市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ヤマシタHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■田淵電機 <6624>  169円 (+38円、+29.0%)

 東証1部の上昇率トップ。田淵電機 <6624> が急反騰。同社は6月25日の取引終了後、私的整理の一種である事業再生ADRの手続きを正式に申し込み、受理されたと発表。これを受けて株価は急落していたが、直近では売り一巡感も台頭。さらに足もとで全般相場が軟化していることもあり、短期的なりバウンド狙いの買いが入ったようだ。

■ヤマシタHD <9265>  1,671円 (+215円、+14.8%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率2位。ヤマシタヘルスケアホールディングス <9265> が急反騰、一時ストップ高。3日大引け後、18年5月期の連結経常利益を従来予想の3億円→4.4億円に46.3%上方修正。増益率が19.0%増→74.0%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。SPD契約施設における医療機器消耗品の販売好調に加え、低侵襲治療分野における内視鏡備品やサージカル備品の販売が想定より伸びたことなどが奏功し、売上が計画を上回ったことが寄与した。物流部門の効率化で採算も改善した。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の19円→25円(前の期は10円)に大幅増額修正したことも好感された。

■ユーザベース <3966>  3,950円 (+480円、+13.8%)

 ユーザベース <3966> [東証M]が全般軟調相場に逆行し、連日の大幅高に買われ、1ヵ月ぶりに上場来高値を更新した。2日大引け後、米オンライン経済情報メディアのクオーツ社の全株式を取得し、完全子会社化すると発表したことが引き続き好感された。クオーツ社の買収総額は最大約120億円で、今月31日に買収を完了する予定としている。同社は昨年ダウ・ジョーンズと合弁会社を設立し米国進出を果たし、昨年11月には米国版NewsPicksをリリースした。今回の買収によりNewsPicks事業のグローバル展開の加速を目指すという。

■スシローGH <3563>  6,990円 (+500円、+7.7%)

 東証1部の上昇率4位。スシローグローバルホールディングス <3563> が続急伸。同社は3日、6月度の月次売上高を公表。既存店売上高が前年同月比13.1%増と前月の伸び率(6.0%増)から拡大し、8ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。同月の既存店客数が同8.6%増(前月は3.5%増)となったことや、既存店客単価が同4.1%増(前月は2.4%増)と伸びたことが既存店の売上高拡大に寄与。なお、全店ベースの売上高は同20.9%増となっている。

■ZUU <4387>  10,150円 (+650円、+6.8%)

 ZUU <4387> [東証M]が大幅3日続伸。同社は先月21日に東証マザーズに新規上場し、上場2日目に公開価格1600円を3.5倍上回る5550円で初値をつけた。その後も上値追いを続け、4日初の1万円乗せとなった。公開価格からの上昇率は6.4倍、初値からは85%の上昇となった。同社は資産運用を支援するプラットフォーム「ZUU online」を中心とする金融商品やフィンテック・プラットフォーム事業を展開。フィンテック関連企業として物色人気が膨らんだ。ただ、株価は1万円乗せ後、利益確定売りが膨らみ上昇幅を縮小させている。

■HEROZ <4382>  21,250円 (+1,200円、+6.0%)

 HEROZ <4382> [東証M]が大幅4日続伸。同社は4月20日に上場した直近IPO銘柄。人工知能(AI)関連として人気を集め、上場3日目に初値4万9000円でスタートし、同日に4万9650円の高値をつけたが、その後は一方的に下げ続け、6月29日には1万6120円まで売られていた。足もとで全般相場が軟化していることから、こうした直近IPO銘柄への関心が高まっており、短期的なりバウンド狙いの買いが入ったようだ。

■日本M&A <2127>  3,305円 (+175円、+5.6%)

 日本M&Aセンター <2127> が続急伸。水戸証券は3日、同社株のレーティング「A」を継続した。目標株価は3800円(従来4200円)とした。同社は中堅中小企業の事業継承M&A(合併・買収)に特化。19年3月期の連結営業利益は前期比8%増の125億円の見込み。ただ、同社は8期連続で実績が期初計画を上回っており、同証券では会社計画は保守的として159億円への増額修正を予想している。

■Uアローズ <7606>  4,100円 (+195円、+5.0%)

 ユナイテッドアローズ <7606> が3日ぶりに急反発。3日の取引終了後荷発表した6月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比11.9%増と2ケタ増となり、5ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。6月は気温の上昇で夏物需要が活発化し、メンズでは半袖アイテム全般やジャケット、シューズ、バッグなどが好調に推移。また、ウィメンズでは半袖アイテム全般やパンツ、スカート、ワンピース、シューズ、バッグなどが好調に推移した。また、月中のVIP顧客向けセール、月下旬からのハウスカード会員向けの先行セールも活況だった。なお、前年に比べて休日が1日多かった影響が、既存店売上高で2.1%増程度働いたとしている。

■アダストリア <2685>  1,252円 (+50円、+4.2%)

 アダストリア <2685> が3日ぶり大幅反発。3日の取引終了後に発表した6月度の国内月次売上高で、既存店売上高が前年同月比5.5%増となり、3ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて休日が1日多かったことに加えて、中旬より先行して実施した夏物セールが客数増につながった。アイテム別では、メンズ・ウィメンズともに半袖トップス・パンツ類が好調だったほか、サンダル、カゴバッグなどの夏物雑貨も売れ行きを伸ばした。

■東鉄工業 <1835>  3,450円 (+125円、+3.8%)

 東鉄工業 <1835> が大幅反発したほか、鉄建 <1815> 、日本電設工業 <1950> などが高い。JR東日本 <9020> が3日、グループ経営ビジョンを発表したなかで「羽田空港アクセス線構想の推進」を掲げたことから、関連銘柄として物色された。構想自体は既に発表されていたが、改めて早期開業への構想推進が示されたことで、関連銘柄にはビジネスチャンスの具体化への期待が高まっているようだ。

■ルネサンス <2378>  2,529円 (+86円、+3.5%)

 ルネサンス <2378> が大幅続伸。4日付けの日本経済新聞朝刊で「2018年4-6月期の連結業績は、営業利益が6億円強と前年同期に比べて1割程度増えたもようだ」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、前期に開業したルネサンス北千住や名古屋のコクール ルネサンス名古屋JRゲートタワーなどが収益に貢献したほか、スイミングやテニスなどのスクール事業も好調だったという。上期計画の営業利益18億円に対しての進捗率は低いものの、今期は既存店改修などの投資が先行することになっており、計画通りとの見方が買い安心感につながったようだ。

■スタートトゥ <3092>  4,165円 (+140円、+3.5%)

 スタートトゥデイ <3092> が軟調地合いのなか大幅続伸、25日移動平均線とのマイナスカイ離を解消し上昇転換の兆しをみせている。主力輸出株には風向きの悪い地合いだが、内需系の好業績株に物色資金がシフトしている。同社は前日取引時間中に、プライベートブランド 「ZOZO(ゾゾ)」の新商品として、ビジネススーツとドレスシャツのセットを販売開始したことを発表、これを材料視する買いが先行。「ゾゾスーツ」で測ったデータに基づいて、体にぴったりした服を届けるというもので、顧客需要の開拓が期待されている。

■ニプロ <8086>  1,344円 (+45円、+3.5%)

 ニプロ <8086> が大幅4日続伸。3日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の2.40%にあたる400万株(金額で50億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月4日から12月28日まで。

■スターマイカ <3230>  2,141円 (+69円、+3.3%)

 スター・マイカ <3230> が5日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が3日付で、投資判断「バイ」を継続し、目標株価を2620円から2950円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、中古マンションの仕入拡大による賃料収入や売却益の増加により、中期的に2ケタ増益が続くと予想。株価は6月28日の決算発表後に下落したが、同証券では通期計画の上方修正を見送ったことが影響しているとみており、仕入の進捗から中期的に業績拡大余地があることから、今後の利益進捗により株価上昇余地が大きいとして、18年11月期営業利益予想を40億円から42億5000万円へ上方修正。また、19年11月期を同52億7000万円、20年11月期を同58億5000万円と予想している。

■T-BASE <3415>  884円 (+27円、+3.2%)

 TOKYO BASE <3415> が大幅続伸。同社は日本発のブランドに特化したアパレルを展開しており、セレクトショップ「STUDIOUS」と独自ブランド店「UNITED TOKYO」を主力に出店攻勢で業績を急拡大させている。SNSを活用したコーディネート提案などネットをうまく活用して売り上げを伸ばしているほか、同業他社との比較でも売上高に占めるeコマースの比率が高い。全般相場は主力輸出株が手掛けにくく、内需の小売セクターなど好業績株への物色資金シフトがみられる。そのなか同社株は信用取組も6月29日現在で信用倍率1.34倍と拮抗しており、需給妙味がある。

■花王 <4452>  8,266円 (+244円、+3.0%)

 花王 <4452> が切り返し急。トイレタリーの国内首位で、全般輸出ハイテク株に売りがかさむ地合いのなかでディフェンシブストックの一角として買われている。紙おむつが中国市場で高水準の需要を取り込んでいる。さらに、経済成長著しいアジア中心に衣料用洗剤や食器用洗剤が伸びており、収益を押し上げている。前17年12月期に初めて2000億円台に乗せてきた営業利益は、今12月期も5%増の2150億円を見込み、連続最高益更新基調が続く。また、株主還元にも前向きで毎期増配を繰り返していることもポイント。今12月期は前期実績比10円増配の120円を計画している。

■国際石開帝石 <1605>  1,163円 (+24円、+2.1%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> など石油関連株が高い。3日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近8月物が前日比0.20ドル高の1バレル74.14ドルに上昇。一時75.27ドルと14年以来、3年半ぶりに75ドルを突破した。米国のイランに対する制裁措置に絡み中東情勢への懸念がくすぶっている。また、カナダのオイルサンドプラントの操業停止も原油高要因となっている。

■ABCマート <2670>  6,030円 (+110円、+1.9%)

 エービーシー・マート <2670> が続伸。3日の取引終了後に発表した6月度概況で、既存店売上高が前年同月比5.3%増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて土曜日が1日多かったことが寄与した。商品別では、気温が低めだったことでサンダルの販売は低調だったが、降雨により機能系の防水シューズの販売が好調だった。なお、大阪北部地震で被災した37店舗については、既存店売上高の対象から除外している。

■良品計画 <7453>  38,250円 (+650円、+1.7%)

 良品計画 <7453> が3日ぶりに反発。3日の取引終了後に発表した6月度の月次概況で、直営既存店売上高は前年同月比5.9%増となり、16ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。衣服・雑貨で「オーガニックコットン半袖Tシャツ」などカットソー全般、ブラウスやワンピースではフレンチリネンやオーガニックコットン楊柳素材の商品が人気だった。また、暑い日が多かったことから、涼感インナーシリーズなどショートパンツやイージーパンツの売り上げも大きく伸長した。食品ではテレビ番組で紹介されたレトルトカレーシリーズが大きく売り上げを伸ばした。

■三井海洋開発 <6269>  2,887円 (+36円、+1.3%)

 三井海洋開発 <6269> が3日ぶりに反発。3日の取引終了後、オーストラリア沖合で開発中のバロッサ鉱区向けFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の基本設計業務をコノコフィリップス・オーストラリア社から受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。なお、バロッサ鉱区は、オーストラリア・ダーウィンの北方約300キロメートル沖合に位置する海洋ガス田で、ガスおよびガスに付随するコンデンセート(極めて軽質の原油)の生産が計画されている。

■協和エクシオ <1951>  2,849円 (+31円、+1.1%)

 協和エクシオ <1951> が3日ぶり反発。PERは14倍台と割安水準にある。株価は、6月25日に年初来高値の3085円をつけて以降、全般相場の下落トレンドもあって調整を強いられてきた。ただ、ここにきて、今年4月にほぼ1ヵ月間もみあい状態となっていた2700円台後半の値ごろまで低下してきたことで、下値固め機運が高まっている。同社は5月9日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高3350億円(前期比7.1%増)、経常利益281億円(同6.2%増)、純利益188億円(同4.5%増)と増収増益を見込む。さらに、年間配当を前期比14円増の64円とする。今期は、首都圏での再開発活発化などを背景に大型電気設備工事や、700メガヘルツ周波数帯テレビ受信対策工事、防災行政無線整備工事、さらに無電柱化工事などの需要拡大が見込まれる。中期的にはIoT5Gに関連したシステムソリューション事業の伸長も期待される。また、同社が、日本電通 <1931> [東証2]、シーキューブ <1936> [名証]、西部電気工業 <1937> の3社を株式交換で10月1日に完全子会社化することも好材料視されている。

■味の素 <2802>  2,051.5円 (+21円、+1.0%)

 味の素 <2802> は3日ぶりに反発。SMBC日興証券が3日付で投資判断「2」を継続し、目標株価を1900円から2260円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、19年3月期営業利益予想を980億円から963億円へ、20年3月期を同1020億円から1000億円へ、21年3月期を同1080億円から1050億円へ微調整したが、目標株価の算出基準を19年3月期から20年3月期へ変更したことなどで目標株価を引き上げたという。同証券では、業績は最悪期を脱出しつつあるようにみえ、問題事業の課題も明確化していると指摘。一方で、経営に質的変化がみられないなか、業績を回復軌道に乗せ、上向かせることができるか否かについては、もう少し判断材料が欲しいとしている。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均