【特集】「サマータイム」関連が上位にランクイン、東京五輪開催対応での導入検討に関心高まる<注目テーマ>
JPX日経400 <日足> 「株探」多機能チャートより
1 全固体電池
2 人工知能
3 半導体製造装置
4 5G
5 eスポーツ
6 JPX日経400
7 ドライミスト
8 TOPIXコア30
9 再生医療
10 カジノ関連
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「サマータイム」関連が12位にランクインしている。
夏の季節だけ標準時刻を進めて、日照時間を有効に使おうとする“サマータイム(夏時間)”導入への機運が急速に高まってきた。安倍晋三首相は7日午前、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長と会談し、大会期間中の暑さ対策として、サマータイムの導入を検討するよう自民党に指示する意向を示した。森氏は今夏の記録的猛暑を受けて、夏時間の導入を首相に要請した。時計の針を2時間早めることを提案しており、19年に試験的に実施し、効果を見極める案などが浮上している。
ただ、国内の全ての官公庁や金融機関・製造工場・流通・電鉄や航空会社などの交通機関をはじめとした企業のコンピューターシステムに大規模な改修が必要となり、その費用を捻出しなければならない。さらに、その全ての改修を試験的に実施するという19年の夏までのわずか1年足らずで間に合わせることが至上命題となる。システムソフト開発の業界は、19年春の元号改正に伴う改修需要による繁忙状態にあり、実現性を疑問視する見方も多い。
もし、サマータイム導入となれば、NEC<6701>、富士通<6702>、日立製作所<6501>、東芝<6502>、NTT<9432>といった大手IT関連企業やその系列のソフト開発会社などのビジネスチャンスが拡大しそうだ。さらに、周知徹底の広報活動の意味からは、電通<4324>、博報堂DYホールディングス<2433>などの広告代理店や、TBSホールディングス<9401>、日本テレビホールディングス<9404>といった放送局にも恩恵がありそうだ。
サマータイムを、東京五輪後も恒久的な制度として導入することも検討課題となっているようで、もしこれが実現すれば、夏季の就業時間終了後に、日没前の明るい時間帯が増加することにより、余暇活用関連ビジネスにチャンスが到来することになりそうだ。具体的には、オリエンタルランド<4661>に代表されるテーマパーク。東京ドーム<9681>、ラウンドワン<4680>などのスポーツ観戦・アミューズメント施設。コナミホールディングス<9766>、セントラルスポーツ<4801>、ルネサンス<2378>、RIZAPグループ<2928>などのスポーツクラブ。TAC<4319>などのステップアップのための学び直し関連にも注目したい。
ただ、サマータイムの導入が、東京五輪開催前後の期間だけに限定されることになれば、早めに帰宅して五輪中継をテレビ観戦する国民が大半で、レジャー施設や居酒屋などでの集客増加は限定的となりそうだ。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)