市場ニュース

戻る

【特集】ダイナック Research Memo(3):前期比増収ながら人材獲得費用や新店・改装関連費用の増加により減益で着地

ダイナック <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績の動向

1. 2018年12月期決算の概要
ダイナックホールディングス<2675>の2018年12月期連結決算は、売上高36,096百万円(前期比0.5%増)、営業利益271百万円(同63.2%減)、経常利益648百万円(同13.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益220百万円(同31.5%減)と、微増収・減益となった(同社は2018年12月期から連結決算に移行したため前期比伸び率は参考値。以下も同様)。

前期との比較では、売上高は182百万円(0.5%)の増収となった。既存店売上高は100%割れとなって前期比減収要因となったが、新規出店効果(2017年12月期の新規出店店舗のフル寄与と2018年12月期新規出店店舗の売上増)によって補い、前期比増収を確保した。

利益面では、パートナー(アルバイトの社内呼称)人材の獲得費用の増加や道の駅「パレットピアおおの」の新規開業に伴う商品原価の増加によって売上原価が前期比457百万円(1.5%)増加した結果、売上総利益は同274百万円(5.8%)減少した。また販売費及び一般管理費は、新規出店・業態変更に伴う費用の増加や、集客に関する支払手数料の増加などにより同191百万円(4.8%)増加した。この結果、営業利益は同466百万円(63.2%)の大幅減益となった。

営業外収支は前期の14百万円のネット収入から2018年12月期は376百万円のネット収入へと362百万円の増加となった。これは店舗に関わる営業補償金収入が374百万円計上されたことが主因だ。営業外収支の大幅改善により、経常利益は前期比104百万円(13.8%)の減少と、営業利益段階から減益幅が縮小した。

特別損益段階では、前期に事業譲渡益が計上されたことの反動により、2018年12月期は216百万円の純損失となり、前期比90百万円の悪化となった。法人税等の負担が同93百万円減少したものの、最終的に親会社株主に帰属する当期利益は前期比101百万円(31.5%)の減少となった。

計画との比較では、同社は第2四半期決算に際して通期予想を下方修正したものの、最終的に修正予想に対しても売上高、利益ともに未達で着地した。期初予想との比較では売上高は703百万円、営業利益は468百万円の未達となった。

売上高が未達となった最大の要因は天候不順及び自然災害だ。1月の降雪に始まり、6月の大阪府北部地震、夏場の豪雨、9月の台風と、自然災害レベルの荒天が続いた結果、同社の試算では5億円近い減収影響が天候・災害要因によりもたらされた。また、同社が運営を受託している三木SA(サービスエリア)の売上高が、近隣に新SAができたことの影響によって減収となったことも計画未達の要因となった。一般にSAや道の駅の年間売上規模は数億から10億円超と、バー・レストランの年商の数倍から10倍にも達するため、収益変動が全社の収益に与える影響も大きくなる。こうした売上高の未達が主因となって、営業利益も前述のように計画を大きく下回ることとなった。


高付加価値化により客単価は上昇基調が継続。天候要因による客数の減少が下期も発生し、最終的に既存店売上高は100%割れ
2. 既存店売上高の動向
2018年12月期の既存店売上高は、全社ベースで前期比98.9%と前期を下回った。業態別動向は以下のとおりだ。

バー・レストランの既存店売上高は99.7%とほぼ前期並みで着地した。内訳をみると客数が98.9%だった一方、客単価は100.8%と前期を上回った。天候要因で客足が影響を受けた分を、店舗の高付加価値化・専門店化戦略による単価上昇でカバーした。

ゴルフクラブレストランの既存店売上高は98.3%にとどまった。1月は降雪の影響があり前年同月割れでスタートし、その後は前期比プラスを回復しつつあったが、7月から9月の3ヶ月間は豪雨や台風、地震などの天候・災害要因により前年同月を大きく下回った。10月は前年同月が大きく低下した反動で伸び率は高くなったものの、7月-9月期の低迷をカバーするには至らず、客数は年間で前期の97.5%となった。客単価は100.6%と高付加価値化戦略の効果がみられたものの、客数の落ち込みをカバーするには至らなかった。

その他受託の既存店売上高は前期比96.6%となった。他の業態同様、天候・災害影響による客数減に加えて、特殊要因としては三木サービスエリアの売上高が競合店の出現で減少したことが既存店売上高の減少幅を拡大させたとみられる。


新規出店、閉店はほぼ計画の線で推移。バー・レストランの業態変更は計画に上積みして7店舗を実施
3. 店舗異動の状況
2018年12月期は、全社ベースで14店舗を新規出店する一方、17店舗を閉店した結果、総店舗数は前期末から3店舗減少して254店舗となった。また、バー・レストランにおいては7店舗の業態変更を実施した。

バー・レストランは7店舗を新規出店する一方、8店舗を閉店した結果、期末店舗数は155店舗となった。期初段階では新規出店8店舗、閉店7店舗の計画で臨んだが、ほぼ計画どおりの進捗となった。

同社は出店に際して、立地、店舗面積、投資額等に関する社内基準を有しており、それを厳格に運用している。その同社にとって、東京オリンピック・パラリンピックを控えて不動産価格や資材・工事費が上昇している現状は出店に適したタイミングではなく、新規出店についてはむしろ慎重なスタンスで臨んでいる。

バー・レストランの業態変更は期初計画では4店舗だったが最終的に7店舗で実施した。後述するように、同社は成長戦略の重点取組みの1つとして新業態への挑戦やリ・ブランディングを掲げており、業態変更はその具体的アクションの1つだ。業態変更店舗の売上高の伸びが想定以上に大きかったことから、期中において業態変更を加速させたものとみられる。

閉店については半数が定期賃借契約の満了によるもので当初から予定されていたものだ。残りの半数は競争環境の変化などに伴う閉店や家主側の事情による閉店とみられる。

ゴルフクラブレストランについては、信頼と実績が次の案件を呼び込むというポジティブスパイラルの状況にあることを大きな要因として6店舗を新規に受託した。同社は年間5件の新規受託を目標としているが、それを上回った。一方閉店については、中堅チェーンのオーナー変更に伴い6件の受託契約が解約となり、閉店数が例年よりも拡大した。

その他受託の新規出店の1店舗は、7月11日に開業した岐阜県下最大級の道の駅「パレットピアおおの」(岐阜県揖斐郡大野町)の運営受託だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《RF》

 提供:フィスコ

日経平均