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【特集】到来「仕掛け」絶好機、決算通過で急騰秒読み“小型株最強選抜”10銘柄 <株探トップ特集>

4~9月期決算発表が終わった。個別株物色を阻んでいた足かせは外れ、絶好の仕掛け好機が到来した――。

―外れた足かせ、テーマ買い再燃の土壌に個別銘柄の花咲く時―

●決算発表通過で広がる新たなステージ

 株式投資では実態が良い銘柄なのに株価が上がらないということが往々にしてある。どんなにいい種であっても、個別銘柄が花を咲かせるかどうかは「土」であるその時の相場の地合いによって決まる。

 例えば、決算発表期に直面すると、それまで軽やかに旋律を刻むように上値追い態勢にあった材料株が動きを止めることが少なくない。短期売買であればあるほど、投資家のマインドには「何はともあれ当該銘柄の決算を見極めなければならない」という強力なバイアスがかかるからだ。決算数字はサプライズ要素に富むものであっても通常は短時間、1日といわず半日でも織り込んでしまう。ただし、結果が良くても悪くても、その「定点観測」の瞬間に株価には大きな変動圧力が働く。したがって、その地点(決算発表日)が接近するに従い、そこを通過するまでは投資行動を見送るもしくはセーブする、というのが暗黙のセオリーとして投資家の潜在意識に刻まれている。

 マクロでは米中貿易摩擦の問題を起点とした中国経済に対する警戒感が世界景気の減速懸念にまで広がっており、その観点で米国と中国の通商交渉の行方にマーケットの視線が釘付けとなっている。今月末にアルゼンチンで開かれるG20を前に全体は難しい相場環境が続くことになるが、個別株のピンポイント物色においてあまり影響はない。今のタイミングは4~9月期の決算発表通過により足かせが外れ、絶好の仕掛けどころといってよい。特に、ここにきて主力株に比べ中小型材料株の動きが良くなっているが、これはテーマ買いの動きが再燃する“土壌”が整備されたことを意味している。

●小型材料株の一群は大化け候補株の宝庫

 時価総額の小さい銘柄のほうが大きい銘柄と比較して総じて上値が軽いことは、比較的短期スタンスで株式市場と対峙する投資家であれば肌で感じているはずだ。ただし、小型であれば大きな上昇パフォーマンスが期待できるというものでもない。ファンダメンタルズ面から評価余地があり、なおかつ材料性に富み、その時のマーケットの地合いに乗るかどうかが選別のポイントだ。その時のマーケットに好かれる銘柄であるかどうかをどうやって見分けるか、これが最大の難所だ。そしてこれはいかに演算スピードがケタ違いに早い人工知能(AI)であっても凌駕することができない、いわゆる人間の感性が最大限生かされるエリアといえる。個人投資家はこの感性と“目”を養うことで、機関投資家とはまた違った土俵で有利に戦うことができる。

 言い換えるならば「理外の理」という言葉が株価の値動きの本質を表現している。それを如実に反映したのが、前週11月10日配信の株探トップ特集「爆速リベンジ相場! 変身前夜の『小型材料株』10番勝負」で紹介した国際チャート <3956> [JQ]だ。前週末11月9日時点の終値は364円だったが、そこから一気に水準を切り上げ前日11月16日には530円の高値まで買われた。上昇率は46%。この間に同社株が上場するジャスダック市場では、日経ジャスダック平均が下値模索を続け、今週末には前週末終値比で3%強の下落となった。急騰した国際チャートはスーパーや通販向けラベル事業を手掛け、ICタグ関連(セルフレジ関連)の一角として人気素地を内包、ナカバヤシグループ傘下で業績も改善色をみせている。しかし、株価上昇に火が付いた最大の理由は株式需給だ。

 今回の特集でも、業績面やテーマ性を考慮しながら、この株式需給にスポットを当て、上値余地が大きいと思われる銘柄を厳選した。

●ここから上値チャレンジ有望な最強10銘柄は

【アールエスシーは業容拡大思惑から上昇本番へ】

 アール・エス・シー <4664> [JQ]は900円近辺でもみ合っているが、早晩上値余地が大きく意識されそうだ。通常は目立たない銘柄で売買高も少ないが、いったん人気化すると商いを伴って急速に水準を切り上げるパターンが多い。今年8月中旬に連続ストップ高を交え、株価は3日間で65%高の急騰を演じた。これは19年3月期通期業績予想の増額がバネの役割を果たした。修正後営業利益段階で前期比43%増と高変化を見込んでいることで実態面からは申し分ない。同社は警備や清掃などビルの総合管理サービスを展開、人材派遣ビジネスにも積極参入しているが、今年1月に警備業界トップのセコム <9735> と業務提携しており、これによる業容拡大効果が今後期待される局面にある。セコムとの連携で中期成長期待も強く、株価は持ち前の瞬発力と合わせ大きく居どころを変える魅力を漂わせている。<急騰性5・中期的上値余地3>

【フォーカスはセキュリティー関連で人気素地】

 フォーカスシステムズ <4662> は、波乱含みの全体相場の間隙を縫って今週11月12日に年初来高値1120円に買われる異色の強い足を披露した。昨年は6月から7月にかけて人気化し、株価を短期間に600円前後から1200円台に倍化させた実績を持つだけに楽しみの多い銘柄だ。同社は独立系のシステム開発会社で、官公庁向けサイバーセキュリティー製品の大型案件受注などその実力は高く評価されている。コンピューターなどのデジタル機器に残る記録を収集・分析し、法的な証拠保全や調査を行う「デジタル・フォレンジック」でも同社は先駆している。米国有力メーカーのソフトやハード製品を取り揃え、情報漏洩やマルウエア感染などの調査・解析業務も手掛けており、テリロジー <3356> [JQ]型の大相場を期待するムードもあるようだ。18年4-9月期営業利益は前年同期比2.7倍の6億2100万円と大幅な伸びを達成した。<急騰性4・中期的上値余地5>

【ナビタスは大底圏で動意含み、急浮上近づく】

 ナビタス <6276> [JQ]も大底圏で急動意をみせた後一服しているが、400円台半ばの水準はPER12倍前後、PBR0.6倍台と株価指標面からも極めて割安。ここは買いで対処して報われそうだ。11月14日に上ヒゲで537円の高値をつけたが、大勢トレンドは底練りから浮上の兆しがあり、ここを通過点とする戻り相場が想定される。熱転写装置やパッド印刷機など特殊印刷機を製造し、その商品競争力は国内随一。また、同社独自のアルゴリズムを使った画像検査装置「ナビタスチェッカー」はカード・ラベル業界からの引き合いが旺盛で収益に寄与しており、会社側では将来的に世界展開も視野に入れているもようだ。19年3月期営業利益は前期比8割近い増益を見込んでいることもあって、株価の見直し余地は大きいといえる。<急騰性5・中期的上値余地4>

【日本語学校でも日本一の京進は青空圏突入へ】

 京進 <4735> [東証2]は年初来高値圏で頑強な値動きをみせており、ここからさらに上値追いが加速する公算が大きい。昨年9月につけた高値1320円を上抜けば、実質上場来高値更新となり、青空圏に浮上する。同社は京都、滋賀などを地盤に私立中・高入試対策を主力とする学習塾を展開し、個別指導も充実させており生徒数は増勢の一途だ。保育園から介護事業まで一貫した人材分野のビジネスに精通。特に政府の外国人就労拡大に向けた政策を背景に京進ランゲージアカデミー(外国人の日本語学校)運営が注目される。日本語学校は全国に9校展開しており10月末現在で生徒数は約2180人と日本最大規模、今後さらに生徒数が増えていくことは必至とみられる。<急騰性4・中期的上値余地4>

【PS三菱は国土強靭化で復活の狼煙】

 ピーエス三菱 <1871> は9月中旬を境にじりじりと株価水準を切り上げているが、ここは追撃妙味が大きい。テクニカル的にも13週・26週移動平均線がゴールデンクロスを示現、今年1月以来の4ケタ大台も視野に一段の上昇相場が待っている可能性がある。安倍政権では経済政策の一環として社会インフラの補修ニーズを背景とした「国土強靭化」に注力する方針にある。そのなか、同社は高速道路や橋梁向けで高い実績を持ち、プレストレストコンクリート使用工事に強みを有しており、今の国策に乗る。18年4-9月期は営業利益段階で前年同期比3割減だったが、19年3月期通期ではNEXCO向け床版取替工事などが収益貢献していることから、営業利益は会社側計画の41億円を大幅に上回る公算が大きい。<急騰性4・中期的上値余地3>

【イマジニアは年末商戦を追い風に狙い目】

 イマジニア <4644> [JQ]も狙い目だ。株価は6月下旬から8月下旬にかけて下値を試す格好となったが、売り物は既に一巡した。800円台後半から900円前半のゾーンでソーサーボトムを形成し時価は出直り相場の初動にある。ゲームソフト開発を祖業とするが、現在の収益の柱はスマートフォンゲームなどのコンテンツ配信だ。「すみっコぐらし」は10月下旬に250万ダウンロードを突破するなど絶好調。また、ニンテンドースイッチ向けソフト「Fit Boxing(国内向け)」を12月20日に発売予定。また、同ソフトは海外向けについても今年の年末から19年年頭にかけて発売される見通しで業績への貢献が見込まれる。年末商戦を迎えゲーム関連株全般にマーケットの目が向けば、同社株も大幅な水準訂正余地をはらむ。<急騰性3・中期的上値余地4>

【車載用電源で買いの機が熟すトレックスセミ】

 トレックス・セミコンダクター <6616> の1400円前後は買い場。1500円台半ばを横に走る75日移動平均線を早晩上に抜け上昇トレンドを鮮明にしそうだ。同社はアナログ電源ICの製造販売を手掛け、自動車向けなどで需要を捉えている。世界的にエレクトロニクス武装が進む自動車だが、車載用電源向けで同社のビジネスチャンスも広がっている。今後、自動運転車の普及が加速する過程で同社の技術力が脚光を浴びることは必至だ。子会社のフェニテックセミコンダクターのディスクリート半導体も好調、19年3月期営業利益予想は従来計画に2億円上乗せ、22億円(前期比横ばい)を見込むが一段の上振れも視界に入りそうだ。<急騰性3・中期的上値余地5>

【朝日ラバーはセルフレジ関連で再注目場面】

 朝日ラバー <5162> [JQ]の1000円大台割れも仕込み好機といえる。自動車向け彩色用ゴムを主力事業としており好調な需要を捉えている。また、RFID(無線自動識別)タグ用ゴムも手掛けていることで普及が進むセルフレジ関連株の一角として人気化素地を持っている。セルフレジは顧客自らが商品のバーコードをレジ端末に読み取らせ支払いを行うというのが基本コンセプトだったが、この作業は顧客にとって少々ハードルが高い。RFID機能を持つICタグの普及はセルフレジのIT化には欠かせないため、同社の商機も膨らむことになる。19年3月期は12.7%増益と前期に続く2ケタ増益を見込む。PER10倍割れは株価指標面からも割安感が強い。<急騰性4・中期的上値余地3>

【新日建物は底値圏で割安感際立ち見直し買い】

 新日本建物 <8893> [JQ]は底値買いのチャンスとみられる。銀行の投資不動産向け融資が減速傾向にあるなか、不動産流動化関連銘柄に売り圧力が強まり、同社株もその影響を受けたが明らかに時価は売られ過ぎ。投資用マンション市況は頭打ち感が出ているにせよ、同社が注力するオフィスやホテル向けなどのリノベーション需要は旺盛だ。19年3月期はホテル開発や事業用地売却の可能性があるが、この売却益を加味しなくても営業大幅増益が濃厚。PER4倍台で、配当利回りは4%近くに達しており、株価200円台半ばは値ごろ感もあり早晩見直し人気に乗りそうだ。今年5月8日には500円台に乗せる場面があり、そこから時価はちょうど半値水準にディスカウントされている。<急騰性3・中期的上値余地4>

【建設向け「ガイア」でビーイングも夜明け近い】

 ビーイング <4734> [JQ]も25日移動平均線を足場に反騰トレンドに向かう可能性が高い。建設業界向けソフト開発を手掛けており、同社が販売する土木工事積算システム「ガイア」はその商品競争力で一頭地を抜く。今期は新版「ガイア10」が好調で収益を押し上げている。橋梁やトンネルなど社会インフラの老朽化を解消するために、安倍政権では「国土強靭化」を看板に掲げ政策フォローしていく方針。これは同社の収益機会拡大にもつながっていく。10月初旬に期初の19年3月期業績見通しを上方修正、営業利益段階で3億8000万円から4億5000万円に増額、前期比4割を超える増益となる見通しだ。さらに年間配当も前期比5円増配の15円を計画するなど株主還元姿勢も評価される。<急騰性4・中期的上値余地3>


◇“決算通過”で好機到来! 小型材料株「最強選抜」10銘柄◇

銘柄 <コード>      急騰性  中期的上値余地
ピーエス三菱 <1871>   ☆☆☆☆  ◆◆◆
フォーカス <4662>    ☆☆☆☆  ◆◆◆◆◆
イマジニア <4644>    ☆☆☆   ◆◆◆◆
アールエスシー <4664>  ☆☆☆☆☆ ◆◆◆
ビーイング <4734>    ☆☆☆☆  ◆◆◆
京進 <4735>       ☆☆☆☆  ◆◆◆◆
朝日ラバー <5162>    ☆☆☆☆  ◆◆◆
ナビタス <6276>     ☆☆☆☆☆ ◆◆◆◆
トレックスセミ <6616>  ☆☆☆   ◆◆◆◆◆
新日建物 <8893>     ☆☆☆   ◆◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい。

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