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【市況】明日の株式相場戦略=弱気無用の中小型株戦略、半導体周辺に輝き

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(15日)の東京株式市場では、日経平均が4日ぶり反落。またもや2万4000円トビ台にある“硝子の壁”に阻まれ、踵(きびす)を返す形で2万3800円台まで下値を試す展開となった。ただし、振り返れば前日までの3営業日で820円あまり上昇していたわけで、目先的にはいったんポジションを軽くしたいという心理が働きやすい。そうしたなか、アジア株安を横目にヘッジファンドの先物売りを目の当たりにすれば、ここは個別株についても様子をみたいという思惑が強まる。しかし、相場の大勢トレンドは依然として上を向いたまま。ここで弱気に傾く必要はない。個別株戦略としては屈伸運動の伸びるタイミングを意識しながら仕込み場を考える感覚でよいと思われる。

 きょうは、米中が貿易協議の「第1段階」の合意文書に署名しても、「トランプ米政権は大統領選後まで現行の対中制裁関税を維持する」と米ブルームバーグ通信が報じたことが、米中協議に対する過度な期待を剥落させたとの解釈がなされている。しかし、これは利食いの口実の領域を出ない。既にトランプ米大統領は前週9日の時点で、「第2段階」の交渉を直ちに開始するものの、合意については選挙後になる可能性に言及しているからだ。前日の米国株市場の動きもNYダウやナスダック総合指数は後半に軟化したとはいえ、波乱を匂わせるような崩れ方はしていない。関税引き下げのカードはそう簡単に切らないというのは、トランプ米大統領お得意の戦術であって、マーケットもそれは理解している。時間軸はともかく、米中協議のベクトルは着実に合意形成の方向に向かっている。

 個別では半導体関連の中小型株に再び資金が向いているようだ。東京エレクトロン<8035>は半導体関連のシンボルストックには違いないが、2番手や3番手に位置する銘柄とはもともと株価の軌道にタイムラグが生じている。同じ半導体でも東エレクの輝きと中小型株が光を放つタイミングはおそらく一致しない。そのなか、エッチング装置やチップボンダー、スパッタリング装置などの半導体製造装置を手掛ける芝浦メカトロニクス<6590>の動きがにわかに強い。これが、半導体中小型株が待ち望んでいた潮の流れを暗示しているようにも見える。

 小型ではマルチワイヤーソーを手掛けるタカトリ<6338>が風雲急の気配。5Gの設備投資需要を背景にメモリーに先駆ける形でロジック半導体市況回復の恩恵を受けている。また、何度か紹介してきたアドテック プラズマ テクノロジー<6668>も新年相場で上げ足を加速させている。

 半導体商社のPALTEK<7587>は上ヒゲを出しながらも次第に水準を切り上げる頑強な足で引き続きマークしておきたい。同社は足もとの業績こそ悪いが、5G関連基地局向けに需要が見込まれるFPGAなどを取り扱っていることがポイント。総務省5G総合実証試験に子会社を通じ参画していることで 5G関連としても人気化素地を持っている。株式需給面では信用買い残の整理が利いており、600円絡みは買いに分がありそうだ。

 このほか、半導体関連以外では人材関連株も動きの良いものが目立つ。IT人材を育成し派遣するセラク<6199>は14日取引終了後に発表した19年9~11月期決算が絶好調、営業利益が前年同期比で6倍化した。これを材料視する形で投資資金がなだれ込み、取引時間中は値がつかず、大引けに150円高のストップ高配分となる人気となった。

 技術者派遣を手掛けるアルトナー<2163>も上値が軽く、ここからの投資対象としても十分妙味がある。今年に入ってから全体波乱局面でも流されることなく上値指向を継続、昨年12月10日の戻り高値836円を前日に逡巡(しゅんじゅん)することなくクリアしており、市場では注目度がまだ低いものの、この値運びの軽さは特筆される。

 日程面では、あすは朝方取引開始前に11月の機械受注統計と12月の企業物価指数が発表される。海外では米国で経済指標が相次ぎ、12月の米小売売上高、米輸出入物価指数、11月の米企業在庫、対米証券投資、1月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数などが予定される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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