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【特集】新生「半導体関連」の覚醒、小型株“究極の5銘柄”疾風の上げ相場へ <株探トップ特集>

半導体関連株の動きが変わってきた。大型株が動意づけばこれに追随する形で足の軽い小型株に出番が回ってくるのは必然。足の速さが最大限生かされる強力な戻り相場の幕が上がる。

―AI全盛時代の屋台骨支える半導体、新次元の需要創出で中期的な大出直り局面に―

 ビッグデータの普及加速に加え、ディープラーニングによってそれを取り込み飛躍的な成長局面に突入した人工知能(AI)、更にあらゆるものをオンライン化するIoT社会が我々の日常と同化し、リアルとバーチャル空間の境界を無くしていく。まさに、時の流れと歩調を合わせるように産業のパラダイムシフトが劇的に進行している。そして、ハード面からその“革命”の根幹を支えているのは何かといえば、半導体である。

  半導体といえばその需要先は主にパソコンだったが、米アップルが起こしたモバイル革命、いわゆるスマートフォンの登場により歴史が大きく動いた。これは半導体需要のステージが一つ上がった瞬間でもあった。仮にスマートフォン市場が成熟化して踊り場を迎えたとしても、次の需要の主役を担う候補がひしめいている。例えばコネクテッドカーから自動運転車へとエレクトロニクスの塊と化していく自動車は、その市場規模を考えれば今後膨大な半導体需要を喚起することは必至だ。

●AI全盛で半導体需要に革命的変化

 それでも個数連動型の需要サイクルという点ではパソコンと同次元であり、爆発的な伸びをみせてもその反動は考慮しなければならない。ところが、ビッグデータの普及と本格的なAIの台頭が常識を覆し、これまでとは違う需要サイクルが生まれつつある。人間を介さずマシン・ツー・マシン(M2M)で情報が生み出され、情報の“質量”そのものが勝手に膨張していく。受け皿となるのはデータセンターだ。いうまでもなく、その礎となる半導体も個数連動ではない異次元の需要ステージに片足を踏み入れている可能性がある。

 米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が、過去最高値圏で強調展開を続けている。世界景気の減速懸念が常にくすぶり続けるなか、半導体市況も軟化を余儀なくされ、足もとも厳しい在庫調整に晒されている。にもかかわらず、SOX指数が青空圏を舞う理由は何か。従来のシリコンサイクルを超えた半導体市場の長期にわたる拡大、いわゆるスーパーサイクルは既に過去の幻想と化したように位置づけられているが、SOX指数の異常な強さは、むしろこれから先の半導体市場の構造的かつ飛躍的な成長局面を前倒しで投影しているようにも見える。

●夜明け前に買うのが半導体関連株投資の鉄則

 もちろん半導体関連企業を取り巻く環境は足もと真っ暗だ。実際、3月以降の動きをみてもメモリー製造大手マイクロンテクノロジーが減産を決めたほか、韓国サムスン電子の低調な業績(1~3月期は前年同期比60%減)も話題となった。加えて、ドイツの車載半導体大手インフィニオン・テクノロジーの収益下方修正など、ネガティブ方向の材料が相次いだ。しかし、そうした向かい風の強い環境のなかも、グローバルな視野で半導体関連企業の“株価”は既に軌道を大きく変えている。これもまた事実である。

 世界最大の半導体メーカーであるインテルは年初の安値から直近高値まで約25%も上昇しているほか、半導体製造装置で世界首位のアプライドマテリアルズは年初から38%の上昇を示した。GPU(画像処理半導体)大手のエヌビディアに至っては同期間に株価は約1.5倍となった。ここにきてビットコイン価格が底値圏から急浮上したことで、マイニング(コンピューターを使った仮想通貨の採掘)需要が復活するとの思惑がゲタを履かせているとはいえ、エヌビディアにこれだけの株高をもたらしたことは、やはり“半導体悲観論”の呪縛から完全脱却したことを意味している。

●東京市場もいよいよ眠りから覚める銘柄続出へ

 東京市場でもこの流れに追随する動きが出始めている。今はまだ、国内の半導体関連セクターは強弱観対立が顕著であり、株価も目先筋の利益確定売りをこなしながら“恐る恐る”の足取りだが、今後は主力銘柄を軸に徐々に周辺銘柄にも上値期待が膨らみ、下値切り上げトレンドが波及していきそうだ。

 半導体関連のなかでも株価を先駆させる半導体製造装置メーカーがまずは有力なターゲットとなる。日本を代表するトップメーカーである東京エレクトロン <8035> は3月中旬以降戻り足を強めた。目先は上値が重くなっているとはいえ、上昇一服場面でも下値では押し目買いが厚い。また、半導体テスターで圧倒的な商品競争力を誇るアドバンテスト <6857> も今年に入り上値指向を鮮明とし、12年ぶりの高値圏で強調展開を続けている。半導体切断装置で世界シェア8割を誇るディスコ <6146> やウエハーテスト用装置で世界シェア首位の東京精密 <7729> なども再評価機運が高まっている。

 そして、半導体製造装置関連のなかで、直近にきて突発高でマーケットの視線を釘付けにしたのがウエハー・ガラス基板搬送装置を主力とするローツェ <6323> である。

 同社が今週10日の取引終了後に発表した19年2月期決算は売上高が大幅減収だったものの営業利益は前の期比37%増と急拡大した。また、20年2月期は売上高で増収を確保し、営業利益も前期比4%強の増益見通しとした。好業績を背景に今期年間配当も前期実績比で5円増配となる30円を計画。返す刀でドイツに初の欧州拠点として販売子会社を設立することも発表、これらを手掛かりに投資資金が一気に流入し、11日の株価は大引け1本値でストップ高に買われる人気となった。更に翌12日も目先筋の戻り売りを浴びながら、それを完全に吸収し大幅続伸と気を吐いた。ローツェに限らず、こうした個別株の激しい上昇パフォーマンスは天井の高い半導体関連セクターならではの動きであり、今後は同社株の後を追って頻繁化する可能性がある。

 また、製造装置以外でも車載マイコン大手のルネサスエレクトロニクス <6723> は主要工場の生産停止など極めて厳しい収益環境にも関わらず、株価は26週移動平均線まで水準を戻し底入れを示唆、パワー半導体に傾注する富士電機 <6504> なども底値圏とはいえ上値を窺う動きに変わっており、3300円近辺で収れんする13週・26週線を上に抜けつつある。

 半導体素材メーカーでは、まずシリコンウエハーで双璧であるSUMCO <3436> と信越化学工業 <4063> が注目され、早晩底入れに向かいそうだ。半導体フォトレジストのトップメーカー東京応化工業 <4186> や多結晶シリコンの世界的メーカーであるトクヤマ <4043> 、特殊ガスを生産する関東電化工業 <4047> やフッ素化合物を手掛けるステラ ケミファ <4109> なども存在感を示すことになるだろう。

 このほか、小型株では半導体加工用の研磨機を手掛ける浜井産業 <6131> [東証2]やファブレス半導体企業のパイオニアであるザインエレクトロニクス <6769> [JQ]、電子部品商社で半導体デバイスを主力に取り扱う栄電子 <7567> [JQ]などに活躍場面が訪れる可能性がある。

●風雲急を告げる上昇余力抜群の5銘柄は

 そして、今回の特集では風雲急のムードが漂い始めた半導体関連の小型株のなかで、点火目前の上昇期待株5銘柄を新たにエントリーした。

【テラプロは大底圏離脱初動、超低PBRで思惑も】

 テラプローブ <6627> [東証M]は既に動意含みであるが、少し離れたポジションに立ってここ1年間のチャートをみれば、時価近辺は大底圏からの離脱初動に過ぎないことが分かる。昨年5月下旬と6月初旬にザラ場1733円で2点天井をつけているが、時価はその半値以下の水準に位置しており、トレンド転換となれば10%や20%程度の利ザヤを取りにいくような相場ではない。同社はDRAMやシステムLSIのテスト工程受託を行っている。2017年に台湾の力成科技(PTI)がTOBで筆頭株主となった。台湾では半導体関連セクターの業績は足もと厳しいとはいえ、受託生産最大手のTSMCが半導体生産を加速しているとの報道も出るなど、収益環境に変化の芽が出始めている。そうしたなか、テラプローブは最終黒字が続いているにも関わらずPBR0.3倍に放置、あまりに割安で場合によっては玉移動の思惑すら生じても不思議はない。世界的に5G関連投資が加速するなか基地局向け半導体チップ開発などの需要が追い風となりそうだ。

【タツモは今12月期業績上振れへ、株式需給面も軽い】

 タツモ <6266> の800円台前半は買い妙味が大きい。4月に入り株価を浮上させたが、上昇一服場面は大勢2段上げの踊り場と捉えられる。18年の年初は2000円台に位置していた。その直後に26週移動平均線を下放れて以降、1年以上にわたり調整を続けてきたが、直近26週線を久しぶりに上回り大勢トレンド転換を示唆している。主力の半導体製造装置やウエハー搬送ロボットは中国向けが不振で、19年12月期は営業利益段階で34.6%減益見通しにある。しかし、これは株価に織り込み済み。中国では既に政府の景気刺激策の効果が実勢経済に反映され始めており、同社の半導体製造装置も年後半に市況回復の恩恵を受け、上方修正される公算が小さくない。更に20年12月期はV字回復に向かう可能性があり、ここからの株価は回復のシナリオを読み込む形での水準切り上げが想定される。信用買い残も昨年来整理が進んでおり、株式需給面でも上値が軽い。

【ホロンの急騰性に着目、電子ビームで需要取り込む】

 ホロン <7748> [JQ]の2000円近辺は本格的な上値追い前夜で要注目となろう。電子ビームを使ったマスク回路寸法の検査など半導体検査・測定装置を製造しているが、その高い技術力で旺盛な受注を取り込むことに成功している。過半の株式を保有する筆頭株主のエー・アンド・デイ <7745> は昨年5月にTOBでホロンを子会社化したが、半導体の微細化で必要となる精密計測技術に力を注いでおり、グループ内でのホロンの活躍余地は今後一段と高まる。半導体を極限まで微細化するEUV露光装置向けで同社の電子ビーム関連技術は高い需要がある。19年3月期業績は期初予想から大幅に増額修正され、営業利益段階で前期比5.6倍の6億7900万円と急拡大を見込むが一段の上振れも有力視される。20年3月期も利益成長は続きそうだ。昨年10月末から12月初旬にかけて、1000円近辺の株価を2800円台まで急騰させた足の速さは投資マネーの食指を動かす。

【タカトリもGC示現で底値もみ合い上放れへ】

 タカトリ <6338> [東証2]も足の軽い銘柄でもみ合い上放れ前夜の感触だ。4月に入って水準を切り上げ、13週・26週移動平均線のゴールデンクロスを示現している。ちょうど1年前の昨年4月に4ケタ大台まで鮮烈な上げ足をみせた。昨年後半は半導体関連“総売り”の流れの中であえなく下値模索を余儀なくされたが、19年9月期の業績反落については織り込みが進んでおり、潜在的な売り圧力が枯れている。半導体機器事業ではマルチワイヤーソーなどで高い実績を有し、車載関係、パワー半導体、ディスクリート関連向け製造装置の受注が増勢で収益に貢献している。19年9月期はスマートフォンやタブレットなど液晶や有機EL関連の投資先送りの影響が出るが、20年9月期は2ケタ以上の増益に切り返す公算が大きい。事業部の統合など生産業務効率化に向けた合理化努力なども進めている。

【ワイエイシイHDは子会社寄与で高成長継続】

 ワイエイシイホールディングス <6298> の目先もみ合いは絶好の仕込み場といえる。同社株も13週・26週移動平均線のゴールデンクロスを果たした矢先で、次第に上値指向を鮮明としよう。ディスプレーやメモリーディスク関連、半導体製造装置などに展開するが、半導体に凹凸を形成するプラズマドライエッチング装置は抜群の商品競争力で業界のニーズに応えている。19年3月期は前期比68%営業増益を見込むが、20年3月期も2ケタ成長の公算大。有力子会社を数多く擁しており、半導体製造装置子会社のYACガーターは、半導体デバイス自動処理装置のほか、テープ表面に加工されたポケットに電子部品を収納し電子基板装着作業の効率を向上させるエンボスキャリアテープで、国内初の量産を成功させるなど、その技術力の高さが光る。人工透析装置などを手掛けるYACエレックスも20年3月期は同製品の生産能力を大幅増強させ、全体業績押し上げに寄与する見通しだ。

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