【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 40社選出 <成長株特集>
ゴルドウイン <日足> 「株探」多機能チャートより
18年10-12月期決算ではこれまで拡大基調を続けてきた業績にブレーキがかかる企業が多く、業績見通しを下方修正する企業が相次いだ。一方、内需関連を中心に高成長を続ける元気な企業も目立ち、この“青天井”リストに該当する銘柄数は前の7-9月期と比べて4割以上も増えた。
今回は「利益成長“青天井"銘柄リスト」総集編の第1弾として、時価総額900億円以上の銘柄を対象に、10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、10-12月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%超上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している40社を選び出し、10-12月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはスポーツアパレルメーカーのゴールドウイン <8111> 。同社は人気アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」「ヘリー・ハンセン」の国内商標権を保有し、独自の商品展開に強みを持つ。18年10-12月期(第3四半期)は主力アウトドアブランドでダウンジャケットや防寒グッズなどの販売が大きく伸び、経常利益は88.5億円と過去最高益を70.9%も上回って着地。業績好調を踏まえ、19年3月期の業績と配当予想を大幅に上方修正した。高成長を背景に株価は上場来高値圏を快走する展開が続いている。
2位のUTグループ <2146> [JQ]は自動車関連を中心に期間工から派遣への切り替え需要が拡大したうえ、高単価・大ロット案件への集約が進み、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を大きく更新した。また、7位に入った技術者派遣大手のテクノプロ・ホールディングス <6028> はIT技術者の不足が続くなか技術者派遣の稼働人数が増加したうえ、M&A効果なども寄与し、10-12月期(第2四半期)は2四半期連続の過去最高益を達成した。
3位のレーザーテック <6920> は最先端半導体への投資が活発化するなか、半導体マスク欠陥検査装置の販売が大きく伸びた。米中貿易摩擦や中国の景気減速で苦戦を強いられる製造業が多いなか、独自の光応用技術を核にニッチ分野で活躍する同社の強さが光る。続く4位の日通 <9062> は国内で値上げが浸透したことに加え、アジア向けを中心に電子機器関連などの航空貨物が引き続き増勢だった。
選出リストでは、日通を筆頭に物流関連の好調ぶりが目立つ。8位に丸和運輸機関 <9090> 、9位にSGホールディングス <9143> 、13位にセイノーホールディングス <9076> 、39位に日立物流 <9086> がリスト入りしている。いずれも物量増加や人手不足を背景とした値上げ効果が収益を押し上げた格好だ。
5位のワークマン <7564> [JQ]はカジュアル衣料の新業態「ワークマンプラス」がテレビ番組などで数多く紹介された影響が全国の既存店に波及し、利益率の高いPB商品の販売が大きく伸びた。株式分割の発表や月次売上の好調も評価され、株価は上場来高値を更新中だ。また、6位に入ったスシローグローバルホールディングス <3563> 、10位の栄研化学 <4549> 、11位のカチタス <8919> の株価も強調展開が続く。
回転すしチェーン首位のスシローGHは出店拡大効果に加え、キャンペーン開催や商品強化で客数と客単価の前年比プラスが続いたことも収益拡大に貢献した。また、臨床検査薬大手の栄研化学は海外向け便潜血検査用試薬の販売が増加したうえ、売上構成の良化で採算も改善した。カチタスは主力である中古再生住宅販売の増加基調が継続し、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成している。
※10日(日)19時30分に、時価総額300億円以上900億円未満の銘柄と対象とする「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾」の配信を予定しています。併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<8111> ゴルドウイン 70.9 8854 5181 54.5 12100 7833 39.2
<2146> UT 65.1 2797 1694 53.2 8000 5222 19.0
<6920> レーザーテク 37.2 4179 3047 13.9 6500 5706 38.3
<9062> 日通 35.4 27356 20205 8.9 81000 74395 13.3
<7564> ワークマン 35.0 5722 4237 20.5 14290 11856 39.3
<3563> スシローGH 33.9 4028 3008 7.1 12328 11508 27.0
<6028> テクノプロH 31.7 4165 3162 20.9 13500 11163 24.6
<9090> 丸和運機関 31.4 2056 1565 22.1 5800 4752 31.4
<9143> SGHD 31.3 32219 24540 14.1 74000 64870 24.4
<4549> 栄研化 31.1 1739 1326 2.9 4230 4112 34.0
<8919> カチタス 19.9 2654 2214 21.8 8266 6789 24.5
<2269> 明治HD 18.6 37030 31231 5.3 101000 95877 18.1
<9076> セイノーHD 18.3 12240 10350 16.1 33800 29120 15.5
<3569> セーレン 18.1 3717 3148 8.8 11500 10568 12.6
<9069> センコーHD 17.6 6697 5694 11.5 19300 17316 12.6
<2602> 日清オイリオ 17.3 5184 4419 10.3 11400 10334 14.4
<7459> メディパル 17.2 21453 18303 6.4 61000 57349 17.7
<9048> 名鉄 16.2 16278 14012 0.9 49000 48566 19.9
<2222> 寿スピリッツ 15.9 2191 1891 15.9 5850 5049 36.9
<9830> トラスコ中山 15.4 4683 4059 3.7 15179 14642 20.2
<6750> エレコム 14.1 3556 3116 2.0 10000 9808 21.7
<2492> インフォMT 13.2 713 630 3.2 2410 2335 88.0
<2427> アウトソシン 13.0 4956 4386 34.2 17500 13037 17.0
<2317> システナ 12.0 1918 1712 26.3 6500 5147 27.3
<3003> ヒューリック 11.2 23868 21469 10.3 80000 72530 12.7
<4555> 沢井製薬 10.6 8137 7360 2.9 23700 23025 16.2
<7172> JIA 9.9 2432 2213 54.0 11400 7405 14.0
<3926> オープンドア 8.4 518 478 24.7 1450 1163 109
<6324> ハーモニック 8.3 5228 4826 34.9 16500 12228 32.3
<3088> マツキヨHD 8.2 11030 10190 5.2 38000 36123 15.9
<9757> 船井総研HD 7.3 1503 1401 7.8 5400 5008 35.8
<7274> ショーワ 7.2 9398 8764 11.0 28900 26042 6.4
<9766> コナミHD 7.1 14238 13297 9.6 49000 44709 19.8
<9022> JR東海 6.7 188032 176293 1.8 594000 583569 11.9
<4684> オービック 6.5 11208 10524 7.7 38300 35570 35.4
<8051> 山善 5.7 5025 4752 12.2 17000 15152 10.2
<2782> セリア 5.7 5147 4868 3.0 17000 16500 24.7
<2412> ベネ・ワン 5.6 2053 1945 20.1 7520 6263 65.0
<9086> 日立物流 5.5 12473 11825 4.1 33600 32262 17.1
<9009> 京成 5.5 15876 15050 0.3 47300 47145 18.8
※ 2018年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
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