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【特集】超絶の上げ足、成長力底光り材料株「最強セレクト7銘柄」 <株探トップ特集>

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

―全体相場とは異なる世界観、鉄壁の成長シナリオが株価の変貌をもたらす―

 28日の東京株式市場は、米中首脳会談の結果待ちで閑散商いのなか弱含みで推移した。直近の投資部門別売買動向を見ても外国人投資家が依然として資金回収の動きを続けていることが確認され、一方で国内機関投資家が静観を決め込み、買い主体が事業法人、つまり自社株買いだけでは確かに相場の活力は高まりようがない。28日はG20大阪サミットが開幕し、午前中に日米首脳会談が開かれたものの、相場全般への影響は軽微。投資家の意識は米中会談の一点に集中しており、相場は株価指数先物への機械的な売買が起こす風以外はほとんど凪に近い状態だった。

●米中首脳会談を通過してもトレンドは生じない

 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談がどういう形で終わっても、上下どちらかに相場が放れると読めば、金曜日の段階で敢えて動く必要はないというのが、常識的な見方だ。ただ、トレンドが上に行くか下に行くかは今回の会談の結果だけで決まるものではないということは理解しておく必要がある。週明けに株価の変動はあっても、それは潮の流れではなく「波」であって、水面(みなも)を揺らすに過ぎない。

 企業や経済のファンダメンタルズが広げた波紋が株式市場の潮の流れを決める。今は、米中摩擦問題にかかわらず、世界的な景気減速を背景とした逆業績相場を警戒している。この流れを金融緩和環境の復活で食い止めようというのが、現在進行している舞台である。そこには歪みが生じる可能性も高く、全体指数との連動性の高い主力株に資金を長期スタンスで寝かせるのは正直リスクもある。

●株価を変身させるのは強力な成長シナリオを持つ企業

 しかし、個別銘柄の物色にはまた違った世界観がある。外需や内需という単純な区分けではなく、投資対象とする企業に成長の礎があるかないか、それが重要だ。仮に日経平均が上値を徐々に切り下げる下降トレンドに入ったとしても、個別に成長を支える商品や技術、あるいは経営戦略を持つ企業については、そういった“他とは違う強み”をマーケットは評価する。折に触れて盛り上がるテーマ物色の動きは、時にマネーゲームの様相を呈することもあるが、基本的には当該企業に成長の青写真が描けることが買いの根拠となっている。

 具体的に挙げれば、ITの先端領域である人工知能(AI)IoTクラウド分野でシステムを開発したり高付加価値サービス提供する企業、あるいは5G自動運転などの次世代成長産業においてキーデバイスを供給できるメーカー。また、規制でがんじがらめの日本国内から離れ、ポスト中国を担うアジア新興国などでいち早くビジネス基盤を築き上げている企業、などが狙い目となる。そこで、今回はこうした条件に見合う中小型株で、将来的な成長キャパシティーを存分に内包する7銘柄を厳選した。

●超絶の株高へ向かう7銘柄はこれだ!

【システム情報はAIなど成長分野開拓で青空圏飛翔へ】

 システム情報 <3677> はここ動意含みで要注目。日足一目均衡表で雲抜けを果たした矢先、900円台を駆け上がり4ケタ大台での活躍を目指す動きが期待できる。独立系のシステムインテグレーターで金融業界や通信業界向けを中心にソフトの受託開発を手掛ける。ソフトウェアの迅速な開発を目的とした手法「アジャイル開発」が注目されるなか、同社は昨年9月からこのアジャイル開発を総合的にサポートするサービスを提供し、需要に対応している。業績面もAIを活用したコグニティブサービスやRPAクラウドサイバーセキュリテイー分野などの案件が伸び、急成長路線をひた走る。19年9月期営業利益は前期比27%増の12億5000万円を計画、20年9月期も2ケタ成長トレンドに変化はなさそうだ。4月1日につけた986.5円(分割後修正値)が上場来高値だが、ここを上抜けば戻り売り圧力から解放された青空圏を走ることになり、上昇余地は見た目以上に大きい。<急騰性3・中期的上値余地5>

【東邦システムは変身前夜、光通信関連で需給思惑も】

 東邦システムサイエンス <4333> は株価変身の余地がある。金融系に強いシステム構築会社で富士通 <6702> などをはじめ大手IT企業との連携が厚い。業績も19年3月期の15%営業増益に続き、20年3月期も2ケタ近い伸長を見込むなど好調。また、筆頭株主は光通信 <9435> であり、昨年来買い増しを続けている点は注目される。システム構築力を強化してAIやIoTなどの技術を活用した案件獲得を推進、大型案件の獲得が進んでおり、非金融系でも医療分野などの需要を開拓している。企業のIT投資意欲を背景としたクラウドや電装化が進む車載システム開発など成長分野で顧客獲得に力を入れていく構えにある。来期以降も増収増益基調が続く公算大で15倍前後のPERと2.6%前後の配当利回りは見直しが必至だ。株式需給面で信用買い残は枯れた状態にあり、動き出せば想定以上に快足を発揮するタイプの銘柄といえる。<急騰性5・中期的上値余地4>

【北電工業は高技術で超割安圏、5G対応で需要捉える】

 北陸電気工業 <6989> の1000円大台を前にしてのもみ合いは絶好の仕込み場とみたい。日々の出来高は薄いが人気素地は十分、信用買い残も枯れており動意づけば上値の軽さを浮き彫りにしよう。スマートフォンなど情報端末向けモジュール製品を主力とする電子部品メーカーだが、世界で初めて微小電気機械素子(MEMS)の量産に成功するなどその高技術力に定評がある。最近は車載向けが伸びて収益に貢献している。自動車のエレクトロニクス武装が進展するなか、CASEや5G対応の次世代技術を調査する事業開発戦略部を新設、独自のテクノロジーを駆使して付加価値の高い新デバイス開発に傾注する構えをみせる。技術をウリにしている会社ながら、バリュー株としての特性も際立つ。PER9倍前後、PBR0.6倍台、配当利回り3%台はあまりに割安といえる。仮に1株純資産レベルまで買われたとして株価は1500円台という高みに到達する。<急騰性4・中期的上値余地4>

【MCJは強力な戻り足、上値追いはこれから本番】

 MCJ <6670> は強力な戻り足を形成しているが、上昇トレンド構築はここからが本番となろう。株価は5月大型連休明けから値を崩したが、600円台後半で売り物をこなし、6月相場で出直りが急となっている。同社はパソコン関連製品の受注生産を手掛けネットで直販している。「マウス」ブランドは「乃木坂46」を起用したテレビCM効果などもあって消費者に浸透している。モニター販売が好調を持続、これはデジタルサイネージの提案営業で欧州を中心に需要開拓が進んでいるためだ。19年3月期は営業利益段階で前の期比14%増の96億8800万円と2ケタ成長を達成し、20年3月期も4%増の101億1000万円予想と増益トレンドが続く見通し。会社側見通しは保守的で期中に上方修正の可能性がある。戻り足は急だが日足陽線が多く、継続的な実需買いの跡をうかがわせる。PERは依然として11倍前後と割安感がある。<急騰性3・中期的上値余地3>

【システム ディは上昇第2波へエネルギー充填完了】

 システム ディ <3804> [JQ]は6月10日にマドを開けてストップ高に買われ、その後も600円台後半から700円台前半で売り物を吸収、上昇第2ステージに向けたエネルギーを蓄えている。早晩ここを上に放れ、昨年12月の急落前の戻り高値水準850円近辺をうかがう展開が想定される。同社は学校法人やスポーツクラブ向けなどを中心に特定業種に特化したソフトウェアを開発販売しているが、業績は高成長路線をまい進、16年10月期から18年10月期まで3年間の年間平均成長率は営業利益ベースで約39%という高さを誇る。今期(19年10月期)もパッケージソフトの高品質などが寄与して前期比13%増と2ケタ成長をキープする見込み。次世代学園ソリューションの「CampusPlan Smart」はAIやIoTなど「ソサエティー5.0」に対応したもので、時流に乗る形で市場開拓が期待されている。<急騰性3・中期的上値余地4>

【エヌエフ回路は底離れ、量子コンピューターで思惑】

 エヌエフ回路設計ブロック <6864> [JQ]は底練りから浮上の気配をみせており、目が離せない場面だ。電子計測器開発で抜群の商品競争力を有し、積極的な新製品投入効果もあって業績は好調、19年3月期は営業利益段階で29%増の14億2400万円と3割近い伸びを確保した。20年3月期は5%増の15億円予想と成長が続く見通し。蓄電関連市場の拡大が続くなか、電源装置の製造能力強化のため山口県に新工場を増設して需要に対応する計画。同社は量子コンピューター関連としても注目度が高い。日米両政府は量子技術分野での連携を強化する方針を確認しており、安倍政権は中核拠点の新設に向けた検討を進めるとともに、「量子技術イノベーション戦略」を策定する方針にある。そのなか同社は、量子コンピューターの研究開発に必要とされる世界最高レベルの信号増幅装置を手掛けていることが材料視されている。<急騰性5・中期的上値余地3>

【アイ・ピー・エスはフィリピン5Gで成長へ】

 アイ・ピー・エス <4390> [東証M]の時価1000円近辺は中長期的にみても大底圏となる可能性がある。同社は通信分野でフィリピンを主要ビジネスエリアとする異色企業だ。ベトナムやフィリピン、カンボジアなど成長途上のアジア地域に経営の重心を置く企業が、今の株式市場で成長の隠れテーマとなっており、同社はその代表格の一社。フィリピンの通信事業は売上高拡大が続いている。CATV用国際回線やブロードバンドが投資回収期に入っており、今後の成長を牽引しそうだ。6月21日には、子会社が同国で「5G」に使う周波数の割り当てを受けており、同国での商用化を目指す。近い将来に5G分野での先行者メリットが鮮明化されよう。一方、医療・美容事業では好採算のレーシックが業績の牽引役を担っている。同社で特筆されるのはここ数年来、トップライン、利益ともに目を見張る伸びをみせていることだ。経常利益は17年3月期に前の期比2.4倍と急拡大、これを皮切りに18年3月期は6割増、19年3月期は鈍化したとはいえ2割強の増益、そして20年3月期も11億9000万円とほぼ2割の増益を見込む。<急騰性4・中期的上値余地4>


超絶の上げ足 材料株「最強セレクト7銘柄」

銘柄 <コード>      急騰性  中期的上値余地
システム情報 <3677>   ☆☆☆   ◆◆◆◆◆
システム ディ <3804>  ☆☆☆   ◆◆◆◆
東邦システム <4333>   ☆☆☆☆☆ ◆◆◆◆
アイ・ピー・エス <4390> ☆☆☆☆  ◆◆◆◆
MCJ <6670>      ☆☆☆   ◆◆◆
エヌエフ回路 <6864>   ☆☆☆☆☆ ◆◆◆
北陸電気工業 <6989>   ☆☆☆☆  ◆◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい

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