【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファストリ、ニューテック、ブイキューブ
ファストリ <日足> 「株探」多機能チャートより
藤森工業<7917>は大幅反落。前週末21日の取引終了後、血栓形成能測定装置「T-TAS01」システムが米国食品医薬品局(FDA)から医療機器承認を取得したと発表したが、全般安もあって市場の反応は限定的だ。T-TASは、世界初の血流下で血栓形成能を定量的に観測できる装置で、なかでも医療用途に開発したT-TAS01システムはアスピリン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロールなどの抗血小板療法を受けている患者や、フォン・ヴィレブランド病、グランツマン血小板無力症といった先天性血小板機能異常の患者の血小板血栓形成能(一次止血機能)を分析・評価する検査システム。既に欧州では19年3月から17カ国をカバーする7つの販売代理店で販売を行っており、今回のFDAからの医療機器承認取得により、米国でも今夏頃には販売を開始する予定という。
■西松屋チェーン <7545> 857円 -43 円 (-4.8%) 本日終値
西松屋チェーン<7545>が6日続落。前週末21日の取引終了後、20年2月期の連結業績予想について、売上高を1450億円から1428億8000万円(前期比3.4%増)へ、営業利益を46億7000万円から18億円(同50.0%減)へ、純利益を29億3000万円から9億2400万円(同57.6%減)へ下方修正したことが嫌気された。粉ミルクやベビーフード、調乳用品などの食料品関係や服飾雑貨が引き続き好調に推移したほか、客数も増加したが、衣料品分野で冬物衣料が立ち上がり時期の天候不順や暖冬の影響で苦戦し売上高が伸び悩んだ。また、冬物衣料の最終処分にかかる値下げロス額の増加も織り込んだとしている。同時に、2月度(1月21日~2月20日)の月次売上高速報を発表しており、既存店売上高は前年同月比12.6%増と4カ月連続で前年実績を上回った。衛生用品や紙おむつなどの消耗品、服飾雑貨などが好調だったほか、冬物クリアランスセールの実施で客数が大きく伸びたことが寄与した。なお、通期既存店売上高は前期比1.0%増だった。
■Jティッシュ <7774> 804円 -40 円 (-4.7%) 本日終値
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>が大幅反落。前週末21日の取引終了後、20年3月期の単独業績予想について、売上高30億8000万円から23億円(前期比2.4%減)へ、営業損益を1億600万円の黒字から3億円の赤字(前期3億4900万円の赤字)へ、最終損益を8600万円の黒字から3億5100万円の赤字(同3億3300万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。再生医療製品事業のうち、自家培養表皮ジェイスで先天性巨大色素性母斑の待機患者の治療が一巡したことによる需要減の影響が想定以上に大きかったことが要因という。また、再生医療受託事業で一部の詳細仕様決定や契約締結、技術の移管などに想定以上の時間を要し事業の進捗が遅れていることなども響くとしている。
■ファーストリテイリング <9983> 56,420円 -2,440 円 (-4.2%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が急落、一時3400円安という同社株にとっては滅多にない下げ幅を記録、日経平均のマイナス寄与度では断トツの影響を与えている。きょうは新型肺炎の感染拡大を受けた世界同時株安の流れにのまれ、日経平均は2万3000円台を大きく割り込む下落に見舞われているが、海外短期筋のアルゴリズム取引による先物への売りが下げを助長しており、同社株は株式需給面から裁定解消売りの直撃を受ける形となった。また、ファンダメンタルズ面でも中国での販売戦略に支障が生じており、収益への下方修正圧力が警戒されている。
■北越コーポレーション <3865> 476円 -16 円 (-3.3%) 本日終値
北越コーポレーション<3865>が反落。前週末21日の取引終了後、3月10日から3月13日までのいずれかの日を受け渡し日として2649万5500株の売り出しとオーバーアロットメントによる売り出し397万4300株を実施すると発表しており、需給面への影響を警戒した売りが出たようだ。今回の売り出しは、三菱商事<8058>との業務提携を19年7月に解消したことに伴うもの。同時に、上限を2300万株(発行済み株数の12.13%)、または140億円とする自社株買いを実施すると発表。取得期間は2月26日から27日までで、3月16日付で取得した全株を消却するとしている。
■東京エレクトロン <8035> 24,285円 -560 円 (-2.3%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連株が一斉に売られる展開。新型肺炎の感染拡大の影響を懸念して、前日の米国株市場ではNYダウが1000ドル超の下落となったが、これまで強さをみせてきた半導体関連株も軒並み安。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)はNYダウの下落率を大きく上回る4.7%強の暴落をみせており、これを受けて東京市場でも同関連株をいったんポジションから外す動きを誘発している。
■村田製作所 <6981> 6,138円 -118 円 (-1.9%) 本日終値
村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>などの電子部品株の下げがきつく軒並み安。新型肺炎の感染拡大の影響は、iPhoneの好調が伝えられていた米アップルの業績にも影を落としており、20年1~3月期の売上高見通しを下方修正するなどでマーケットの不安心理を煽っている。そうしたなか、前日の米国株市場で、アップルの株価は終値ベースで4.75%安と大きく売り込まれており、テクニカル的にも一気に中長期波動の分水嶺である75日移動平均線近辺まで水準を切り下げた。これを受けて、東京市場でもアップルの有力サプライヤーである電子部品株に売りがかさんでいる。
■ネットワンシステムズ <7518> 2,412円 -28 円 (-1.2%) 本日終値
ネットワンシステムズ<7518>は下げ幅縮小。資産運用の世界的大手である米キャピタル・グループ傘下のキャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントがこの日、財務省に変更報告書を提出し、キャピタル・リサーチと共同保有者のネットワン株式保有割合が14.22%から15.76%に上昇したことが判明。キャピタルは今月に入り、同社株を買い増しており、需給思惑が強まっているようだ。
■ニューテック <6734> 2,598円 +442 円 (+20.5%) 本日終値
ニューテック<6734>は全体相場に逆行高、新型肺炎の対策関連株以外では異色の急騰をみせた。ストレージ開発・販売を主力とし、人工知能(AI)やディープラーニング分野に積極展開、ハードとソフトが一体化したオールイン型の深層学習環境「Deep Station」は収益への貢献が期待されており、AI関連の有力株として頭角を現している。20年2月期第3四半期(19年3~11月)営業利益は前年同期比73%増の2億400万円と急拡大、来期以降の業績も産業機器向け小型NAS製品の大型受注の寄与で業績成長路線を走る公算が大きい。
■ブイキューブ <3681> 916円 +150 円 (+19.6%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
ブイキューブ<3681>は全体波乱相場のなかにあって投資資金の流入が加速。値幅制限上限の150円高となり3日連続のストップ高、2016年10月以来約3年半ぶりに900円台に乗せた。Web会議など遠隔地にいる人同士を映像でつなげる配信ビジネスを展開しており、新型肺炎の影響で大勢の人間が一堂に会するイベントが減少するなかで、同社の商機が高まるとの思惑が人気を後押ししている。
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