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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「意識される12月高値」

株式評論家 富田隆弥

◆今年の日経平均株価をチャートで簡単に振り返ってみたい。昨年12月のクリスマス安値1万8948円から4月の高値2万2362円まで4ヵ月で3414円上げ、そこから8月の安値2万110円まで4ヵ月かけて2252円の調整、そして直近12月の高値2万4091円まで4ヵ月かけて3981円上げた。年末(大納会)の値は分からないが、4ヵ月周期できれいに「N字」波動を描いたことは変わらないだろう。

◆年間では、昨年の大納会(2万14円)から12月の高値2万4091円まで△20.3%(+4077円)の上昇で、昨年(2018年)の▲12.1%(-2750円)に比べればマシだが、一昨年(2017年)の△19.1%(+3650円)に比べれば、「良くもなく、悪くもなく」と言ったところか。

◆17日には、昨年10月の高値2万4448円にあと350円程に迫った。ただ、昨年はその高値から12月の安値1万8948円まで3ヵ月で5500円下げており、今年はその下げ幅を取り戻せずにいるのだから、やはり物足りない1年だったと言えるだろう。

◆それでも、夏場までの停滞を考えれば、秋以降の上昇(3981円高)は良く頑張った。その上昇を支えたのは、外国人買いと裁定売り残の買い戻しだ。外国人投資家(現物)は10~11月の2ヵ月間に2兆1872億円買い越し、裁定売り残は9月6日時点の2兆666億円から11月22日時点の8582億円まで11週連続で減少し、1兆2084億円買い戻した形となる。

◆12月に入ると外国人投資家は第1週に2660億円売り越したが、米中通商合意が伝わった第2週には再び2582億円買い越している。また、裁定売り残も第2週に7555億円まで減少と、さらに買い戻しを進めたことがうかがえる。

◆ただ、この裁定売り残はここまで減少すると「裁定買い残」の水準である7152億円に迫っていることもあり、買い戻しの勢いは新年に期待しづらくなる。ならば、新年はまた「外国人頼み」となりそうだ。

◆ちなみに、週足RCI(順位相関指数)は13週線、26週線が80~90%台の高値圏に張りつく。日柄面で、この12月高値は変化日に当たる。12月17日の高値(2万4091円)は8月26日の安値(2万173円)から週足で17本目、月足では4月の高値(2万2362円)から9本目、昨年12月の安値から13本目に当たる。いつまでもこの12月高値が君臨するようだと「変化日高値」として意識されるほか、チャートは昨年10月高値との「ダブルトップ」を意識することになる。

◆新年相場に関しては、新年1月1日に配信予定のチャートクラブ・スペシャル版で触れるが、チャート的には12月高値が当面ポイントになっていることを覚えておきたい。みなさま、良い年をお迎えください。 (12月19日 記)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

【次回は新年1月1日に「チャート倶楽部2020スペシャル」を配信します】
 次回は新年1月1日に「富田隆弥のチャートクラブ2020スペシャル <新春特別企画>」を配信する予定です。ご期待ください!
 ※12月28日の「富田隆弥の【CHART CLUB】」はお休みさせていただきます。(編集部)

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