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【市況】15日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で続落、中国不動産セクターさえない

上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより

15日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比111.55ポイント(0.39%)安の28773.59ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.90ポイント(0.53%)安の11295.47ポイントとそろって続落した。売買代金は1004億3100万香港ドルにやや縮小している(14日は1191億9300万香港ドル)。

米中貿易問題の不透明感がくすぶる流れ。2019年9月発動分の対中制裁関税は「第1段階」合意後に予定通り引き下げられる可能性が高いものの、それ以外については米大統領選(11月3日)後まで維持される??との見通しが関係者の話として伝えられた。合意が履行できるかどうか検証するためという。また、対中強硬派として知られるナバロ米大統領補佐官は13日、「『第1段階』の合意は、中国が何らかの合意内容を破ったと(米国側が)一方的に判断した場合、直ちに追加関税を再導入することを可能にしている」と主張した。合意文書の署名式は、米東部時間の15日午前(日本時間16日未明)の予定。合意内容の一部も明らかにされる。

ハンセン指数の構成銘柄では、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.4%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が2.1%安、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(1113/HK)が1.5%安と下げが目立った。

セクター別では、中国の不動産が安い。保利置業集団(119/HK)が6.7%、融創中国HD(1918/HK)が2.8%、合景泰富集団HD(1813/HK)が2.1%、広州富力地産(2777/HK)が1.3%、碧桂園HD(2007/HK)が1.2%ずつ下落した。保利置業集団は14日引け後、2019年12月期決算の6割増益見通しを明らかにしたものの、上半期に香港プロジェクトを売却したことによるもので、下半期の販売価格は低下。業績の先行き不安が残った。

他の個別株動向では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が1.1%安と反落。販売低迷の長期化を警戒し、周大福珠宝はコスト削減に向けた店舗網縮小に着手する見通し??と伝えられた。反政府デモの長期化による経営悪化が背景にある。

半面、小売やスポーツ用品などの消費セクターはしっかり。金鷹商貿集団(3308/HK)が2.5%高、聯華超市(980/HK)が2.3%高、安踏体育用品(2020/HK)が3.0%高、中国動向(3818/HK)が1.1%高で引けた。

一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.54%安の3090.04ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。資源・素材株、運輸株、不動産株、自動車株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。食品飲料株、医薬品株も買われた。

【亜州IR】

《FA》

 提供:フィスコ

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