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【市況】今週の【早わかり株式市況】4週ぶり下落、前週急騰の反動で利益確定売り優勢

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は4週ぶり下落、米中対立への懸念和らぐも利益確定売りが優勢
 2.週前半に2万4000円台に乗せ年初来高値更新、週後半は下値探る展開
 3.米国株堅調でも週を通じて日経平均の上値は重く、主力株の調整色強まる
 4.トランプ大統領に対する弾劾訴追決議案の可決も投資家心理の悪化要因に
 5.週末は日経平均軟調も半導体関連株への買いが目立ち、全体相場を支える

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比206円(0.86%)安の2万3816円と4週ぶりに下落した。

 今週は米中貿易交渉における第1段階合意を経て両国対立の構図が和らいだことに加え、英国総選挙での保守党大勝を受けたEU離脱問題に対する懸念後退を背景に上値を追いやすい環境とみられていた。しかし、週前半に年初来高値を更新した後は利益確定売り圧力が顕在化して週間ベースでは反落となった。

 16日(月)は日経平均が反落。前週末に米中両国が貿易交渉における「第1段階の合意」に漕ぎつけ、15日の対中関税第4弾の全面発動が見送られたほか、英総選挙では保守党が議席数を伸ばしたことで合意なきEU離脱の懸念が後退するなど好材料は多かったが、目先高値警戒感からの利益確定売りが優勢となった。17日(火)は前日の米国株市場でNYダウをはじめ主要株3指数が揃って最高値を更新、中国や香港などアジア株が軒並み強い動きを示したことも投資家心理を強気に傾けた。日経平均は反発して2万4000円台を回復するとともに年初来高値を更新した。18日(水)は米国で主要指数が連日の最高値を更新したものの、目先急ピッチな上昇に対しポジション調整の売りが優勢となり、日経平均は反落、前日の上げ幅を上回る下げとなった。19日(木)は引き続き利食いに押され、日経平均は続落。米下院でトランプ米大統領を「ウクライナ疑惑」で弾劾訴追する決議案が可決されたことや、アジア株が総じて軟調な動きを示したことも嫌気された。20日(金)は小幅ながら3日続落。為替が円高含みに推移したことで時価総額上位の主力株に安いものが多く、全体指数を押し下げた。ただ、個別には値上がり銘柄が多く、半導体関連株が総じて買われ下値を支えた。

■来週のポイント
 来週は海外市場がクリスマス休暇入りで市場参加者が限られるうえ、材料にも乏しいことから、高値圏で方向感に欠ける展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では27日朝に発表される11月鉱工業生産が注目される。26日は年内受け渡し最終日となる。海外では24日に開催される日中韓首脳会談に注視が必要だろう。なお、24日~26日は欧米を中心に短縮取引や休場が多い。

■日々の動き(12月16日~12月20日)

【↓】  12月16日(月)―― 3日ぶり反落、前週末急騰の反動で利益確定売り優勢
 日経平均 23952.35(  -70.75)  売買高11億3444万株 売買代金 1兆8617億円

【↑】  12月17日(火)―― 反発、米株市場に追随し年初来高値を更新
 日経平均 24066.12( +113.77)  売買高12億8990万株 売買代金 2兆1718億円

【↓】  12月18日(水)―― 反落、米株高に追随できず利益確定売りが優勢
 日経平均 23934.43( -131.69)  売買高12億7626万株 売買代金 2兆1718億円

【↓】  12月19日(木)―― 続落、方向性乏しく利益確定売りが続く
 日経平均 23864.85(  -69.58)  売買高11億6178万株 売買代金 1兆9908億円

【↓】  12月20日(金)―― 3日続落、円高が警戒され方向感に欠く展開
 日経平均 23816.63(  -48.22)  売買高13億1949万株 売買代金 2兆3923億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、21業種が下落
 (2)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、三井金 <5706> など非鉄、コマツ <6301> など機械といった景気敏感株が大幅反落
 (3)日産自 <7201> など自動車、キーエンス <6861> など電機といった輸出株の一角も売られた
 (4)内需株はまちまち
   ヤマトHD <9064> など陸運、大成建 <1801> など建設、味の素 <2802> など食品は軟調も
   KDDI <9433> など情報・通信、三井不 <8801> など不動産、モノタロウ <3064> など小売りは堅調
 (5)金融株は大和 <8601> など証券、三菱Uリース <8593> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行は値を保つも
   東京海上 <8766> など保険株は弱含み
 (6)国際石開帝石 <1605> など鉱業株は大幅続伸

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
 1(2) 5G ───── ローカル5Gの申請受付が24日からスタート 
 2(1) 国土強靱化
 3(4) 全固体電池
 4(9) 半導体 ──── 米中対立緩和で半導体市況底入れ期待高まる 
 5(13) 半導体製造装置
  ※カッコは前週の順位

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