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【特集】大化けのプロローグ、AI関連「中低位株」ここから狙う5銘柄 <株探トップ特集>

人工知能(AI)関連株に新たな風が吹き始めた。ディープラーニングによって大進化を遂げたAIが切り開く新世界。大化けの期待漂わせる株価3ケタ台の銘柄に照準を絞れ。

―SVF第2号始動で号砲鳴る、出遅れAI関連に株価水準訂正のビッグウェーブ―

●AI関連株争奪戦の第2ステージが始まる

 東京株式市場は米中摩擦問題が長期化するなか、日経平均は先物主導でレンジを切り上げてきた。とはいえ、米中摩擦、香港の政情不安、英国の合意なき離脱に向け警戒は解かれた状態とはいえない。世界的な景気減速に加え、日本国内は10月からの消費税引き上げが待つ。日経平均が本当の意味で上昇トレンドを取り戻すにはしばらく時間を要することになりそうだ。

 しかし、相場の体感温度が高まってきたところでテーマ物色にもチャンスが生まれている。国内外に不透明材料は多いが、ここは総論で相場を語る場面ではない。各論に攻め込んでこそ見えてくる景色というものもある。

 人工知能(AI)関連株に新たな風が吹き始めた。ソフトバンクグループ <9984> 率いる「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」第2号が近く始動する見通しにある。孫正義社長は早い段階で次世代を担うAI関連企業に積極投資する意思を示しているが、SVFはソフトバンクの前期業績を牽引した立役者であるだけに、その一挙一動に必然的に耳目が集まる。SVFの価値増大の原動力となったのはAI関連を中心とする未上場企業だったことは記憶に新しい。これから、その第2陣となる巨大資金が新興AI企業を丸飲みしていくことになる。

 そしてこうした動きは早晩、東京市場においても“AI関連銘柄争奪戦”の呼び水となる可能性がある。

 自動運転車ドローンなど、新時代のステージを象徴する成長市場が立ち上がるほか、医療・バイオ、金融、不動産、流通といった我々の生活と密接に関わる分野でAIは日進月歩でその存在を高めている。安倍晋三首相は、2020年の東京五輪をメルクマールにAIを使った最先端の顔認証など新技術導入に意欲的な姿勢をみせているが、これは推進する成長戦略の断片図ともいえる。少子高齢化が進むなかにあっての成長戦略とは、言い換えれば生産性革命に等しい。安倍政権が描く「ソサエティ5.0」とはいわば生産性革命を遂げた近未来の青写真でもある。そして、その主役がAIということになる。

●飛躍したAIが世界を制する道具と化す

 AIは情報処理技術であるディープラーニングによって革命的な進化を遂げた。脳の仕組みを模したニューラルネットワーク(人工ニューロン)を活用し、情報の入力層と出力層の間にある隠れ層と呼ばれる中間層を多層化することで認識を繰り返し、これによって入力されたデータに対しコンピューター自らがパターン認識できるようになった。それに伴い人やモノの存在にとどまらず、「色」「形」「向き」などを認識できる高度な画像認識音声認識がAIに飛躍をもたらす形となった。したがって、1960年代、1980年代の過去2度にわたって経験したAIブームと2010年代に入ってから本格化した今回のそれとは大きく背景が異なる。

 各国のIT大手をはじめとする民間の大資本企業や国家自らがAI分野での主導権争いに躍起となっているのも「AIを制する者が世界を牛耳る」というプーチンロシア大統領の言葉が、世界のコンセンサスとなっているからだ。AI大国といえば米国だが、それを中国が脅かす存在となりつつある。ちなみに中国では、現在AI関連企業が2500社を超える数にのぼると言われている。米中摩擦の根底は貿易収支の問題ではなく、本質的にはIT技術分野を土俵としたAI覇権争いといっても過言ではない。

 日本はこれまで欧米や中国の後塵を拝していたが、この解消を図ることは至上命題といってもよい。生産性革命の中核エンジンとしてAI技術の促進は国家を挙げての最重要プロジェクトとなっていく。来年度にAIビジネスの国内市場規模は1兆円を上回り、更に2030年度には2兆円を上回るという試算があるが、それを上回るスピードの成長が今の日本には求められている。

●ひしめき合う有望銘柄群に再び脚光

 そうしたなか、東京市場でも同テーマにおいて注目すべき銘柄が既に数多く輩出されている。そして、今後もITサービスやシステム開発関連銘柄を中心に、その数は増勢をたどることが予想される。

 AIを活用したビッグデータ分析などアナリティクス事業を主力展開しAI関連の代表格に位置するブレインパッド <3655> 、同様にAIによるビッグデータ解析に強みを持ち、データサイエンティストの育成にも力を入れるALBERT <3906> [東証M]、AIエンジン「KIBIT」などを活用したリーガルテック事業を展開するFRONTEO <2158> [東証M]などがシンボルストックとして取り上げられることが多いが、このほか、AIアルゴリズムを開発し優秀なAIエンジニアを人的資産とするPKSHA Technology <3993> [東証M]、AIがホワイトカラー業務の代行を行うRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の代名詞的企業RPAホールディングス <6572> 、データサイエンス領域に特化した人材派遣サービスを展開するメンバーズ <2130> 、AIを駆使した自動翻訳サービスを手掛けるロゼッタ <6182> [東証M]、AI分野に精通した経営コンサルでドキュメント自動入力プラットフォーム「ディープシグマDPA」に引き合い旺盛なシグマクシス <6088> 、技術者派遣会社でAIマッチング採用管理ツール「SUZAKU」を武器にするエスユーエス <6554> [東証M]などがマークされる。

 更に独立系の システムインテグレーター大手でAIロボット分野も深耕するTIS <3626> 、同じく独立系システムインテグレーターでAI開発案件が増勢一途のシステム情報 <3677> 、AI・IoT分野のソリューションデバイス開発で実績の高いネオス <3627> 、AI・RPAなどを軸に情報コンサルを展開しアジャイル開発でも先駆する豆蔵ホールディングス <3756> 、ウェブ解析AI「AIアナリスト」を提供するWACUL(東京都千代田区)と協業するODKソリューションズ <3839> [JQ]なども目の離せない銘柄だ。

 そして、とりわけ現在の東京市場には株価が中低位に位置するAI関連株に投資マインドを揺さぶるような銘柄が数多く眠っている。今回は、株価が3ケタ台(1000円未満)に位置し、近い将来の大化け素地を内包する5銘柄を絞り込んだ。

●株価変身期待の中低位AI関連5銘柄はこれだ

【sMedioはAI画像解析などに将来性】

 sMedio <3913> [東証M]は足もとの業績こそ低調だが、これは将来的な株価変貌余地を否定するものではない。同社はデジタル家電向けソフト開発を手掛けるが、ポイントはAIディープラーニング型映像や画像解析エンジンを自社開発していることで、これから市場の成長加速が見込まれる顔認証やエッジ端末、IoT機器への実装でキーカンパニーとして存在感を示す。メガソーラー開発のウエストホールディングス <1407> [JQ]と業務提携しており、sMedioが有するIoTクラウドの構築技術やデータサイエンスを含むAI技術をウエストHDのエネルギーソリューションと結合させ、サービスの高付加価値化に取り組む。株価は8月28日に870円まで駆け上がったが、長い上ヒゲを形成。往って来いの形寸前で踏みとどまり、そこから下値切り上げ波動を形成し動意モードを継続。週足で中長期波動を眺めれば、ここでの上下動は底値もみ合いの誤差の範囲。一昨年7月には2868円に買われており、更に遡って15年6月には5750円の最高値を形成、この天井の高さは特筆される。

【日本サードは急騰性内包、上値追い本番へ】

 日本サード・パーティ <2488> [JQ]の900円近辺のもみ合いは上値追い本格化前夜とみたい。海外企業を主体にIT機器の保守点検(ICTソリューション事業)やIT研修業務(教育ソリューション事業)などを展開する。米国のAI関連中核に位置付けられるグラフィック半導体大手エヌビディアとはスーパーコンピューターの総括的サポート契約を締結している。新分野として開拓するAIインテグレーションサービス「Third AI(サードアイ)」が同社の成長ドライバーとなることが期待されるが、今年5月22日にソフトバンク <9434> が運営する「AIエコシステムプログラム」において、「ベスト・テクノロジー・パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞、これが追い風となっている。19年4-6月期営業利益は前年同期比2.6倍と急増、20年3月期は前期比7%増の2億5500万円を見込むが上振れる可能性がある。株価は16年秋口から17年の年初にかけて急騰トレンドを形成、500円近辺から1690円まで3倍以上に大化けした脚力を持つ。

【データセクションは底値買いで変身期待も】

 データセクション <3905> [東証M]は底値買いの好機といえそうだ。システム開発及びコンサルティングを展開、ソーシャルメディア分析ツールや投稿監視サービスなどの提供で高い競争力を誇る。ビッグデータ分析とAI活用ビジネス分野を深耕しており、店舗の入店客分析で機会損失を解消する分析ツールや、「AIによる画像解析」、「AIによる記事執筆」、「ドローンとAIによる交通量調査サービス(トラフィックモニター)」など多角的なAIとの融合で業界を先駆する。株価は昨年9月に1295円の高値に買われた後、時価は半値以下に売られているが、AIビジネスに特化した将来的な成長性を考慮すれば、遅かれ早かれ4ケタ台への復帰は濃厚とみられる。利益はまだバラつきがあるものの、トップラインはここ10年来目覚ましい伸びをみせている。直近ではICT・AIを活用した認知機能検査や音声分析診断などを手掛ける日本テクトシステムズ(東京都港区)と業務提携を発表している。

【ショーケースはAI脆弱性診断などに期待】

 ショーケース <3909> は8月中旬を境に急騰モードに突入、同月28日に868円まで上値を伸ばし戻り高値を形成した。その後は調整を入れているが、早晩切り返しに転じ、持ち前の快足を発揮しそうだ。ウェブサイトを最適化するクラウドサービスを展開するほか、セキュリティー分野でも高い実力を持つ。AI分野開拓にも舵を切り、マーケティング調査会社のバルクホールディングス <2467> [名証C]とは協業でAIを活用した脆弱性診断サービス「ZEIJAX」をリリースしている。このほか、インサイドセールスやコンサルティングを手掛けるブリッジインターナショナル <7039> [東証M]とも協業、提携戦略により業容を広げている。19年12月期は営業赤字見通しながら、先行投資負担による部分も大きい。20年12月期以降の収益急回復を織り込みに行く相場が期待できる。株式需給面では信用買い残の整理が進んでおり、再動意から868円の戻り高値払拭を視界に入れそうだ。

【USENHDは病院向けAI顔認証で市場開拓】

 USEN-NEXT HOLDINGS <9418> は仕込み場。800円近辺は中長期トレンドでみても底値圏で、ここからの戻り余地は大きい。動画や音楽などのコンテンツ配信をはじめ複数の事業を多角的に展開している。同社は傘下に置くアルメックス(東京都品川区)を通じ医療機関向けにAIによる顔認証で受付や精算ができるシステムを開発している。病院のIT化投資が本格化するなか、今後の需要取り込みに期待がかかる。株価指標面でPER8倍台は割安感が際立つが、これは土地譲渡契約締結に伴う繰延税金資産約40億円の追加計上で今19年8月期の最終利益を30億円から60億円に上方修正したことが背景。ただ、上方修正前でもPERは16倍に過ぎず割高感はない。今期は4期ぶりとなる5円復配を計画している点は評価材料となる。株価は底値圏もみ合いとはいえ、13週・26週移動平均線を上に抜けつつあり、動意のタイミングが近づいている。

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