【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):JCU、TOTO、日特エンジ
JCU <日足> 「株探」多機能チャートより
22日、JCU <4975> が18年3月期の年間配当を従来計画の70円→85円(前期は1→2の株式分割前で130円)に増額修正したことが買い材料視された。業績好調による普通配当10円に加え、創立50周年記念配当5円を上積みする。今期の最終利益は前期比18.8%増の49億円と8期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
■TOTO <5332> 6,580円 +70 円 (+1.1%) 本日終値
TOTO<5332>が新値追い。一部で「政府・与党は、中国の習近平国家主席が掲げる公衆トイレの美化運動『トイレ革命』を民間と連携して支援する方針を固めた」と報じられており、これが株価を刺激したもよう。同社のほか、アサヒ衛陶<5341>、ジャニス工業<5342>、LIXILグループ<5938>、ネポン<7985>なども後場に入って動意づいた。また、今月11~12日にかけてミャンマーで開催された水資源を巡る国際会議「アジア・太平洋水サミット」では、安全な飲み水や衛生的なトイレを25年までに地域のすべての人々に提供することなどが明記された「ヤンゴン宣言」が採択されており、トイレ関連への関心が高まっている面もあるようだ。
■UUUM <3990> 5,000円 +50 円 (+1.0%) 本日終値
UUUM<3990>は3日続伸。前週末22日の取引終了後、GOODROID(東京都渋谷区)と共同で、スマートフォン向けホラーゲーム「青鬼3」の提供を開始したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同タイトルは、シリーズ累計450万ダウンロードを記録したスマートフォン向け人気ホラーゲーム「青鬼」の最新作で、主人公たちが乗る船が座礁し無人島に漂着するところからゲームがスタート。無人島に廃墟として残る「病院」「遊園地」などの施設を舞台に、各所に仕掛けられた謎を解きながら島からの脱出を目指すという内容となっている。
■伊藤忠テクノ <4739> 4,940円 +40 円 (+0.8%) 本日終値
伊藤忠テクノソリューションズ<4739>は年初来高値を更新。この日の午前中、グリッド(東京都港区)と、データプレパレーションアウトソーシング事業で業務提携し、きょうからデータプレパレーションアウトソースサービスの提供を開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。データプレパレーションは、人工知能(AI)に画像を学習させる際に使用する「教師データ」作成のための工程で、画像分析に必要とされる様々な非定型データを収集・整形して、AIサービスを短期間で提供するための重要なプロセス。グリッドは、インドネシアに拠点を構え、現地でAI人材の育成とデータプレパレーションのアウトソース事業を展開していることから、今回の提携でCTCは、グリッドが持つAIの知見やリソースを活用し、データプレパレーションのアウトソースサービス「tag.ai(タグ・エーアイ)」の提供を通じてAI分野での多角的な事業展開を図るとしている。
■日特エンジニアリング <6145> 5,010円 +35 円 (+0.7%) 本日終値
日特エンジニアリング<6145>が反発。前週末22日の取引終了後、「高精度自動制御」「微小信号処理技術」をコア技術に産業機器を開発する研究開発型企業のアドテックス(群馬県高崎市)と資本・業務提携すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。日特エンジでは重点施策の一つとして制御技術や信号処理技術の強化を進めていることから、FA関連の制御や機器の開発で実績あるアドテックスとの資本・業務提携を行うという。今回の提携により、アドテックスのコア技術で、中国で展開する400ボルト-200ボルトの安定化電源など電源分野や、IoT(モノのインターネット)などを駆使した無人工場の展開、さらにエレクトロニクス商品の開発なども強化するとしている。また、これに伴い、アドテックスの発行済み株数の10.0%にあたる5670株を3005万円で来月10日に取得するとしている。なお、18年3月期業績への影響は現在精査中としている。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,395.5円 +9.5 円 (+0.7%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が堅調。ここ原油市況が上昇歩調を強めており、前週末のWTI原油先物価格は11セント高の1バレル=58ドル47セント高と4日続伸、11月24日以来約1カ月ぶりの水準を回復しており、これが株価に追い風となった。前週末の米株市場でもNYダウは軟調だったもののシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連株は上昇した。なお、WTI原油先物価格は11月24日の1バレル=58ドル95セントを上回れば、2015年6月以来2年半ぶりの高値水準となる。
■三井不動産 <8801> 2,550.5円 +8.5 円 (+0.3%) 本日終値
三井不動産<8801>が続伸。SMBC日興証券は22日、同社株の投資評価の「1」と目標株価3200円を継続した。18年以降は、同社が長年仕込んできた大型開発プロジェクトが順次竣工し、収益化するタイミングであり、今後は市場の需給環境といったダウンサイドリスクから大手デベロッパーの収益拡大期待というアップサイドリスクに市場の注目がシフトしていく可能性があるとみている。同証券では、21年3月期には連結3000億円(17年3月期2326億円)が視野に入ると予想。来年5月発表予定の新中期経営計画では、配当性向の引き上げなどの株主還元策が改善されることにも期待している。
■大塚ホールディングス <4578> 5,005円 +12 円 (+0.2%) 本日終値
大塚ホールディングス<4578>がしっかり。この日、傘下の大塚製薬と大塚製薬工場が、iPS細胞から血小板をつくる技術を臨床応用し、その事業化を目指すバイオベンチャー、メガカリオン(京都市左京区)の第三者割当増資を引き受け、両社合わせて10億円の出資を行うと発表しており、これを好材料視した買いが入った。メガカリオンは、京都大学iPS細胞研究所江藤浩之副所長らのiPS細胞を用いた独自の血小板産生技術と日本企業数社との共同研究などで、「ヒトiPS細胞由来血小板製剤」の臨床試験用製剤の製法を確立しており、医療現場での事業化に向けて量産体制の構築を目指しているという。今回の両社の投資は、自らも研究に取り組む再生医療分野でメガカリオンの開発を支援することで、iPS細胞を用いた再生医療分野における我が国の国際競争力の一層の強化と、技術の応用範囲の拡大に寄与することを目的としているとしている。
■トランス・コスモス <9715> 2,704円 -195 円 (-6.7%) 本日終値 東証1部 下落率3位
トランスコスモス<9715>が急反落。SMBC日興証券が22日付で投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を3700円から2800円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同社が16年からサービスを開始したDEC(Digital marketing,EC,Contact center)サービスの強化に向けて、現時点では投資先行で進捗を見極める段階にあると判断したことが要因という。また、同社では通期計画や中期経営計画などを公表していないことから、業績の詳細や、中期的な投資と成長のタイミング、中期的な成長イメージなどが株式市場では判断しづらいという課題もあると指摘し、開示体制の強化にも期待したいとしている。
株探ニュース