【特集】「サイバーセキュリティ」が5位、国家安全保障の観点で世界的テーマに<注目テーマ>
TOPIX <日足> 「株探」多機能チャートより
1 QRコード
2 人工知能
3 セルフレジ
4 5G
5 サイバーセキュリティ
6 電子マネー
7 RPA
8 電子決済代行サービス
9 消費税増税メリット
10 TOPIXコア30
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「サイバーセキュリティ」が5位となっている。
あらゆるものがネット接続されるIoT社会の到来とともに、サイバー攻撃による被害も実際の生活空間に大きく広がるリスクが高まっている。仮想通貨などフィンテック分野や、すべての操作をコンピューターに委ねる自動運転車の普及に際しても、サイバー攻撃のリスクは避けては通れない課題だ。世界的にも最近は身代金要求型の「ランサムウエア」の被害が顕著となっており深刻の度合いが増している。こうした事情を反映し、サイバーセキュリティーの重要性が強く認識されている。
国際間のサイバー攻撃に対する警戒もひと昔前と比較して格段にそのレベルが上がっている。2016年の米大統領選でロシアがサイバー攻撃を行ったことは周知だが、中国もこのロシアに倣って海外諸国に向けた「サイバー政治介入」を目的とした技術開発を進めているとの観測もある。米トランプ政権では11月6日の中間選挙を目前に、海外からのサイバー攻撃に神経を尖らせている状況。また、EUは18日、首脳会議の閉幕後に採択する声明で、4月に発生した化学兵器禁止機関(OPCW)へのサイバー攻撃を「敵対的」だと非難。これは名指しこそ避けたもののロシアに向けたものだ。他国による政府機関へのサイバー攻撃が活発化する現在、国家安全保障の観点からもサイバーセキュリティーの充実は絶対に外せない時代になったといってよい。
日本では金融庁が22日、金融機関のシステムに外部から違法侵入を受けたことを想定したサイバーセキュリティー演習を開始、銀行や仮想通貨事業者など100社以上が参加して26日までの日程で行われる予定だ。仮想通貨の不正流出などが相次ぐなか、対応を強化する方針にある。なお、内閣官房は19年度予算の概算要求で、政府のサイバーセキュリテイーの司令塔となっているNISC(内閣サイバーセキュリティセンター)の経費を18年度期初予算比70%増の42億円計上する方針が伝わっている。
こうした世相を反映して株式市場でもサイバーセキュリティー関連銘柄の株価を刺激する地合いが続くことになる。関連銘柄としてはソースネクスト<4344>、ラック<3857>、FFRI<3692>、セラク<6199>、セキュアヴェイル<3042>、デジタルアーツ<2326>、テリロジー<3356>、インテリジェント ウェイブ<4847>、トレンドマイクロ<4704>などが注目される。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)