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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

メディアス <日足> 「株探」多機能チャートより

■メディアス <3154>  2,773円 (+500円、+22.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。メディアスホールディングス <3154> がストップ高。20日、同社が3月31日現在の株主を対象に1→3の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の3分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて、18年6月期の期末一括配当を従来予定の40円→14円(前期は50円)に修正。年間配当は実質5.0%の増額となる。また、株主優待制度を変更。1年以上保有株主へのクオカード贈呈額を1000円増やす。対象は現行と同じ100株以上保有株主で実質拡充となる。

■ジェイリース <7187>  972円 (+150円、+18.3%) ストップ高

 ジェイリース <7187> [東証M]がストップ高。20日、東証が同社を3月13日付で東証1部へ市場変更すると発表。これを受けて、TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いが向かった。市場変更を契機に同社は、配当性向の水準を15%以上から20%程度に引き上げることを決定。これに伴い、18年3月期の期末配当を従来計画の3.5円→4.5円(前期は無配)に増額修正したことも支援材料となった。

■セキュアヴェ <3042>  1,040円 (+150円、+16.9%) ストップ高

 セキュアヴェイル <3042> [JQG]、FFRI <3692> [東証M]、トレンドマイクロ <4704> 、デジタルアーツ <2326> など情報セキュリティー関連株が軒並み高。20日、米情報セキュリティー会社の「ファイア・アイ」が、北朝鮮のハッカー集団「APT37」が昨年、国連の対北朝鮮制裁に関する情報を得るため、日本にある関連組織にサイバー攻撃を仕掛けていたとの分析を発表したことが、セキュリティー関連株の株価を強く刺激する格好となった。近年は、日本や米国に限らず海外からの政府機関へのサイバー攻撃が際立つようになり、国家レベルでも喫緊の課題として対応が迫られる状況にある。

■免疫生物研 <4570>  1,093円 (+150円、+15.9%) ストップ高

 免疫生物研究所 <4570> [JQG]がストップ高。同社は20日、再生医療 分野で共同研究する生命科学インスティテュート(東京都千代田区)と、両社で作製した新規抗体の販売契約を締結したことを発表しており、これが株価を押し上げる格好となった。今回作製に成功した抗体は「Muse細胞」と呼称される多能性幹細胞の研究に活用されるもの。Muse細胞は皮膚や筋肉、骨、すい臓、肝臓といった体の細胞のもとになる「三胚葉」すべてに分化する能力を兼ね備えており、今回の新規抗体の作製は再生医療分野における技術の進歩につながるものとして注目されている。

■ショーワ <7274>  1,704円 (+228円、+15.5%)

 東証1部の上昇率2位。ショーワ <7274> が3連騰、昨年来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を1350円から1900円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では従来、失注や納入形態の変更などを考慮し、18年3月期下期から当面、端境期を迎える可能性を懸念していた。しかし、収益貢献度が高いとみるCR-Vの販売好調や、二輪事業での生産再編効果に加えて、ショックアブソーバも新製品群の搭載拡大で付加価値が向上すると推察。想定を上回る製品ミックス向上および生産性上昇による収益性改善が期待できるとして、品質関連費用がなくなる見込みの19年3月期営業利益を245億円から320億円へ、20年3月期を同265億円から345億円へ大幅上方修正している。

■アスラポート <3069>  605円 (+77円、+14.6%) 一時ストップ高

 アスラポート・ダイニング <3069> [JQ]が20日のストップ高に続き大幅高となり、2年2ヵ月ぶりの高値圏に突入した。「牛角」「どさん子」などをはじめとする外食フランチャイズを展開しており、業績は大幅増収増益トレンドを続けている。訪日外国人観光客が急増するなかでの日本食ブームに乗る銘柄としてもテーマ性を持つ。株主還元姿勢にも積極的で、株主優待の提供回数を年1回から年2回に変更し、内容も大幅に充実させた。また、高級ステーキ店などを運営するスティルフーズと資本・業務提携、企業価値向上に向けた戦略が投資資金を呼び込んでいる。

■ラクオリア <4579>  2,150円 (+200円、+10.3%)

 ラクオリア創薬 <4579> [JQG]が急反騰。同社は創薬ベンチャーで疼痛疾患などを得意分野としている。20日取引終了後、名古屋大学に産学協同研究センター「ラクオリア創薬産学協同研究センター」を設置することを発表、手掛かり材料となった。これに伴い名古屋大学を中心とした創薬研究開発の進展が見込まれ、同社の中期的な業容拡大に貢献するとの思惑が株価を刺激した。

■日エスコン <8892>  1,058円 (+86円、+8.9%)

 東証1部の上昇率9位。日本エスコン <8892> が急反発。株価は1000円大台を突破し、2007年6月以来、約10年6ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。好決算が評価され、決算発表の翌日にストップ高に買われたのを皮切りに、その後も上値追いの展開が続いている。8日に発表した18年12月期の連結経常利益は前期比45.3%増の87億円に拡大し、11期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。今期も分譲マンションの販売を主力とする不動産販売事業の収益拡大を見込む。同社は主力のマンション販売に加え、商業施設や物流施設、さらにはインバウンドニーズを捉えたホテル開発事業にも注力しており、業容拡大による成長期待も大きい。

■イー・ギャラ <8771>  4,110円 (+305円、+8.0%)

 イー・ギャランティ <8771> が急反発。20日、平塚信用金庫と売掛債権保証サービスの紹介で業務提携すると発表しており、販売網の拡大による業績への寄与に期待する買いが向かった。「売掛債権保証サービス(eG保証サービス)」は、同社と保証契約を締結する顧客の商取引において発生する売掛債権に、倒産などによる焦げ付きが発生した際、設定した支払限度額を上限に保証金を支払うサービス。今回、平塚信用金庫とビジネス・マッチング契約を結び、平塚信用金庫が売掛債権保証サービスの紹介業務を行うことになった。

■ニューフレア <6256>  7,700円 (+570円、+8.0%)

 ニューフレアテクノロジー <6256> [JQ]が5連騰。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を6250円から8100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券は従来、競合企業のマルチビームEBマスク描画装置(MB装置)にシェアを取られる点を懸念材料としていたが、競合企業のMB装置は依然として開発途上と見られることから、将来性に対する過度の悲観の解消を再評価。同社が独占的な強みを持つシングルビームEB(Electron Beam)マスク描画装置(SB装置)の需要が堅調なことを背景とする粗利率予想の上方修正や、19年3月期以降は研究開発費を18年3月期から20億円程度削減することなどで、18年3月期営業利益予想を74億円から84億円へ、19年3月期を同65億円から86億円へ、20年3月期を同67億円から88億円へそれぞれ大幅に上方修正している。

■コカBJH <2579>  4,005円 (+240円、+6.4%)

 コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス <2579> が急反発。21日昼、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の9.21%にあたる1900万100株(金額で700億円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。公開買い付け期間は2月22日から3月22日まで。買い付け価格は20日終値を13%下回る3275円。第2位株主のリコー <7752> が保有する同社の全株式1707万5239株(発行済み株式数の8.28%)を同社に売却する。

■インベスC <1435>  2,134円 (+120円、+6.0%)

 インベスターズクラウド <1435> が大幅に7日続伸し上場来高値を更新。20日取引終了後、子会社TATERU bnbが、今年6月施行の旅館業法改正に対応した、ICT活用の新しいチェックインサービスの開発を行うと発表しており、これを好感した買いが入った。旅館業法の改正により、 民泊物件でICTを活用した非対面形式のチェックインが可能となったことを受けて開発を決定した。新しいチェックインサービスは、スマートキーやスマートチェックインパッド、TRIP PHONEなどの機能を持った自社開発のIoTデバイス「bnb kit」を利用し、宿泊者は宿泊場所に到着後、「bnb kit」を利用することで、現地でチェックインを行うことができる一方、民泊運営代行会社は運営コストの削減が期待できるようになるとしている。

■ニチアス <5393>  1,435円 (+79円、+5.8%)

 ニチアス <5393> が5連騰。大和証券が20日付で投資判断を「2」から「1」とし、目標株価を1800円から1850円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、18年3月期の営業利益を210億円(前期比7%増)と予想し、従来予想の200億円から上方修正した。第3四半期までの進捗状況や、良好な半導体市況などを考慮すると高機能製品事業が業績を牽引すると予想。また、会社側は2月19日に18年3月期年間予想配当の増配を発表したが、これもポジティブに評価しており、今後、堅調な業績が確認されれば自社株取得など株主還元強化の可能性もあると評価している。また、19年3月期は高機能製品事業を中心に成長フェーズに入ると予想しており、営業利益を225億円から230億円へ、20年3月期を同242億円から247億円へそれぞれ上方修正している。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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