【特集】早摘み“1Q好決算”! 地合い好転で見直し機運の注目株 <株探トップ特集>
好地合いに転じた東京株式市場。2月期決算企業から第1四半期が好決算だった銘柄を追った。
―日経平均2万3000円接近、浮上候補“割安&好業績”銘柄に照準―
18日の東京株式市場は、外国為替市場で1ドル=113円台へと円安・ドル高が進行したのを追い風に日経平均株価は4日続伸となり、一時2万3000円に肉薄する場面もあった。そこで今回は、地合い好転で見直し機運が浮上している19年2月期第1四半期(3-5月)の経常利益高進捗率・好業績・割安銘柄に注目した。
●あさひ、高付加価値自転車の好調で客単価が上昇
あさひ <3333> が6月25日に発表した第1四半期(2月21日-5月20日)単独決算は、売上高200億5700万円(前年同期比9.1%増)、経常利益33億800万円(同13.6%増)、純利益22億4700万円(同14.7%増)と2ケタ増益となった。3月半ば以降の気温上昇とともに客足が伸びたことで、売上高が堅調に推移した。また、通勤・通学でスポーツサイクルや電動アシスト自転車など付加価値の高い自転車を購入する人が増えたことで客単価が前年を大きく上回ったことや、生産先との交渉によりコスト上昇を最小限にとどめたこと、さらに販売価格の改定が浸透したことなどが寄与し、大幅増益となった。
●高島屋、個人消費やインバウンド需要の増大で増収増益を確保
高島屋 <8233> が6月25日に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算は、売上高2198億2500万円(前年同期比1.9%増)、経常利益99億6800万円(同14.7%増)、純利益58億4500万円(同13.4%増)の増収増益となった。主力の百貨店業で底堅い個人消費やインバウンド需要の増大により、高額品や雑貨などが好調に推移したことが寄与している。不動産事業では新・都市型ショッピングセンター日本橋高島屋S.C.新館開業に伴う経費増があったほか、建装業で前年の大口受注の反動があったものの、それらを吸収して増収増益を確保した。
●和田興産、分譲マンションの引き渡し戸数が大幅増加
和田興産 <8931> [JQ]が6日に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)単独決算は、売上高178億8500万円(前年同期比54.4%増)、経常利益23億500万円(同93.4%増)、純利益15億2300万円(同2.1倍)となった。既に上期(3-8月)計画の経常利益18億5000万円を上回っている。期間中の分譲マンションの引き渡し戸数が415戸(前年同期比70.1%増)と大幅に増加したことが業績を牽引した。また、不動産賃貸収入が堅調に推移したことも寄与している。
●ダイユーHD、新規出店や店舗改装効果で2ケタ増益基調
ダイユー・リックホールディングス <3546> が10日に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算は、売上高201億8700万円(前年同期比1.2%増)、経常利益8億6800万円(同15.0%増)、純利益5億6100万円(同12.2%増)と2ケタ経常増益となった。主力ホームセンターのダイユーエイト事業が1店舗の新規出店効果もあり堅調に推移したことに加えて、ペットショップのアミーゴも1店舗の新店効果や店舗改装効果で売上高、利益を伸ばした。
●アルバイトT、ネット系の情報提供事業が好調
アルバイトタイムス <2341> [JQ]は10日発表した19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算は、売上高14億7400万円(前年同期比2.1%増)、経常利益1億7200万円(同23.7%増)、純利益1億2100万円(同9.4%増)と大幅経常増益となった。主力の情報提供事業で、「DOMO」静岡県内版の売り上げは減少したものの、ネット事業の正社員向け転職・就職サイト「JOB(ジョブ)」や、求人情報サイト「DOMO NET」の販売が堅調に推移。また、前期に投入した顧客専用の採用管理システムを提供する新サービスの販売も増加し業績を押し上げた。
●パルグループHD、衣料事業でブランドプロモーションを積極化
若い女性向けの衣料、雑貨の小売店を展開するパルグループホールディングス <2726> が10日に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算は、売上高321億6700万円(前年同期比6.0%増)、経常利益26億6800万円(同3.8%増)、純利益15億5400万円(同0.2%減)と増収、経常増益となった。上期計画の経常利益37億5000万円に対する進捗率は71.1%に達している。衣料事業で積極的なブランドプロモーションを展開したほか、マーチャンダイジングの改革を推進し、機動的な商品投入によって店頭商品の鮮度を向上させたことなどが奏功した。
●トレファク、新規出店効果もあり衣料品の売上高が増加
トレジャー・ファクトリー <3093> が11日に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算は、売上高43億5400万円(前年同期比8.6%増)、経常利益3億150万円(同24.0%増)、純利益1億9500万円(同12.5%増)と大幅経常増益となり、上期計画の経常利益1億4900万円を大幅に上回った。直営店の服飾専門リユース業態の「トレファクスタイル」を4店出店した効果もあり、衣料の売り上げが2ケタ増収となったほか、スポーツ・アウトドア業態も順調に売り上げを伸ばし、全体として増収を確保した。また、人員配置の効率化に加えて、その他経費の見直しを進めたことが利益を押し上げた。
●ジェーソン、ローコストでの店舗運営注力が奏功
低価格の飲料・加工食品・日用品小売店チェーンのジェーソン <3080> [JQ]が11日、19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算を発表した。売上高は60億2200万円(前年同期比1.5%増)と増収を確保し、経常利益は2億6400万円(同25.7%増)、最終利益は1億6100万円(同26.6%増)と高水準の伸びを示した。同社グループは、より低価格の生活必需商品群の品揃えを強化し、またコンビニエンス性の高い、地域での生活便利店としての機能を果たすべくローコストでの店舗運営に引き続き注力した。さらに、顧客ニーズを捉えるとともに合理化を進めたことで利益の伸びが顕著となった。
●中本パックス、IT・工業材関連材料の需要が拡大
食品包装材向けグラビア印刷などを軸にラミネート、コーティング事業も展開する中本パックス <7811> は13日、19年2月期第1四半期(3-5月)連結決算を発表した。売上高85億2000万円(前年同期比5.7%増)、経常利益4億6600万円(同24.6%増)、最終利益2億9900万円(同27.6%増)となった。食品関連では、コンビニエンスストア向け薄物フィルムでの安定受注が寄与した。IT・工業材関連では、車載器・産業機器・センサーなど新たな用途の台頭が継続的な需要を呼び込み、堅調な自動車関連の内装材に加え、半導体・電子部品製造用の材料を中心に受注が堅調に推移した。
◆主な2月期決算第1四半期経常利益高進捗率銘柄◆
銘柄 <コード> 進捗率 増益率 株価 PER
きょくとう <2300> 105.9 4.3 637 15.5
アルバイトT <2341> 57.3 23.7 223 14.0
ディップ <2379> 61.5 21.6 2913 20.3
パルHD <2726> 71.1 3.8 2564 11.4
ジェーソン <3080> 61.4 25.7 450 14.1
トレファク <3093> 211.4 24.0 750 15.4
あさひ <3333> 81.4 13.6 1355 12.7
ダイユーHD <3546> 56.0 15.0 1195 14.1
トーヨーアサノ <5271> 130.4 2.2倍 2940 15.5
竹内製作所 <6432> 56.0 11.8 2550 13.5
西松屋チェ <7545> 78.8 22.3 1227 13.7
中本パックス <7811> 59.7 24.6 1900 15.5
高島屋 <8233> 71.2 14.7 931 17.6
大和 <8247> 148.0 19.4 549 20.5
平和堂 <8276> 52.2 14.0 2767 15.3
和田興産 <8931> 124.6 93.4 920 6.0
カンセキ <9903> 56.7 59.1 1250 20.7
※株価は18日終値、単位:%、円、倍
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