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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─ 「この2週間がひとまず山場になるか」

RAKAN RICERACA 代表取締役 会長 村瀬智一
「この2週間がひとまず山場になるか」

●リスク回避の姿勢強まるが、中小型株に押し目買い好機も

 今週の日経平均株価は波乱の展開となった。韓国など中国以外でも新型ウイルスの感染が拡大するなか、世界経済の成長を下押しするとの懸念が強まり、24日の米国市場ではNYダウが1000ドルを超える下落となった。この流れを受けた連休明けの日経平均は2万3000円を割り込んで始まると、その後も米国での感染者確認などもあってリスク回避姿勢が続き、週末には2万1000円を一時割り込むなど急落を余儀なくされている。

 来週についても波乱含みの展開が警戒されることになるが、特に注目されるのが米国の動向だろう。IHSマークイットが21日に発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が判断の分かれ目となる50を下回った。 新型コロナウイルスの流行によりサプライチェーンが打撃を受け、企業が発注を控えたことが影響したとみられており、新型ウイルスの感染拡大が米経済に悪影響をもたらし始めたことを示唆する警戒シグナルとみる向きもある。

 来週は米国で3月2日に2月ISM製造業景況指数、4日に2月ADP雇用統計、2月ISM非製造業景況指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、6日に2月雇用統計といった重要な経済指標の発表が相次ぐ。新型コロナウイルスによる影響が顕著に表れてくるようだと、世界的な景気後退懸念からリスク回避姿勢が一段と強まりやすい。

 さらに、3日に大統領選候補選びの最大のヤマ場となるスーパーチューズデー(予備選挙・党員集会)が開かれる予定である。しかし、仮に感染拡大の封じ込みを狙って延期ともなれば、市場では相当ネガティブに受け止められるだろう。来週は米国の動向からは目が離せない。また、一段の感染拡大ともなれば、過剰流動性を背景に米国に集中していた資金の流出加速が警戒されやすい。

 国内においては足元で海外に上場している日本株ETFからの大規模な資金流出が話題となっていた。慎重姿勢は高まっていたが、全国の小中学校・高等学校などの一斉休校といった異例の対応策がとられたことも影響し、投資家のセンチメントは相当冷え込む。3月2週には先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている。株式市場においても、この2週間がひとまず山場になりそうである。

 電子部品株などは、5Gの市場拡大や自動車電装化の進展など、一時的な需要減速は製品の本質的な競争力や収益性に影響を及ぼすものではない。感染拡大がピークアウトすれば、株価は大幅な反発を示す可能性が高いとみておきたい。ただし、当面は中長期的なスタンスで押し目を拾っていくスタンスにとどまりそうであり、しばらくは新型肺炎問題により需要が見込まれる銘柄などを探る展開になるだろう。

 一方、中小型株については個人主体の資金が大きく流出した格好となり、一気に需給整理が進捗している。成長が見込まれる中小型株については、押し目拾いの好機になる可能性があるだろう。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆サイバー・バズ <7069> [東証M]
 インフルエンサーを主軸としたプロモーション支援や、SNSアカウント運用代行、インフルエンサーコマースメディア「to buy」の運営などを行う。新型肺炎の感染拡大で消費の落ち込みが警戒されるが、ピークアウト後は、 SNS上で影響力を持つ"インフルエンサー"に製品やサービスをPRしてもらい、口コミを通して消費者の購買行動に影響を与えるマーケティング手法への需要がより高まる可能性がある。株価は1月9日高値8760円をピークに調整が続いており、高値からほぼ半値水準に位置している。トレンドは弱いが、成長力を鑑みれば押し目拾いの好機だろう。

◆フリー <4478> [東証M]
 クラウド会計ソフト「freee」を展開。業務全体の自動化を狙い、スモールビジネス向けのクラウドERP(統合業務システム)を志向した会計ソフト、人事労務ソフトのサービス提供を開始しており、15万社以上(個人事業主を含む)が利用。テレワーク化の進展に伴ってクラウドニーズが加速する中、一段と需要が高まる可能性がある。株価は昨年12月上場時の2480円を安値に、2月21日には4370円をつけている。その後、急速に下げているが、25日移動平均線レベルでは押し目拾いのスタンス。

◆Aiming <3911> [東証M]
 スマホ向けゲームオンラインゲームの企画開発・運営を手掛ける。足元で3タイトルを開発中であり、そのうち2020年にリリースを予定するのがスクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> との共同開発タイトル「ドラゴンクエストタクト」と、中国のShanghai Giant Network Technologyと開発中の「Project:R」となる。資本業務提携を行っているディライトワークスとの共同開発タイトルについては、リリース時期などは未定としている。巣ごもり関連として、ゲーム株などへも関心が集まりやすい。株価は2月に入り連日のストップ高を交えての上昇で2月12日には730円まで急伸。その後の調整で上昇部分を消しつつあり、仕切り直しのスタンス。

◆メルカリ <4385> [東証M]
 主力のフリーマーケットアプリについては、10-12月期の流通総額が前年同期比20%増となり、四半期ベースで過去最高を更新している。国内事業の強化に乗り出しており、丸井グループ <8252> と実店舗「メルカリステーション」を出店すると発表したほか、無人の投函ボックス「メルカリポスト」を発表している。無人ポストを全国展開することで、「メルカリアプリの使い方が分からない」「発送や梱包する時間がない」といった要望に応えられ、新たな顧客層の掘り起こしが期待されよう。また、新型肺炎の拡大によって不要不急の外出が避けられる中、自宅での「不用品」売買も増えそうだ。株価は足元でリバウンドをみせており、13週移動平均線、26週線を突破し、シグナルが反転してきている。

◆BASE <4477> [東証M]
 ネットショップ運営支援などのEコマースプラットフォーム「BASE」を展開。「BASE」は誰でも簡単にネットショップが作成できるサービスであり、BASEでショップを開設しているユーザーは90万店舗を超える。コスト面から製造を中国企業に委託するネットショップも多いと考えられるが、今回の新型ウイルス拡大により、中国での工場停止で製品が届かない、連絡が取れないといったケースもみられる。こうしたユーザーに向けて他国や国内の事業者を紹介するマッチング支援の引き合いが増えている。株価は2月前半につけた安値水準まで下げてきており、ダブルボトム形成を意識。

(2020年2月28日 記)

株探ニュース

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