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【特集】乱調相場に流されない、我が道を行く「爆上げセンバツ5銘柄」 <株探トップ特集>

▼アルゴリズム売買による不安定な相場環境にあっても、強力なテーマ性とファンダメンタルズを武器に惑うことなく上値を突き進む銘柄がある。ウイニングロードを走る有望株を厳選。

―先物主導で右往左往する株式市場で、個性を輝かせる“強い株”の出番近づく―

 東京株式市場では、年初から日経平均が2万3000~2万4000円のゾーンを目まぐるしく往来する展開を続けている。海外ヘッジファンドが人工知能(AI)を使ったアルゴリズム取引を活発化させており、先物主導で右往左往する格好を余儀なくされているが、この背景には2つの材料が綱引きをしている構図が見える。

●新型肺炎VS潤沢なマネーフロー

 まず、ネガティブ方向に引っ張っているのは、いうまでもなく新型肺炎の感染拡大とそれに伴う企業業績への影響を懸念する動きだ。しかし、日経平均は下放れそうになると体勢を立て直し容易に崩れない。これは、世界的な金融緩和的措置の効果によるもので、下値では潤沢なマネーフローによるセーフティーネットが敷かれている。現時点で好景気を満喫している米国株だけでなく、ドイツやフランスの主要株指数が過去最高値圏に位置していることも考慮すると、日本株の相対的な出遅れ感は強い。新型肺炎の発生元である中国でも上海株市場は春節明けの2月初旬から強力な戻り足を形成し、日足チャートを見れば一目瞭然、その陽線の多さに驚かされる。中国人民銀行による金融緩和効果が前面に押し出され、合わせて中国政府による財政出動を伴う景気刺激策に対する期待が映し出されている。現在の世界のマーケットで繰り広げられているのは、いわゆる“不景気の株高”の定義に近い金融相場だ。

●地合いに関係なく買われる銘柄は必ず存在する

 ただし、日本にとっての弱みは中国のようになりふり構わぬ景気対策や金融緩和が見込みにくい点だ。当面はファンダメンタルズ面からの企業業績への下方修正圧力がどの程度になるかが読み切れない。国内消費へのダメージ、そして製造業にはサプライチェーン・リスクがつきまとう。1~3月期業績の落ち込みが数値的に見えてくれば、4~6月期以降の改善期待がプラス方向のベクトルとなるが、今はまだ時間軸的にその局面には至っていない。結果的に日経平均はボックス圏で浮遊しながら、足もとではアルゴリズム売買に振り回される状況を回避できなくなっている。

 しかし、忘れてならないのは、全体相場が乱調でも買われる株は必ず存在しているということだ。新型肺炎に直接絡む思惑で買われている銘柄以外でも、強い株には強い株なりの人気を集める理由がある。確かな成長期待とテーマ性に裏打ちされた個別株の眼前にはまた違った景色が開けている。今回の特集では新型肺炎の影響を受けにくく、なおかつ収益環境に構造的な追い風が吹いている銘柄を抜粋。人工知能(AI)自動運転デジタルトランスフォーメーション(DX)テレワーク半導体関連など、最近の市場を賑わす有力テーマに乗る上値期待十分の5銘柄を絞り込んだ。

●強力なテーマ性を内包する爆上げ候補5銘柄

【ニューテックはAI関連の新星で上昇波転換へ】

 ニューテック <6734> [JQ]はAI関連の小型株で昨年秋口に動兆、12月以降は一気に大相場へ突入した。その俊足ぶりが脚光を浴び、今年1月14日には上場来高値3050円まで駆け上がり、短期間で3倍化する人気となった。その後は5日移動平均線を上値抵抗ラインとして調整色を強めていたが、満を持してトレンド転換の機を迎えている。ストレージ開発・販売を主力とし、AIやディープラーニング分野に積極展開している点が注目ポイント。ハードとソフトが一体化したオールイン型の深層学習環境「Deep Station」は収益への貢献が期待されており、4月に行われる「第4回 AI・人工知能EXPO」にも出展を予定している。足もとの業績も好調で20年2月期第3四半期(19年3-11月)営業利益は前年同期比73%増の2億400万円と高変化をみせている。通期では2億6000万円(前期比24%増)を計画、21年2月期も産業機器向け小型NAS製品の寄与で研究開発コストをこなし成長トレンドが続く見通しだ。<急騰性5・中長期的上値余地3>

【国際計測は自動運転時代のキーカンパニーに】

 国際計測器 <7722> [JQ]の900円台近辺は買いで対処して大きく報われそうだ。タイヤなどを中心に遠心力のばらつきを測るバランス測定装置の大手で電気サーボモータ式振動試験機も手掛け、アジア向けなどを中心に需要獲得が進んでいる。20年3月期業績予想は売上高、利益ともに上方修正、営業利益は従来予想の16億円から19億円と前期比3倍となる見通し。株価は2月10日にマドを開けて買われた後、祝日を挟んで12日は更に一段高に買われ、打ち上げ花火的な急動意では終わらない強さを内在させている。世界的に開発競争が進む自動運転分野において、安全と信頼を得るプロセスにおいて同社の存在感は今後大きく高まることになり、株価はその可能性を織り込み始めた。足もとは電気自動車(EV)など次世代自動車部品向け3軸同時振動試験機の活躍余地に期待が大きい。PER9倍台、配当利回り4%近辺は株価指標面からも割安感が顕著で、大幅な水準訂正余地がある。<急騰性4・中長期的上値余地4>

【テラスカイは業績抜群で量子・テレワークに期待】

 テラスカイ <3915> は3000円台前半のもみ合いを経て上放れる可能性が高い。昨年来高値3585円を通過点に16年5月につけた最高値3749円(分割修正後株価)奪回を視野に入れる動きとなりそうだ。米セールスフォース・ドットコムのシステムを主軸に構築するクラウド導入ビジネスを展開し、アマゾンのAWS案件も着実に積み上げている。量子コンピューター市場にも参入、子会社Quemix(キューミックス)を設立してIBMとの協業で同分野を積極的に開拓している。また、ソーシャルウェア「mitoco(ミトコ)」は堅牢なセキュリティーに加えて、 IoTの技術により人だけでなく、会議室の利用状況をリアルタイムに把握するといったモノやコトにもコミュニケーションの範囲を拡張できる高機能を強みとしており、テレワーク関連の有力テーマ株としても注目される。業績も好調を極めており、20年2月期営業利益は前期比4倍の4億9800万円を計画するが、第3四半期時点で5億5800万円と既にこれを超過している。<急騰性4・中長期的上値余地4>

【IDHDは圧倒的なマンパワー、DXの隠れ本命】

 IDホールディングス <4709> は1600~1700円台で売り物をこなし青空圏突入の公算が大きい。早晩18年9月につけた上場来高値1782円奪回から2000円大台替えに進むことになりそうだ。独立系システムインテグレーターで運営管理からデータ入力まで幅広く対応、DX関連の有望株として頭角を現している。AI・IoT時代に対応し、1600人に及ぶシステムエンジニアを擁しており、マンパワーで他社と一線を画す。足もとの業績もDX分野への技術者シフトが功を奏し利益率が急速に高まっている点はポイントで、20年3月期業績は従来見通しを大幅に上方修正、営業利益は前期比27%増の21億2000万円と高い伸びを見込んでいる。サイバー防衛に対する企業のニーズが高まるなかセキュリティー製品にも注力し収益押し上げに寄与しているほか、コンサルティング事業も伸びており将来的に楽しみが多い。<急騰性3・中長期的上値余地4>

【AKIBAはIoT時代到来で再騰の機が熟す】

 AKIBAホールディングス <6840> [JQ]は調整完了から本格切り返しの機が熟した。26週移動平均線を足場に逆襲の一歩を踏み出しており、ここは追撃買いスタンスで臨みたい。2月5日の戻り高値6550円奪回が当面の目標となる。同社は半導体メモリーの販売を手掛けるが、自社開発のフラッシュメモリーやOEM供給も行う。メモリー市況は世界的に回復期待が高まっており、同社にとって来期以降フォローの風が強まることになる。また、成長領域のIoTソリューション事業に傾注し、IoTデバイスをインターネットやアプリケーションに接続するIoTゲートウェイの開発案件を推進しており成長性が高い。通信キャリア向け工事でも高い実績があり、今後5Gの商用化で大きく膨らむメンテナンス需要を取り込んでいくことが予想される。19年4-12月期営業利益は前年同期比3.3倍となる4億8600万円と絶好調、来期以降も成長トレンドが維持できる公算大。<急騰性3・中長期的上値余地3>


■我が道を行く「爆上げセンバツ5銘柄」■
銘柄 <コード>     急騰性    中長期的上値余地
テラスカイ <3915>   ☆☆☆☆   ◆◆◆◆
IDHD <4709>    ☆☆☆    ◆◆◆◆
ニューテック <6734>  ☆☆☆☆☆  ◆◆◆
AKIBA <6840>   ☆☆☆    ◆◆◆
国際計測器 <7722>   ☆☆☆☆   ◆◆◆◆
※急騰性は☆が多いほど強く、中長期的上値余地は◆が多いほど大きい

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