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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

住友鉱 <日足> 「株探」多機能チャートより

■住友金属鉱山 <5713>  4,554円 (+157円、+3.6%)

 住友金属鉱山 <5713> は反発。19日の取引終了後、主にステンレス鋼の原料となるクロマイトの回収事業へ参入すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。フィリピン子会社のタガニートHPALニッケル(THPAL)社にクロマイトの回収プラントを建設し、20年から生産を開始する予定。クロマイトは、中間製品であるフェロクロムに製錬加工され、ステンレス鋼をはじめ特殊鋼向け原料として幅広く使用されているが、このクロマイトをTHPAL社のニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程から回収するという。なお、投資額は3100万ドル(約35億円)を予定している。

■プリマハム <2281>  848円 (+26円、+3.2%)

 プリマハム <2281> が続伸。東海東京調査センターが19日付で投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を1100円から1230円へ引き上げたことが好材料されたようだ。同センターによると、18年3月期は営業利益151億円(前期比3.0%減)と減益を予想しているが、積極的な設備投資をもとに減価償却費の負担を見込むためと指摘。最終消費者の食肉や加工食品、総菜への需要拡大は継続すると想定し、その対応としての積極的な設備投資は必要と考えられるとポジティブな評価をしており、19年3月期以降も堅調な売上高成長と営業利益率向上を期待したいとしている。

■東邦チタニウム <5727>  1,111円 (+34円、+3.2%)

 東邦チタニウム <5727> が年初来高値を更新。同社は19日取引終了後に、福岡県の若松工場内で建設を進めていたニッケル粉新工場が完成したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。ニッケル粉は積層セラミックコンデンサー(MLCC)の内部電極材料として使用され、新工場の建設は電子機器の高機能化やIoT自動車電装化の進展でMLCCの需要が拡大していることが背景。なお、新工場の生産能力は月産30トンで、茅ケ崎工場とあわせた月産能力は90トンとなる。

■日立金属 <5486>  1,571円 (+48円、+3.2%)

 日立金属 <5486> が3連騰。20日、同社および子会社日立金属ネオマテリアルが、ステンレス(SUS)と銅(Cu)を組み合わせることで高強度と高熱伝導率を両立したモバイル機器向けクラッド材を開発し、本格量産を開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回開発したクラッド材は、芯材を熱伝導率に優れるCuとし、表層材に機械的強度に優れるSUSを用いた三層クラッド材。既存のシャーシ材と比べ、熱伝導率はSUSの10倍以上、機械的強度はアルミ合金の約2倍の特性を持っているという。日立金属では、スマートフォンをはじめとするモバイル機器の薄型化、軽量化、部品点数の削減などに寄与するとしている。

■JXTG <5020>  706.3円 (+16.7円、+2.4%)

 JXTGホールディングス <5020> 、出光興産 <5019> 、昭和シェル石油 <5002> 、ビーピー・カストロール <5015> など石油元売り企業が買われた。前日のWTI原油先物価格が30セント高の1バレル=57ドル46セントと反発したことが追い風となっている。また、出光興産と昭和シェルについては、日本経済新聞が来年春に主要事業を事実上統合すると報じていることも業界再編の思惑につながり株価を刺激した。

■三菱UFJ <8306>  835円 (+17.3円、+2.1%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などメガバンクが人気化。19日のニューヨーク市場で10年債利回りは一時、2.47%と10月下旬以来、約2ヵ月ぶりの水準に上昇した。これを受け、金利上昇による長短金利差の利ザヤ拡大による業績改善期待が浮上している。三菱UFJの場合、傘下に米カリフォルニアを地盤とするMUFGユニオンバンクを擁しており、米国事業の業績改善の恩恵は大きいとみられている。

■コンコルディ <7186>  701円 (+10円、+1.5%)

 コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> が年初来高値を更新。米長期金利の上昇を受け銀行株に見直し買いが流入。ただ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は19日、同社の目標株価を600円から660円に引き上げる一方で、レーティングは「オーバーウエイト」から「ニュートラル」に引き下げた。株価上昇を受け、レーティングを見直した。同社は、傘下に横浜銀行と東日本銀行を擁するが、自社株買いは過去数年間、統合前の横浜銀行から年複数回の実施があり、市場では株主還元への評価が高い。ただ、足もとの株価上昇で当面の期待はいったん織り込んだ可能性がある、とみている。

■エボラブルアジア <6191>  2,107円 (+26円、+1.3%)

 エボラブルアジア <6191> が19日の取引終了後、ホットリンク <3680> に対して、ベトナムのITオフショア開発ソリューションの提供を開始したと発表した。ホットリンクは人工知能(AI)を駆使したSNS上のマーケティングやソーシャルリスク対策を行っている。今回のITオフショア開発では、ホットリンクが展開するSNSアカウントの運用効率化とROI向上を支援するクラウドサービス「BuzzSpreader」のデータビジュアライゼーションに関する開発を行うとしている。なお、エボラブルアジアでは、ベトナムのホーチミン、ハノイ、ダナンに拠点を持ち、約800人のエンジニアが在籍。東南アジアのITオフショア開発会社としては日系最大クラスの事業規模を有している。

■エイチ・アイ・エス <9603>  4,015円 (+45円、+1.1%)

 19日、エイチ・アイ・エス <9603> が18年10月期の連結最終利益を従来予想の100億円→118億円に18.0%上方修正。減益率が24.6%減→11.0%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。子会社が保有する「ウォーターマークホテル札幌」の売却に伴い、売却益が発生することが最終利益上振れの要因となる。

■フジクラ <5803>  995円 (+11円、+1.1%)

 フジクラ <5803> がしっかり。同社は20日、新規に開発を進めている直接メタノール型燃料電池方式を用いた世界初の定格電力1キロワットの燃料電池を、NTTドコモ <9437> のグリーン基地局に適用する共同実験契約を締結したことを明らかにした。この燃料電池は、メタノールと空気中の酸素を化学反応させて高効率に電気を起こし、有害物質も発生しない静寂性に優れた発電機。従来の燃料電池は大型で定置型であるのに対し、この燃料電池は本体サイズが小さく、狭い場所やビルの上にある小さな基地局への設置、災害発生時の被災地域への緊急の持ち込みが可能になるほか、基地局に適用する際の運用時間も従来の3日間から4日間に伸ばすことができる。

■堀場製作所 <6856>  6,910円 (+70円、+1.0%)

 堀場製作所 <6856> が反発。19日の取引終了後、17年12月期の連結業績予想について、売上高を1900億円から1920億円(前期比12.9%増)へ、営業利益を230億円から245億円(同32.4%増)へ上方修正したことが好感された。排ガス規制の強化や半導体産業の投資拡大などを受けて、自動車計測システム機器部門や半導体システム機器部門の販売が堅調に推移していることが要因。なお、純利益は、英連結子会社ホリバMIRA社の事業譲受時に発生したのれんおよび無形固定資産について、減損損失約23億円を計上する見込みであることから、純利益は150億円(同15.7%増)の従来見通しを据え置いている。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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