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【特集】投資マネー大還流、晩秋の東京市場で目覚める「急騰モンスター7銘柄」 <株探トップ特集>

企業業績の底入れ期待を背景に、踏み上げ相場が繰り広げられている東京株式市場。個別株でみても、全体相場を超えた勢いのある銘柄が相次いでいる。

―中小型株にリスクオン相場の恩恵が本格波及、ここから立ち上がる“怪物株”を探せ―

 リスクオン相場の潮流が東京株式市場にも本格的に及んできた。8日の日経平均株価は朝高後に利益確定の売り圧力が顕在化し、上げ幅を縮小する展開を強いられたが、それでもマーケットの体感温度はひと頃とは様変わりの状況といってよい。大引け間際には、週末特有の手仕舞い売りではなく、空売り筋による“手仕舞い買い戻し”で日経平均は締まる形となり、60円あまり上昇してこの日の取引を終えた。

●外部環境不透明でも株は上がる

 相場を取り巻く外部環境を改めて俯瞰してみる。米中貿易交渉については、ここ最近は協議進展を期待させる報道が相次いだが依然として不透明感は拭えない。中国景気減速懸念についても以前ほどは喧伝されなくなったが、民間調査のPMIなどソフトデータが急改善している一方で、設備投資などのハードデータは低水準が続いている。佳境を迎えている国内企業の決算発表も、総じて厳しい内容が目立ち、ここまでに通期予想を下方修正する銘柄も多くみられた。上場企業の20年3月期は前期に続き4%程度の最終減益決算となる可能性が高いとみられている。しかし、それらをすべて併せのんだうえで株式市場は強い。

 10月中旬以降の日経平均の急激な上昇トレンドは、空売りの買い戻し(踏み上げ)が原動力であることは論をまたない。いうなれば、行き過ぎた悲観論の敗北がもたらした上昇相場だが、これは株式需給面から見た切り口である。見る角度を変えてファンダメンタルズ的視点に立てば、米国株の上昇に対し大きく出遅れていた日本株が“自然体”でキャッチアップする動きであったと定義づけることもできる。

●「業績底入れ期待」という看板を掲げた金融相場

 そして、今の世界的な上昇相場の本質は、景気や企業業績の「底入れ期待」という看板を掲げた金融相場である。自国経済は強靱でもFRBが予防的な利下げを繰り返し、欧州でもECBがそれに追随するなど、世界的に見てなりふり構わない緩和競争の色が強まった。緩和余地の少ないとされる日本でも、黒田日銀総裁はそれを完全否定し、マイナス金利深掘りの選択肢があることを明示している。こうした一連の動きが、株式市場に資金を誘導した立役者であり、売り方がトレンドを見誤る背景ともなった。

 そのなか、東京市場では新たな物色の流れが形成されている。指数に連動しやすい主力大型株だけでなく、ここ数年内に大相場を形成した銘柄などを中心に、中小型のテーマ株に底入れ急反騰の動きをみせるものが増えてきた。金融相場の奔流がいよいよ値動きの軽い材料株に波及してきている。主軸となっているのは個人投資家資金だが、個人の信用余力の回復はその元をたどれば、緩和マネーにより流動性の高まった相場が礎となっていることはいうまでもない。

 全体相場が上値を指向する過程で、個別ではその何倍も激しい戻り相場を演じる銘柄が多くなるのが常。今回は、強力な物色テーマに裏打ちされた中小型株で、株価変貌の可能性を漂わせる7銘柄をエントリーした。

●晩秋でも体感温度MAX!の選りすぐり7銘柄はこれだ

【テラスカイは量子コンピューターで大空飛翔へ】

 テラスカイ <3915> が上昇本番の様相、2200~2300円前後が同社株における長期ボックス圏上限にあたるが、今回の上昇波でここを突破して上値追いの新たなステージに突入する可能性が高い。同社は米セールスフォース・ドットコムのシステムで構築するクラウド導入支援業務を手掛け、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の一角としてスポットライトが当たっている。また、量子コンピューター分野でも強さを発揮する。今年6月に量子コンピューター関連ビジネスを手掛ける子会社キューミックスを設立、IBMと連携して同分野を深耕していく構え。業績も絶好調だ。構築案件における好採算の自社製品販売が牽引する形となり、20年2月期営業利益は2億4600万円予想から4億9800万円へ従来計画比倍増となる上方修正で異彩を放った。これは前期比4倍の高変化を見込んでおり、爆発的な成長力を潜在させていることも明らかとなった。<急騰性3・中長期的上値余地5>

【国際チャートは1年前の大相場再現に向け第一歩】

 国際チャート <3956> [JQ]は動兆著しいが、中長期トレンドでは底値圏離脱の初動であり、押し目があれば逃さず捉えたい。電力業界向けを主力とする計測用記録紙のほか、スーパーや通販向けラベル事業を手掛けるが、同社の過半数の株式を取得し傘下に収めたナカバヤシグループとの協業がうまく軌道に乗っており、前期から業績は急改善方向にある。19年3月期の営業6割増益に続き、20年3月期も前期比24%増益見通しと大幅な伸びが続く。時価総額はわずか20億円前後で信用買い残も少なく、材料株の中でも足の軽さが際立つ。ちょうど1年前の18年11月に時価と同じ株価水準からわずか2週間余りで695円の高値まで駆け上がったが、今は業績面の裏付けがあるだけにその再演もあり得る。セルフレジの普及で市場拡大が見込まれているICタグ(RFID)関連の一角であり、政府が普及を後押しするキャッシュレス決済との相性も良い。<急騰性4・中長期的上値余地3>

【石井表記は抜群の急騰性、本領発揮はこれから】

 石井表記 <6336> [東証2]の本領発揮はこれからだろう。株価は10月23日に突発的にザラ場ストップ高に買われた後、確変モードに突入。一息入れてからストップ高を連発し同月30日には863円の高値に買われた。その後は反動安となったが、今の材料株相場はこれで幕引きとはならない。同社は研磨や洗浄などプリント基板製造装置メーカーとして高い技術力を有し、インクジェットの量産実績と独自技術をベースにした開発力で他社と一線を画す。過去にインクジェット塗布装置で培ったノウハウを活用した全固体電池開発への期待で大相場を出した経緯がある。中国展開にも注力、米中摩擦問題が徐々に雪解けの方向に向かうなかで追い風も意識されている。昨年12月に中国液晶メーカー向けに大型インクジェット装置と関連部品の大口受注を獲得した実績が光る。時価総額50億円台と小型で浮動株比率も低く同社株特有の品薄感が投資資金の食指を動かす。<急騰性5・中長期的上値余地3>

【Eガーディアンはスマホ決済で新境地、波動転換】

 イー・ガーディアン <6050> の戻り相場に期待が大きい。18年の4月に4825円の高値をつけているが、そこから約1年半にわたり下値を切り下げてきた。しかし、直近上値抵抗帯となっている26週移動平均線をブレークし、大勢トレンド転換の可能性が高まっている。早晩2000円台での活躍が有力視される。ネットセキュリティー事業を展開するが、監視・CSにとどまらず運用や分析など新たなサービス領域を開拓しニーズを取り込むことに成功。また、キャッシュレス時代に向けた国策支援を背景にスマートフォン決済の本人認証などで時流を捉えている。19年9月期は、トップライン、営業利益ともに2ケタ成長を達成した。続く20年9月期もトップラインは2ケタ成長を継続し、同時に増益トレンドも確保する見込み。会社側が計画する営業利益12億100万円は保守的で上振れ余地を内包している。<急騰性3・中長期的上値余地4>

【ITbookはマイナンバーと国土強靱化の実力株】

 ITbookホールディングス <1447> [東証M]は300円台前半で存分に売り玉を吸収し、満を持して上値指向に転じてきた。ITコンサルティングのITbookと地盤調査事業を展開するサムシングHDとの経営統合で誕生した企業で、官公庁案件向け受注実績で一頭地を抜く。ITコンサル業務はマイナンバー関連に強く、9月の「デジタル・ガバメント閣僚会議」で決定した「マイナポイント」の実施や、政府が本腰を入れるマイナンバーカードを健康保険証として利用できる制度運用などを背景に、同社は地方自治体を対象とした普及対策支援に本格的に乗り出している。また、防災・減災に向け国が予算を計上して動き出すなか、そのキーカンパニーとしても存在感が大きい。地盤調査事業はAIIoT技術を取り入れた自動化システム開発を推進、改良工事ではらせん状の節を持つ安定した品質の補強体築造を可能とした新商品「スクリューフリクションパイル工法」が注目されている。<急騰性3・中長期的上値余地4>

【トリニ工はトヨタ関連で見直し、上昇加速局面へ】

 トリニティ工業 <6382> [東証2]の目先の上昇一服場面は狙い目。10月下旬から急動意モードとなり11月初旬に858円の年初来高値を形成、しかしこれは18年2月の高値1200円からの戻り3~4合目というところで、ここからの上値追い加速に思惑が強まる。トヨタグループ向けを主力とする塗装設備大手で自動車部品も手掛ける。持ち前の高度な技術力と様々なハードやソフト及びIT技術を融合したデジタルファクトリーへの取り組みを強化している。また、ここ急速に見直しの動きが出ている中国関連株の一角であり、トヨタグループは今後中国展開を積極化させる方針にあることで、必然的に同社もその流れに乗ることになる。足もとの業績は塗装設備、自動車部品ともに大幅に伸びており、19年4-9月期営業利益は前年同期比2.7倍の14億3800万円と高変化を示し、上期時点での対通期進捗率は72%に達している。<急騰性4・中長期的上値余地3>

【古河電池は2次電池の開発力武器に需給相場入り】

 古河電池 <6937> は材料株の中でもオールドファンが多く、ここ数週間の値運びは往年の仕手性を漂わせる。車載用鉛蓄電池が好調で19年4-9月期は営業利益が前年同期比2.2倍の6億8600万円と急拡大しており、PER10倍前後の株価は業績面のアプローチから水準訂正余地に富む。リチウムイオン電池やマグネシウム電池にも展開し、開発力の高さは折り紙付きだ。リチウムイオン電池については量産設備こそ持っていないものの、小惑星探査機の「初代はやぶさ」と「はやぶさ2」への搭載実績があり、JAXAから全幅の信頼を勝ち得た実力は株式市場においても改めて注目されそうだ。また、同社の100%子会社で2次電池の研究開発を手掛けるABRIは複数の特許を有し、今後の展開力に思惑が膨らむ。信用取組は厚みには欠けるとはいえ売り買い拮抗しており、信用倍率は1.1倍台、需給相場に向けた下地は整っている。<急騰性4・中長期的上値余地3>


■晩秋の急騰モンスター7銘柄■
                  中長期的
銘柄 <コード>      急騰性   上値余地
ITbook <1447>   ☆☆☆   ◆◆◆◆
テラスカイ <3915>    ☆☆☆   ◆◆◆◆◆
国際チャート <3956>   ☆☆☆☆  ◆◆◆
イーガーディ <6050>   ☆☆☆   ◆◆◆◆
石井表記 <6336>     ☆☆☆☆☆ ◆◆◆
トリニティ工業 <6382>  ☆☆☆☆  ◆◆◆
古河電池 <6937>     ☆☆☆☆  ◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中長期的上値余地は◆が多いほど大きい

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