購入策が発表され、日経平均は一時400円を上回る上昇をみせたが買いは続かず、結局続落となり、3年4ヵ月ぶりの安値に沈んだ。個別ではソフトバンクグループの株価急落が注目を集めた。

■来週のポイント
 米欧で大型の景気対策が打ち出されたものの、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているだけに、来週も底値を模索する展開が続きそうだ。

 重要イベントとしては、国内では24日発表の1月景気動向指数[改定値]が注目されるほか、27日は3月末の権利付き最終日となる。海外では24日に発表されるドイツとユーロ圏の3月製造業PMIに注視が必要だろう。

■日々の動き(3月16日~3月19日)

【↓】   3月16日(月)―― 急落、日銀会合の内容不十分との見方で一時1万7000円割れ
 日経平均 17002.04( -429.01)  売買高23億4569万株 売買代金 3兆3191億円

【↑】   3月17日(火)―― 5日ぶり小反発、年金系資金の買い観測で切り返す
 日経平均 17011.53(  +9.49)  売買高30億6517万株 売買代金 4兆3713億円

【↓】   3月18日(水)―― 反落、朝高も米株先物が大幅反落で1万7000円割れ
 日経平均 16726.55( -284.98)  売買高27億1881万株 売買代金 4兆1106億円

【↓】   3月19日(木)―― 続落、終盤下げ渋るも16年11月9日以来の安値水準
 日経平均 16552.83( -173.72)  売買高30億1769万株 売買代金 4兆6853億円


■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、15業種が下落
 (1)原油急落が続き、国際石開帝石 <1605> など鉱業が業種別下落率トップ
 (2)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産株が大幅続落
 (3)金融株はオリックス <8591> などその他金融、MS&AD <8725> など保険は下落も
   みずほFG <8411> など銀行、大和 <8601> など証券は大幅反発
 (4)輸出株は日立 <6501> など電機が安いものの
   HOYA <7741> など精密機器、クボタ <6326> など機械は高い
 (5)JR東日本 <9020> など陸運、セブン&アイ <3382> など小売り、味の素 <2802> など食品といった内需株が総じて買い戻された

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
 1(1) 5G ─────── 暴落中に監視した5G関連と注目中の個別株 
 2(2) コロナウイルス 新型コロナウィルス関連と注目中の個別株 
 3(3) マスク
 4(5) テレワーク
 5(7) 巣ごもり ──── 新型コロナ対応で需要追い風の銘柄群 
  ※カッコは前週の順位

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