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【特集】飯野海運 Research Memo(5):2019年3月期は経常・最終増益


■業績動向

1. 2019年3月期連結業績
飯野海運<9119>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.3%増の84,843百万円、営業利益が同15.4%減の4,782百万円、経常利益が同1.5%増の4,701百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.4%増の4,685百万円だった。平均為替レートは110.67円/米ドル(前期は111.19円/米ドル)で、平均燃料油価格は430米ドル/MT(同337米ドル/MT)だった。

2018年3月期との比較で見ると、売上高は外航海運業におけるケミカルタンカーの隻数増加、内航・近海海運業における近海ガス輸送の市況上昇、不動産業におけるNS虎ノ門ビルの取得なども寄与して、全セグメントが増収となり、全体として4.3%増収だった。営業利益は、内航・近海海運業が契約有利更改なども寄与して大幅増益だったが、不動産業が横ばいにとどまり、外航海運業がケミカルタンカーの市況回復遅れなどで大幅減益となり、全体として15.4%減益だった。

全社ベースの営業利益8.7億円減益分析は、増益要因がオイル0.7憶円、ドライバルク(不採算船処分などの構造改革効果、市況回復効果)8.6億円、内航・近海(契約有利更改、効率配船)2.3億円、不動産0.4億円、減益要因がガス(売船による隻数減少、前期の市況低迷時の価格をベースに契約した一部のVLGCの影響)8.0億円、ケミカル(市況低迷、入渠費用増加)11.0億円、為替・他1.6億円としている。

経常利益は、営業外収支での為替差損益の改善(2018年3月期は差損411百万円、2019年3月期は差益378百万円で789百万円改善)や、受取配当金の増加(2018年3月期は858百万円、2019年3月期は1,257百万円で399百万円増加)が寄与して、1.5%増益だった。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に減損損失1,146百万円など合計1,605百万円を計上したが、特別利益に固定資産売却益2,155百万円など合計2,161百万円を計上し、10.4%増益だった。

なお計画値(2019年1月31日修正値、売上高84,000百万円、営業利益5,100百万円、経常利益5,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,900百万円)との比較では、売上高が計画を上回ったが、各利益は計画を下回った。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SF》

 提供:フィスコ

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