市場ニュース

戻る

【特集】沸騰ニッポン! 新時代の波に乗る「デジタルサイネージ関連」主役株 <株探トップ特集>

五輪に万博、沸騰する列島ニッポン。ビッグイベントがデジタルサイネージの普及を加速させる。訪日客が急増するなか、観光促進、災害情報発信などと活躍の舞台は一気に広がりをみせている。

―急拡大する活用場面、満を持して活躍のステージに躍り出る―

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックや25年の大阪万博といったビックイベントを控え、 デジタルサイネージ(電子看板・電子掲示板)市場が盛り上がりをみせそうだ。訪日外国人の更なる増加が見込まれるなか、観光促進のための需要や災害情報発信体制の強化が求められていることなどが背景にある。6月12~14日にかけて幕張メッセで「デジタルサイネージ ジャパン2019」が開催されることもあり、関連銘柄に注目したい。

●紙媒体にはない大きなメリット

  デジタルサイネージとは、従来の看板や紙のポスターに代えて液晶ディスプレーやLEDを用いた映像表示装置などデジタル映像機器を使って情報を発信するシステムの総称。紙媒体との大きな違いは、配信できるコンテンツの自由度が高いことにあり、動画など多様なコンテンツを配信できるほか、見ている人自身が言語の選択などをタッチパネルで操作して、欲しい情報を取得することも可能だ。圧倒的な情報量と幅広い表現力により販売促進や宣伝効果の向上が期待でき、導入先は駅構内や電車内、空港といった交通機関のほか、小売店、百貨店、ショッピングモールなどの商業施設、医療機関、教育機関に拡大。幸楽苑ホールディングス <7554> では、一部店舗に楽天 <4755> の研究機関が開発した人工知能(AI)搭載のデジタルサイネージを19年度中に試験導入することを目指している。

●国交省は無電柱化の機器を活用へ

 これらに加え、活用先として注目されているのが観光促進と災害情報を伝える基盤整備に伴う需要だ。訪日外国人を含めた円滑な観光を推進するためには分かりやすい情報の提供が必須となるが、デジタルサイネージには個人の属性(言語など)にあわせた情報をスマートフォンやタブレットに発信することができる利点がある。また、頻発化・激甚化する災害から人命や財産の被害を最小限にとどめるための情報発信体制の強化も急務となっている。

 こうしたなか、国土交通省では街路の無電柱化に伴って設置される路上変圧器を観光・防災情報の発信に活用する計画を進めており、パナソニック <6752> と東京電力ホールディングス <9501> は3月下旬から、さいたま市と共同でデジタルサイネージの設置及び路上変圧器への広告掲載解禁に向けた実証実験をスタート。大日本印刷 <7912> と中部電力 <9502> も3月下旬から岐阜市と共同で実証実験を始めている。東京都は3月から訪日外国人が多く訪れる場所を対象に、デジタルサイネージでのLアラート(災害情報発信システム)の運用を開始しており、こうした取り組みは他の地域にも広がりそうだ。

●電通とドコモは新会社を設立

 総務省は「2020年に向けた社会全体のICT化 アクションプラン」の一環として、デジタルサイネージの推進を掲げている。市場の更なる成長が見込まれるなか、電通 <4324> とNTTドコモ <9437> はデジタルOOH広告(デジタルサイネージを活用した広告媒体)の配信プラットフォームの運営、広告媒体の開拓、広告枠の販売事業を行う新会社「LIVE BOARD(ライブボード)」を2月1日付で設立した。スマートフォンとの連動など新たな価値を付加したデジタルOOH事業の普及・拡大を目指すほか、第5世代移動通信システム(5G)を活用した高画質・低遅延での広告動画伝送の実現も視野に入れている。

 また、直近ではミナトホールディングス <6862> [JQ]が4月3日付で、昨年5月に持ち分法適用関連会社化した日本サインホールディングス(東京都千代田区)と共同で新会社「ジャパンデジタルサイネージ」を設立した。同社は以前から子会社のミナト・アドバンスト・テクノロジーズを通じてタッチパネル・デジタルサイネージ事業を展開しているが、両社の事業を統合することでシナジーを発揮し、同事業を強力に進める考え。

●ベクトルはタクシー向け新サービス開始

 ベクトル <6058> は4月3日から、タクシー後部座席IoTサイネージサービス「THE TOKYO TAXI VISION GROWTH」の提供を開始。対象となるのは都内タクシー会社5社とソニー <6758> が合弁で設立した、みんなのタクシー(東京都台東区)と提携する車両約1万台超で、サイネージ映像以外にもさまざまな広告メニューを順次公開する予定だ。

 3月にはインパクトホールディングス <6067> [東証M]のグループ会社、impactTVが店頭販促用デジタルサイネージ用STB(セットトップボックス)の新製品を発売すると発表。impactTVは同月、ソフトウェアオフショア開発を行っているベトナムのGMO-Z.com RUNSYSTEMと業務提携し、同国でデジタルサイネージの事業モデルを構築することも明らかにしている。

●CRIミドル、トランザスなどにも注目

 トランザス <6696> [東証M]は3月、次世代デジタルサイネージやコンテンツ配信プラットフォームにつながるソリューション「Magic Spotスティック」の開発を完了し、特許出願したと発表。発売は4月末を予定し、IoT時代のデジタルサイネージや次世代VOD(ビデオ・オン・デマンド)システム、eラーニング、工場内の電子看板、飲食店内のオーダーリングシステムとの連動によりビジネスの効率化を更に加速することができるということで注目度は高い。

 このほか、サイバーエージェント <4751> 子会社のCyberZはAKIBA観光協議会(東京都千代田区)と共同で、3月から秋葉原の飲食店などを含む約350店舗を活用したタイアップ広告や、デジタルサイネージを使った広告配信メニュー「AKIBAジャック」の販売を開始。CRI・ミドルウェア <3698> [東証M]は2月、デジタルサイネージ向けミドルウェア「Aeropoint Signage(エアロポイント サイネージ)」が、クラウドポイント(東京都渋谷区)のデジタルサイネージ向けクラウドサービス「CloudExa(クラウドエクサ)」の新バージョンに採用されたことを明らかにしている。

株探ニュース

日経平均