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【市況】明日の株式相場戦略=全般上昇一服も買い戻しニーズ強い

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(18日)の東京市場では日経平均が反落した。前日の米国株市場はNYダウをはじめ主要株価3指数が上げ幅こそ小さかったものの揃って最高値を更新、しかし、取引開始前から「きょうはいったん下値を試す日」というムードが漂っていた。前日にアベノミクス高値2万4270円の奪回の可能性に言及したが、相場は生き物といわれるだけあってなかなか一筋縄ではいかない。

 ポジティブ・ネガティブに関わらず何か方向性を左右するような材料があれば、そこに思惑が生まれ売り買いがぶつかり合うが、きょうは手掛かりとなるような材料も乏しく、売り方の動きが止まったなかで、淡々と買い方が持ち高を整理した、そんな印象の1日であった。上げるための下げ、屈伸運動に例えればきょうはしゃがむ場面だったともいえるが、リズムが崩れた時をイメージしておく必要はある。深押しがあった場合でも中期的に買い戻しニーズは強いことを念頭に置いて焦らずに対応したい。

 あすは日銀金融政策決定会合の結果が公表され、後場取引終了後には黒田日銀総裁の記者会見が予定される。ただ、金融政策は現状維持が予想され市場関係者の間でもあまり注目度は高くないようだ。しいていえば、マーケットの視線が向きやすいのは引け後の黒田日銀総裁の記者会見の内容。メガバンク各行が口座維持手数料の導入をチラつかせるなかで、日銀サイドもマイナス金利深掘りの蓋然性が低くなっているとの見方もあり、黒田氏の会見でのコメントに影響するのではないかという声が市場の一部にはある。ただ、今の株式市場がこれによって上下に振られるということは考えにくい。

 個別ではクニミネ工業<5388>が強い足をみせている。フシとなっている1400円ライン完全突破まであと一息で、ここをクリアすれば約23年ぶりの高値ゾーンで実質青空圏突入となる。特殊粘土鉱物であるベントナイトの最大手であり、台風被害からの復興需要を背景に土木建築分野で同商品需要が高まるとの見方があるほか、環境省が放射性物質を含んだ汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の整備に約1500億円を投じる方針を打ち出したことを受け、放射性廃棄物処分分野で試験材料の提供や受託試験研究を進めている同社の存在感が高まっている。

 また、都築電気<8157>はDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の一角で時流に乗る。株価は25日移動平均線との上方カイ離を解消した矢先だが、10倍前後のPERなど株価指標面を考慮してもう一段の水準訂正が視野に入る。

 ここしぶとく上値を慕う動きをみせているのがカジノの決済システムを手掛けるテックファームホールディングス<3625>。また、国土強靱化関連ではテノックス<1905>が急伸後の三角もち合い形成で狙える位置にいる。このほか前日取り上げた日総工産<6569>はスローテンポながら底入れムードにあり、継続マークしておきたい。

 一部の個人投資家マネーの熱視線を浴びたサンバイオ<4592>は前場の早い段階で寄り付き、始値がほぼきょうの安値近辺でそこからリバウンドに転じた。ただ、想像していたより商いは盛り上がらなかった。追証の発生もあって、株価は寄った後に思惑錯綜のなか乱高下するかと思われたが、寄り直後を除いて終始2600円台近辺を横ばい、まさに1カイ2ヤリの世界で違和感すら抱かせた。売買代金は前場に大きく膨らんだものの後場はしぼみ、マザーズ市場でもマクアケ<4479>の売買代金を大きく下回った。ヤマ場はまだ先ということか。いずれにしてもマネーゲームの様相が強いが、板を読む教材にはなる。

 日程面では、あすは日銀金融政策決定会合の結果が発表されるほか、会合後は黒田総裁の記者会見が予定される。IPOは2件あり、マザーズ市場にSREホールディングス<2980>とランディックス<2981>が新規上場する。海外では7~9月の米経常収支、11月の米景気先行指標総合指数、11月の米中古住宅販売件数などが発表されるほか、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も開示される。また、11月の豪雇用統計や11月の英小売売上高なども発表される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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