【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 31社選出 <成長株特集>
PCA <週足> 「株探」多機能チャートより
下表では、本決算月にかかわらず、19年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している31社を選び出し、7-9月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったイーレックス <9517> の19年7-9月期(第2四半期)経常利益は過去最高だった直前の4-6月期を94.0%も上回る35.4億円に拡大し、3四半期連続の最高益更新を果たした。新規パートナーの開拓が進み、家庭用など低圧小売部門の販売電力量が急増したうえ、電源調達で安価な市場取引の比率を高めたことも利益を押し上げた。絶好調な業績を背景に、株価は上場来高値圏で頑強な動きを続けている。
2位に入ったレノバ <9519> の7-9月期(第2四半期)は主力の再生可能エネルギー事業で新たに大規模太陽光発電3施設が加わり売電収入が増加したうえ、徳島津田バイオマス事業の開発報酬を計上したことも業績拡大につながった。足もとの業績好調を踏まえ、20年3月期の経常利益を過去最高益に24.2%上方修正した。
3位のミロク情報サービス <9928> と8位のピー・シー・エー <9629> は来年1月の「Windows7」サポート終了や消費税増税前の駆け込み需要といった特需が追い風材料になった。ミロク情報はパソコンなどの買い換え需要が旺盛だったうえ、主力の中小企業向け統合業務ソフトの販売やシステム導入支援サービスも大きく伸びた。
一方、PCAはソフトウェア製品のバージョンアップ収入が大幅に増加したほか、働き方改革に対応した勤怠管理ソフトも好調で、7-9月期(第2四半期)は実に54四半期ぶりに過去最高益を塗りかえた。株価は利益確定売りに押される形で調整局面が続いていたが、11月中旬から切り返しに転じ、直近では2000年2月以来、約19年10ヵ月ぶりとなる5000円大台を回復している。
選出リストでは、企業の旺盛なIT投資需要が追い風となるシステム関連会社が目立つ。4位の福井コンピュータホールディングス <9790> は建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの普及やIT導入補助金の後押しを受けて主力の測量土木CADソフトが大きく伸びたほか、参議院選挙の出口調査システムの売り上げを計上したことも収益を押し上げた。
6位のシグマクシス <6088> は基幹業務システム(ERP)のクラウド化サービスを立ち上げたことに加え、基幹システム更新など大規模プロジェクト管理の受注が伸び、7-9月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を達成した。
続く7位のオロ <3983> は新規顧客の獲得や既存顧客との取引拡大で、クラウド型ERP(基幹業務システム)「ZAC」の稼働ライセンス数が増加し、7-9月期(第3四半期)の経常利益は過去最高益を47.6%上回る4.8億円に膨らんだ。好決算発表を受けて、株価は11月28日に上場来高値4490円まで上昇する場面があった。
12位にリストアップされたプリント基板設計用CADシステム大手の図研 <6947> は、自動車関連や電子部品関連などの旺盛な技術革新投資を背景に、主力の電気設計システムを中心にソフト販売や派遣・受託サービスが大きく伸び、7-9月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに6四半期ぶりに過去最高を更新した。株価は約19年ぶりの高値圏を走る展開が続く。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<9517> イーレックス 94.0 3541 1825 58.3 7189 4540 23.2
<9519> レノバ 70.6 1711 1003 18.5 4100 3460* 25.0
<9928> ミロク情報 56.0 2404 1541 22.6 6200 5056 26.0
<9790> 福井コン 48.2 1775 1198 15.2 4780 4149 23.3
<2453> JBR 48.1 714 482 6.8 2100 1967 22.4
<6088> シグマクシス 47.8 702 475 13.5 1500 1322 39.8
<3983> オロ 47.6 487 330 11.7 1325 1186 68.4
<9629> PCA 46.1 1191 815 36.6 2435 1783 21.3
<9416> ビジョン 36.5 1338 980 30.0 3248 2499 40.0
<7419> ノジマ 27.8 8916 6978 0.7 21200 21046 8.5
<4674> クレスコ 22.1 1226 1004 4.2 3813 3658 14.9
<6947> 図研 18.4 1475 1246 0.3 3200 3191 26.3
<2445> タカミヤ 13.2 1319 1165 9.2 3630 3325 13.5
<6458> 新晃工 12.2 2628 2342 23.2 7900 6411 10.5
<2395> 新日本科学 12.0 1209 1079 24.0 2000 1613 23.4
<9739> NSW 11.3 1195 1074 3.9 3540 3407 15.5
<9619> イチネンHD 8.6 2023 1863 1.5 6440 6346 9.2
<6197> ソラスト 8.4 1393 1285 11.8 5600 5011 22.7
<8159> 立花エレ 8.4 2152 1986 0.4 7060 7033 9.2
<6544> Jエレベータ 7.7 698 648 29.9 2600 2001 69.8
<4746> 東計電算 7.0 1054 985 10.8 3598 3248 13.6
<8096> 兼松エレク 5.7 4405 4166 3.7 10500 10125 15.4
<9887> 松屋フーズ 4.7 1970 1882 1.8 5800 5697 27.1
<6539> MSジャパン 4.1 536 515 13.8 2014 1770 28.5
<8014> 蝶理 3.2 2477 2400 3.9 9000 8660 9.5
<9682> DTS 2.9 2903 2820 2.2 10150 9929 16.6
<6071> IBJ 2.7 675 657 51.6 2264 1493 29.9
<3844> コムチュア 2.0 725 711 11.6 2874 2575 37.7
<8020> 兼松 1.9 8441 8282 2.8 30000 29177 7.3
<4641> アルプス技 1.6 1103 1086 7.1 3860 3605 15.3
<2733> あらた 0.3 2710 2701 5.9 10000 9439 11.7
※「*」レノバの通期経常利益の過去最高益(19年3月期)は10ヵ月の変則決算。
※18年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
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