【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 夏相場は不発に終わる、と主張してきたじゃないか!
株式評論家 杉村富生
「夏相場は不発に終わる、と主張してきたじゃないか!」
●トランプ大統領の暴走に振り回されるマーケット
夏(6~8月)相場は不発に終わる、と一貫し主張している。ここ数ヵ月来の筆者の主張だ。現状を正しく認識し、リスク・マネジメント(現金比率の調節)を徹底すること! これは株式投資の基本(ルール)である。ここは“夏枯れ”に備える必要があろう。
マーケットの甘いムードに惑わされてはいけない。トランプ大統領はmad man(マッド・マン=狂人)と呼ばれている。昔、オーストラリア映画に「Mad Max(マッドマックス)」と題する話題作があった。古い人は知っていると思う。文字通り、暴走族の話だ。トランプ大統領はどこまで“暴走”するのだろうか。
彼の外交・通商政策はマッドマン・セオリー(狂人戦略)と称する。しかし、戦略はない。思いつくまま、行き当たりばったりだ。同盟国だって、平気で切り捨てる。株式市場はトランプ大統領のマッドマン・セオリーに振り回されている。
投資家は常に、この動きを冷静に注視する必要がある。米中貿易戦争は拡大の一途をたどっている。関税引き上げの報復合戦だ。貿易はウィンウィンの関係だが、貿易戦争は何のメリットも生まない。早晩、世界経済はダメージを受けるだろう。みんな“敗者”になる。
●やはり、引き続いて“小物”で勝負を!
まあ、11月の中間選挙までは彼の“暴走”が続くと考えていた方が良い。こんな状況下、世界の投資資金はアメリカに向かっている。アメリカを代表するハイテク5社(アップル、アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、フェイスブック)の株価は史上最高値圏にある。
実に、この5社の時価総額は3兆8700億ドル(約426兆円)だ。いや~、恐ろしい。しかし、これが現実である。いやはや、何とも…。わが軍(日本の投資家)はどう対応すべきか。逆に、“小物”で勝負する作戦はどうだろうか。筆者の戦術はこれまでもずっと、そうだったが…。
具体的には注文0分、会計0分のプットメニューが脚光を浴びているジャストプランニング <4287> [JQ]、eスポーツの先駆者のJストリーム <4308> [東証M]、インフルエンサー関連のトレンダーズ <6069> [東証M]、情報セキュリティのバルクホールディングス <2467> [名証C]などに注目できる。
さらに、やや中期的な狙いになるが、スマートバリュー <9417> [JQ]、RIZAPグループ <2928> [札証A]に妙味があろう。ともに、ここ数日、公募価格(スマートバリューは2472円、RIZAPグループは1637円)を割り込んでいる。なお、スマートバリューは6月末に、RIZAPグループは7月末に1対2の株式分割を行う。
2018年6月21日 記
株探ニュース