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【特集】高成長【始動】候補リスト 27社選出 <成長株特集>

グリムス <日足> 「株探」多機能チャートより
 本特集では、製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性が高い銘柄を探ってみた(6月22日現在)。

 下表では、時価総額30億円以上1000億円未満の銘柄の中から、直近四半期に前年同期比で【10%増収・20%経常増益】を2四半期もしくは3四半期連続で達成した27社を“高成長「始動」候補”として選び出し、直近四半期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。

 増益率トップのレッグス <4286> は販促グッズの企画などマーケティング支援を手掛け、キャラクターを活用したキャンペーンや物品販売を得意としている。1-3月期(第1四半期)は飲料業界やアミューズメント業界向けの受託案件が好調で、経常利益は前年同期の3200万円から2億0900万円に急拡大して着地。上期計画の2億1000万円に対する進捗率は99.5%に達しており、業績上振れが期待される。なお、株探プレミアム会員向けに提供している【業績修正履歴】を見ると、2年連続で上期決算発表日の1週間前(7月20日と21日)に業績修正していることがわかる。今上期の決算発表日は未定だが、注目日として念頭に置いておきたい。

 2位のカワタ <6292> は前回の「高成長【始動】銘柄リスト」(3月29日配信)に続く選出となった。同社は乾燥機や計量混合器などプラスチック加工生産の周辺機器というニッチな分野で活躍する機械メーカー。1-3月期(第4四半期)は中国で設備投資需要が拡大するなか、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池やスマートフォンなどの光学系部品関連の受注が大きく伸びた。リチウムイオン電池向け粉体用機器やセパレーターフィルム製造用の熱媒体循環温度調節機の受注に注力姿勢であり、EV関連銘柄としても注目を集める。

 4位の共同ピーアール <2436> [JQ]は国内最大級の総合PR会社。1-3月期(第1四半期)は海外クライアントのPR活動案件の新規受注を獲得したほか、記事広告の大型広告出稿なども寄与し、経常利益は前年同期比4.1倍の1億1100万円に膨らんだ。上期計画9200万円をすでに上回っており、業績上振れが確実視される。また、6月末割当の1→3の株式分割を実施すると発表したことも評価材料となり、株価は5月31日に約13年ぶりの高値3730円をつけた。

 続く5位の外国為替証拠金取引(FX)大手、ヒロセ通商 <7185> [JQ]の株価も上昇力が強く上場来高値圏で推移している。1-3月期(第4四半期)は利便性向上などを背景に顧客口座数と預かり証拠金が増加し、大幅増収増益を達成した。今期に入ってからも4月の営業収益(売上高相当)は前年同月比13.8%増、5月は同35.9%増とその勢いは衰えず、19年3月期は4期連続の最高益更新に期待がかかる。

 9位のグッドコムアセット <3475> は東京23区を中心に展開する投資用マンション「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの販売戸数が増加し、2四半期連続の業績高変化を遂げた。業績は絶好調で上期(11-4月)経常利益は9.2億円と通期の過去最高益(9.1億円)をすでに超過、18年10月期は15.1億円に拡大を見込む。来期以降の仕入れも順調に積み上げていることから、持続的な成長が期待できそうだ。

 10位に入ったグリムス <3150> [JQ]の1-3月期(第4四半期)は業務用エアコンや冷凍機、コンプレッサーなどの省エネ設備の販売が好調だった。19年3月期は16年12月に本格参入した小売電気事業の収益貢献が本格化し、経常利益は前期比22.7%増の13.5億円と4期連続最高益を計画する。同社は東証1部への市場変更に向けて準備を進めており、1部昇格候補としても注目度が高い。

 12位のMCJ <6670> [東証2]は受注生産方式の「マウス」ブランドを中核にパソコン関連事業を展開、ニッチ層向けのハイスペックパソコンに強みを持つ。1-3月期(第4四半期)は大規模なテレビCM効果でマウスコンピューターや高付加価値製品の販売を伸ばしたほか、欧州ではタッチパネルやデジタルサイネージなどのモニターの好調が続いた。同社は14年3月期に15%だった配当性向を18年3月期は30%まで引き上げており、積極的な株主還元姿勢も評価されている。

 14位のディスプレイ大手、丹青社 <9743> は良好な市況を背景に、空港関連施設、ホテル、オフィス、テーマパークなどの新改装案件が伸びたうえ、文化施設の大型案件も増加し、2-4月期(第1四半期)は連続2ケタ増収増益を達成した。19年2月期経常利益は前期比1.2%増と小幅増益の見通しだが、同社は期初予想を保守的に算出する傾向が強く、前期まで6期連続で期中に通期計画を上方修正している。豊富な受注残高を背景に、今期も上方修正する可能性は高そうだ。

           ┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想
コード 銘柄名    増益率 直近四半期 増収率 直近四半期 連続期数  PER
<4286> レッグス     553    209  20.0    3165    2  16.1
<6292> カワタ      530    208  12.6    5695    3  14.2
<3452> ビーロット    386    374  36.1    2751    2  9.2
<2436> 共同PR     311    111  27.5    1292    3  18.8
<7185> ヒロセ通商    305    867  40.9    2275    3   -
<2700> 木徳神糧     204    301  19.4   29715    2  12.7
<9707> ユニマRC    187    238  19.5   13095    2  8.3
<8070> 東京産     78.9    948   116   38630    2  9.9
<3475> グッドコムA  73.7    528   115    6043    2  13.1
<3150> グリムス    67.7    218  58.6    2428    2  26.7

<6157> 日進工具    62.8    731  13.0    2522    2  17.2
<6670> MCJ     58.6    2721  12.4   34494    2  13.6
<6393> 油研工     55.8    469  14.2    8044    3  8.5
<9743> 丹青社     53.7    2509  12.6   24173    2  22.1
<5997> 協立エアテク  51.0    237  14.9    2294    3  8.9
<6161> エスティック  50.3    260  38.1    1311    3  13.9
<3985> テモナ     43.3     96  10.2    302    2  59.7
<3465> ケイアイ不   38.7    1942  31.7   21388    3  9.2
<6742> 京三      38.3    5743  21.0   34980    2  12.6
<6539> MSジャパン  32.9    400  23.9    870    2  45.5

<6121> 滝沢鉄     30.3    1059  25.7    9184    3  8.5
<6155> 高松機械    28.2    719  19.1    6323    3  9.6
<3969> エイトレッド  27.8    115  21.2    326    2  35.1
<3565> アセンテック  26.6    138  51.0    1626    2  50.6
<7525> リックス    23.8    687  15.3   10681    2  9.4
<3771> システムリサ  23.0    396  15.7    3741    2  15.4
<9366> サンリツ    21.7    174  18.9    4477    2  9.3

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。
※「-」は今期業績予想を非開示の企業。

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