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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ウィル <日足> 「株探」多機能チャートより

■ウィル <3241>  366円 (+52円、+16.6%)

 ウィル <3241> [東証2]が大幅3日続伸。一時、前日比79円(25.2%)高の393円に買われ、年初来高値を更新した。29日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1-6月)連結業績について、営業利益が1億4600万円から1億9600万円(前年同期比66.1%増)へ、純利益が7800万円から1億2500万円(同81.2%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は28億6000万円から26億1100万円(同5.5%増)へ下振れたものの、流通店舗の来店件数が同20.8%増加するなど、流通事業とリフォーム事業の業績が堅調に推移したことが寄与したという。

■ソルクシーズ <4284>  1,111円 (+150円、+15.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。ソルクシーズ <4284> がストップ高。29日大引け後、19年12月期上期(1-6月)の連結経常利益を従来予想の2億5000万円→3億7500万円に50.0%上方修正したことが買い材料視された。前期に計上した不採算プロジェクトが収束したほか、官公庁や金融向けの外注費が低下したことが寄与。製造業向けソフト開発の大口案件の受注獲得に加え、自動車メーカー向け組み込み系システム開発支援で好採算案件が増加したことも上振れに貢献した。上期業績の好調に伴い、通期の同利益も従来予想の8億円→9億円に12.5%上方修正。増益率が10倍→12倍に拡大し、12期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

■エリアリンク <8914>  1,150円 (+112円、+10.8%)

 エリアリンク <8914> [東証M]が急反騰。同社はトランクルームのレンタル事業など不動産サブリースなどを展開、足もとの業績は好調に推移している。同社が29日取引終了後に発表した19年12月期中間期(1-6月)決算は売上高が前年同期比44.5%増の201億4500万円、営業利益が同76.3%増の26億3400万円といずれも高水準の伸びを示した。これがポジティブサプライズとなり、買いを呼び込んだ。不動産運用サービス部門はストレージ事業が牽引、また不動産再生・流動化部門では前期末に販売用不動産に振り替えた保有不動産の売却などが収益拡大に大きく寄与している。

■美樹工業 <1718>  3,880円 (+330円、+9.3%)

 美樹工業 <1718> [JQ]が大幅3日続伸し年初来高値を更新。29日の取引終了後、19年12月期連結業績予想について、売上高を300億円から310億円(前期比5.2%増)へ、営業利益を10億円から12億円(同9.1%減)へ、純利益を6億3000万円から11億2000万円(同57.1%増)へ上方修正したことが好感された。建設事業セグメントで、工事進行基準による完成工事計上対象物件の進捗率が予想を上回っていることに加えて、原価の見直しにより収益率が改善していることが寄与する見通し。また、繰延税金資産に対する評価性引当額の戻入を考慮したことも最終利益押し上げに貢献する。なお、同時に発表した第2四半期累計(1-6月)決算は、売上高156億1800万円(前年同期比12.8%増)、営業利益8億6100万円(同32.0%増)、純利益5億5600万円(同56.0%増)だった。

■寿スピリッツ <2222>  6,590円 (+460円、+7.5%)

 東証1部の上昇率7位。寿スピリッツ <2222> が急伸、年初来高値を更新した。29日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比87.7%増の15.6億円に拡大して着地したことが買い材料視された。新規出店効果や既存店の強化などで洋菓子店「シュクレイ」の業績好調が継続したことが寄与。空港免税エリアでの販売が拡大したことに加え、活況だった大型連休も追い風材料になった。

■味の素 <2802>  1,908円 (+122円、+6.8%)

 東証1部の上昇率10位。味の素 <2802> が続急伸。30日午後2時ごろに発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高2668億8200万円(前年同期比1.7%減)、事業利益278億500万円(同28.0%増)、純利益164億7600万円(同20.8%増)と大幅増益となったことが好感された。アフリカ豚コレラ拡大の影響でライフサポート分野の動物栄養事業が落ち込み、売上高は減収となったが、海外加工用うま味調味料の販売単価上昇に加えて、米国における前年の値上げ効果や生産性改善で海外冷凍食品が大幅増益となったことなどが増益に寄与した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高1兆1710億円(前期比3.9%増)、事業利益970億円(同4.7%増)、純利益500億円(同68.4%増)の従来見通しを据え置いている。

■トランコム <9058>  6,380円 (+360円、+6.0%)

 物流センター構築運営サービスなどを手掛けるトランコム <9058> が急伸。同社は29日取引終了後に、20年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は16億7800万円(前年同期比12.0%増)となり、上半期計画30億8000万円に対する進捗率は54.5%に達した。売上高は392億4000万円(同6.4%増)で着地。ロジスティックマネジメント事業は新規拠点の稼働や既存顧客の物流増で増収増益となったほか、物流情報サービス事業も自動車部品の幹線輸送の拡大などで好調だった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■スタンレー <6923>  2,789円 (+136円、+5.1%)

 スタンレー電気 <6923> が3日ぶりに急反発。同社は29日取引終了後に、20年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は129億7600万円(前年同期比7.8%減)となったものの、上半期計画211億円に対する進捗率は61.5%に達した。売上高は1032億6200万円(同6.0%減)で着地。主力の自動車機器事業が世界的な自動車生産の減少の影響を受けて自動車用ランプの販売が減少したほか、電子応用製品事業ではストロボ製品が苦戦した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■セガサミー <6460>  1,365円 (+65円、+5.0%)

 セガサミーホールディングス <6460> が大幅3日続伸。前引け後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高727億3400万円(前年同期比5.7%増)、営業利益34億900万円(同3.6倍)、純利益17億1800万円(同5.1倍)と大幅増益となったことが好感された。エンタテインメントコンテンツ事業のパッケージゲーム分野で新作タイトルの販売が好調だったことに加えて、デジタルゲーム分野でタイトル譲渡益を計上したことが業績拡大に貢献した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高3900億円(前期比17.6%増)、営業利益270億円(同2.1倍)、純利益150億円(同5.7倍)の従来見通しを据え置いている。

■JCRファ <4552>  7,480円 (+340円、+4.8%)

 JCRファーマ <4552> が350円高の7490円に買われ、前週末につけた7400円を上回り上場来高値を更新した。遺伝子組み換え分野での技術蓄積を強みとするバイオベンチャーで、ホルモン製剤を収益の主柱としバイオシミラーも育成している。収益面では遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」が好調に推移しており全体業績を牽引。健康な人の骨髄から抽出した間葉系幹細胞を使った細胞医薬品である「テムセル」も再生医療分野の有力商品として需要開拓が進むほか、腎性貧血治療薬「エポエチンアルファ」への引き合いも旺盛だ。19年4-6月期はトップラインが前年同期比10%の伸びを示したものの、営業利益は研究開発費負担などで15%減益となった。しかし、下期偏重型の収益モデルで通期営業利益は増益を確保する見通し。将来的な収益成長への期待から押し目はすかさず拾われ、上値指向の強さが浮き彫りになっている。

■大塚ホールディングス <4578>  4,028円 (+169円、+4.4%)

 大塚ホールディングス <4578> が大幅反発。30日の寄り前に、集計中の第2四半期累計(1-6月)連結業績について、売上高が6650億円から6700億円(前年同期比8.4%増)へ、営業利益が780億円から960億円(同22.2%増)へ、純利益が600億円から670億円(同4.2%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。エビリファイメンテナ、レキサルティ、サムスカ/ジンアーク、ロンサーフのグローバル4製品が好調で、特に米国におけるジンアークの売り上げが計画以上に推移していることが要因。また、販管費や研究開発費が計画を下回っていることも寄与したとしている。

■NSW <9739>  2,926円 (+116円、+4.1%)

 日本システムウエア <9739> が3日続伸。29日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比59.3%増の6.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。ITソリューション事業で官公庁・団体向けを中心にシステム開発案件が伸びたことが寄与。利益率の高い自社パッケージソフトの販売増加や不採算案件の解消に加え、サービスソリューション事業の収益が拡大したことも大幅増益に貢献した。

■スクリン <7735>  5,920円 (+200円、+3.5%)

 SCREENホールディングス <7735> が3日ぶりに大幅反発。29日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を3270億円から3240億円(前期比11.0%減)へ、営業利益を265億円から250億円(同15.7%減)へ、純利益を180億円から170億円(同5.9%減)へ下方修正し、これを受けて朝安でスタートしたものの、悪材料出尽くし感から買いが入りプラスに転じている。主力の半導体製造装置事業は前回予想並みの売り上げを見込むものの、世界景気の先行き不透明感から、グラフィックアーツ機器事業を中心に売り上げの下振れが予想されることが要因としている。また、ディスプレー製造装置及び成膜装置事業で変動費率の上昇が見込まれることや、円高傾向影響などが利益を押し下げるとしている。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高582億3000万円(前年同期比19.7%減)、営業損益44億2800万円の赤字(前年同期51億円の黒字)、最終損益29億1800万円の赤字(同35億6600万円の黒字)だった。

■ファナック <6954>  19,870円 (+605円、+3.1%)

 ファナック <6954> が大幅反発。同社が29日取引終了後に発表した19年4-6月期決算は売上高が前年同期比26.4%減の1346億3400万円、営業利益は同47.5%減の285億9500万円と大幅減収減益を余儀なくされた。これを受けて、20年3月期通期業績予想も下方修正、営業利益は従来予想の757億円から713億円に減額している。米中貿易摩擦の影響で中国向けなどを中心に企業の設備投資意欲が減退、これが全体収益を押し下げた。ただ、株価は4-6月期の業績低迷については織り込みが進んでいた。また、前週末から決算発表を警戒した売りが前倒しで出ていたこともあり、目先は材料出尽くし感から買いが優勢となった。なお、同社は同日に4月に発表した300万株を上限とする自社株買いについて7月末としていた期限を10月末まで延長することを発表している。

■東エレク <8035>  18,700円 (+550円、+3.0%)

 東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> など半導体製造装置関連株が買いを集めた。29日の米国株市場ではアプライドマテリアルズやマイクロンテクノロジー、ザイリンクス、エヌビディアといった主な半導体関連銘柄は安かったものの、インテルが2%近く買われる展開となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながらプラス圏で着地している。30日は外国為替市場で1ドル=108円台後半と円安方向に振れたこともあり、半導体製造装置関連株は目先調整一巡から買いが優勢となった。

■日立製作所 <6501>  3,944円 (+114円、+3.0%)

 日立製作所 <6501> が4日ぶり大幅反発。同社が29日取引終了後に発表した19年4-6月期決算は最終利益段階で前年同期比14.3%増の1203億300万円と2ケタ増益を確保した。売上高は同6.2%減の2兆325億8000万円と減少したが、英国で手掛ける鉄道事業の株式一部売却に伴う特別利益の計上などにより最終利益が押し上げられた形だ。株価は前週7月24日に戻り高値4080円をつけてからは調整色を強めたが、足もとは買い安心感から押し目買いを誘っている。

■DTS <9682>  2,424円 (+64円、+2.7%)

 DTS <9682> が3日続伸、一時7%近い上昇で一気に2500円台に歩を進め年初来高値を更新した。同社は金融機関、通信向けなどを主力とする独立系システム開発会社だが、ビジネスプロセスを一括して請け負うBPO事業などが好調で収益拡大基調を強めている。同社が29日取引終了後に発表した19年4-6月決算は営業利益が前年同期比25.3%増の23億6500万円と高変化を示しており、これを評価する買い流入した。株価は2300円台後半に位置する5日移動平均線を足場にマドを開けて上放れる格好となった。

■キーエンス <6861>  63,770円 (+1,620円、+2.6%)

 キーエンス <6861> が切り返し急、一時1800円強の上昇をみせ6万4000円近辺まで浮上した。前週末に発表した19年4-6月期決算では最終2ケタ減益に落ち込んだが、同社が第1四半期に減益となるのは9年ぶりということもあって、株価は下値模索の動きを余儀なくされていた。ただ、株価は前週末と今週明けに連続でマドを開け、2営業日合計で5000円以上値下がりしており、目先は突っ込み警戒感からの買い戻しを誘っている。30日は外国為替市場で1ドル=108円台後半に円安が進んだことも追い風に、ヘッジファンドの貸株調達による空売りのショートカバーなどが株価の戻りに寄与した形だ。

■アカツキ <3932>  7,280円 (+160円、+2.3%)

 アカツキ <3932> が反発。29日の取引終了後、欅坂46・日向坂46の公式音楽アプリ「UNI’S ON AIR(ユニゾンエアー)」の事前登録者数が、20万人を突破したと発表しており、これを好感した買いが入っている。同アプリは、欅坂46・日向坂46のプロデューサーとなり、彼女たちが登ってゆく坂道をプロデュースしていく、欅坂46・日向坂46応援公式音楽ゲームアプリ。人気楽曲をライブ映像で多数収録し、ライブの興奮や圧倒的なパフォーマンスをリズムゲームで体験することができるのが特徴で、今夏から秋にかけて配信開始を予定している。なお、事前登録は7月18日に開始した。

■大阪ガス <9532>  1,988円 (+43円、+2.2%)

 大阪ガス <9532> が続伸。国内ガス市場の先細りが予想されるなか、同社は長期ビジョン・中期経営計画に基づき、海外エネルギー事業の展開を加速している。29日取引終了後、米シェールガス開発会社のサビンオイル&ガスを買収すると発表し、これを好感した買いが流入した。同日発表された20年3月期第1四半期(4-6月)売上高は前年同期比12.6%増の3350億6800万円、最終利益は同83.1%増の286億3100万円となった。17年4月から始まった都市ガス自由化で競争が激化し、4-6月期ガス販売量は前年同期比4.0%減だった。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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