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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 年末高に向け続伸へ!華麗な回復トレンドのバトンパス

株式アドバイザー 北浜流一郎

「年末高に向け続伸へ!華麗な回復トレンドのバトンパス」

●2つの懸念が株高要因に

 本格スタートしている11月相場。期待以上の展開だ。9月から始まった回復トレンドを10月だけではなく、今月も順調に引き継いだ形になっている。回復トレンドというバトンの受け渡しがうまくいっていることになり、安心して売買に臨めるのは嬉しい限りだ。

 東証1部市場だけでも年初来高値更新銘柄が200を超えるようになっているのも好ましい限り。それらの銘柄にここ一年で投資し、所有し続けている人は全員儲かっていることになる。

 個人投資家の減少が懸念される中で、株で実は儲かっている。こんな投資家が多数いることになり、今後もその数は増えそうだ。目先、多少のブレはあっても、当面大きな下げに見舞われる可能性は低く、むしろ続伸する確率の方が高いからだ。

 これまで繰り返し述べているように、いまは2つの懸念がセットになって株高要因を作り出している。

 2つの懸念とは、

(1)安全保障上の懸念から中国の覇権拡大を阻止しようとする米国の強硬政策
(2)経済の失速を回避すべく、政策金利を思い切って引き下げている米国の金融緩和策

 これらは、(1)があるから(2)があるという構図であり、皮肉なことにトランプ米大統領の強引な中国封じ込め策が、結果的には株高のベースになっていることになる。株式市場は、このような構図の中では金融相場となりやすく、資金に余裕がある機関投資家を中心に主力株が買われることになる。

●主力株を買い上げる余裕資金

 しかも、いまは年末に向かうところ。当然、投資信託の設定が相次ぐ状況でもあり、ポートフォリオの組成に欠かせないトヨタ自動車 <7203> をはじめ、ソニー <6758> 、日立製作所 <6501> 、村田製作所 <6981> 、NTTドコモ <9437> 、三井不動産 <8801> 、日本電産 <6594> などが買われることになる。

 何しろ収益低下が続くJT <2914> でさえ買われ始めているのだから、相当資金の余裕があると見てよい。

 では、何を狙うか。前述した銘柄は引き続き投資魅力ありといえるが、それを注目銘柄に取り上げたのでは芸がなさすぎる。そこで、次のような銘柄を。

 まずはディップ <2379> だ。求人情報サイト「バイトル」の運営で知られている。いまは就労多様化の時代。みんながみんな正社員になりたいわけではなく、自分の都合で働きたいという人も多い。そんな人たちのニーズに応えるサイトして利用者は増加を続けている。株価も緩やかな浮上が続くと見る。

 羽田空港のターミナルビルで起きた水道トラブル。水道に塩分が混入していたとして断水処置が取られたことで、運営会社である日本空港ビルデング <9706> は急落すると見られたがほとんど下げず、むしろ上昇した。これは、同社株の強さを示すと見てよく、株は来年の東京オリンピック開催に期待して買われ続けていると考えられる。

 9月、10月と勢いよく買われていた半導体関連株の多くは11月に入り急失速してしまった。しかし、すでに下げ止まり、中には再浮上の兆しを見せ始めている銘柄もあり、その中からアドバンテスト <6857> だ。半導体検査装置の需要はまだ回復しはじめたばかりなので、株価の回復もこれからが本番となろう。

 私の大好き銘柄の一つである朝日インテック <7747> も、高値圏ながらなお上昇余力ありと見てよい。PTCA(経皮的冠動脈形成術)ガイドワイヤーに強く、米中で販売を伸ばしている。

 お歳暮の季節が近づいている。お歳暮となると ハムなので、日本ハム <2282> もマークしておきたい。

 最後に新興銘柄を。マザーズのラクス <3923> [東証M]だ。クラウド技術を活かし、伝票整理などに強く、特に「楽楽精算」「楽楽明細」が良く知られているが、なんといっても「ラクス」という社名がよい。一度聞いたら忘れないし、企業も仕事を依頼したくなる。そうすれば、自分たちが楽できそうなので。

2019年11月8日 記

株探ニュース

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