【特集】年末“東証2部”スペシャル、24の「割安&好業績」銘柄リスト <株探トップ特集>
石井表記 <日足> 「株探」多機能チャートより
―足踏み“日経平均”と最高値“東証2部指数”、視線は進撃中の2部「有望株」へ―
20日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比23円72銭高の2万2891円72銭と小幅反発したものの、心理的フシ目とされる2万3000円を前に足踏み状態が続いている。一方、東証2部指数は18日に過去最高値を更新して以降も堅調な推移となっている。東証2部は、株価指数先物取引による全体相場の変動に個別銘柄が左右されないうえに、株価面では比較的低位で割安な銘柄が多く、最低投資単位当たりの金額が東証1部や新興市場の銘柄に比べて少額で、個人投資家が参加しやすいというメリットがある。好業績予想の低PER銘柄に注目した。
●高砂鉄工、自動車部品向けみがき帯鋼の受注が拡大
高砂鐵工 <5458> [東証2]は10月31日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を100億円から104億円(前期比15.1%増)へ、経常利益を3億8000万円から4億8000万円(同28.3%増)へ、最終利益を3億円から3億8000万円(同11.2%減)へそれぞれ増額した。主力の自動車部品向けみがき帯鋼の受注が増加しているのに加え、ステンレスでも加工品や子会社でのステンレス鋼材の卸販売が好調に推移している。さらに、下半期以降もみがき帯鋼の受注の好調さ持続や、加工品や子会社でのステンレス鋼材の卸販売が安定的に推移すると判断している。
●エムジーホーム、分譲マンションや注文建築が順調な進捗
エムジーホーム <8891> [東証2]は11月10日、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表した。売上高は50億4300万円(前年同期比92.0%増)、経常利益は4億6700万円(同5.0倍)、最終利益は3億8600万円(同6.0倍)と急拡大をみせた。今回据え置いた通期予想の経常利益6億円(前期比19.5%増)に対する第2四半期累計経常利益の進捗率は78%に達しており、通期上方修正の可能性が高まっている。主力の分譲マンションや、注文建築事業が順調な進捗をみせていることが寄与している。
●兵機海運、内航事業で鋼材取扱量が増加
兵機海運 <9362> [東証2]は11月9日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を130億円から134億円(前期比7.4%増)へ、経常利益を2億5000万円から3億円(同53.1%増)へ、最終利益を1億8000万円から2億5000万円(同63.4%増)へ増額した。利益面では、内航事業で鋼材の取扱量の増加による営業効率の向上が増益に寄与した。外航事業でもロシア航路の活況などが増益に貢献している。
●ニチリン、アジア市場での拡大が業績を牽引
独立系の自動車用ホース大手のニチリン <5184> [東証2]が11月9日に発表した17年12月期第3四半期累計(1-9月)連結決算は、売上高434億7200万円(前年同期比17.8%増)、経常利益64億3300万円(同45.4%増)と大幅な増収増益となった。さらに、期末配当を従来予想の24円から26円へ引き上げ、年間配当を44円(従来予想42円)とした。主要顧客の自動車メーカーへの国内販売が回復傾向にあることに加え、海外受注も堅調に推移している。とくに、中国やタイ市場が回復したアジア事業が好調に推移し、業績を押し上げている。また、国内を中心に原価低減活動に取り組んだことも奏功している。
●ヤマダコーポ、全自動フロンガス交換機が好調推移
ヤマダコーポレーション <6392> [東証2]は、自動車整備機器・工具と給油・塗装用などを手掛ける独立系の産業機器メーカーで、11月7日に18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を93億円から97億円(前期比5.2%増)へ、経常利益を8億5000万円から12億円(同43.9%増)へ、最終利益を5億8000万円から8億円(同48.7%増)へそれぞれ増額した。外国為替市場で円相場が当初想定に比べて円安で推移していることに加え、全自動フロンガス交換機や、主力製品のダイアフラムポンプの売上高が好調に推移したことが寄与している。
●森組、建設工事の採算向上が貢献
森組 <1853> [東証2]は11月10日、18年3月期通期の単体利益予想の上方修正を発表した。経常利益を13億6000万円から22億2000万円(前期比39.5%増)へ、最終利益を10億円から14億7000万円(同26.3%増)へそれぞれ増額した。ただ、売上高は330億円(同6.0%増)で据え置いた。利益面では、建設事業での工事採算性の向上などによる完成工事粗利益の改善が貢献している。
●ソマール、スマホ向けコーティング製品が堅調
ソマール <8152> [東証2]が11月13日に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算、売上高110億900万円(前年同期比4.6%増)、経常利益5億400万円(同2.4倍)、純利益4億7300万円(同2.3倍)と大幅増益となった。スマートフォン向け電子部品製造用のコーティング製品や、その他フィルム表面加工製品が堅調に推移。また、自動車部品業界向け関連製品や電気・電子機器のセンサー用樹脂製品も国内外で好調な売れ行きで業績向上を牽引している。
●川崎近海汽船、内航部門の主要航路で荷動き活発
川崎近海汽船 <9179> [東証2]は10月31日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高は411億円から405億円(前期比8.0%増)へ小幅下方修正したものの、経常利益を16億円から22億円(同62.4%増)へ増額した。最終利益は10億円(同68.9%増)で据え置いた。内航部門の主要航路で荷動きが活発に推移したことに加え、燃料単価の下落に伴う運航費用の減少などが業績の上方修正につながった。
●グッドコムA、今期の投資用マンションの販売は12.7%増予想
グッドコムアセット <3475> [東証2]は11日、18年10月期通期の連結業績予想を発表した。売上高は102億8400万円(前期比4.6%増)、経常利益は10億3000万円(同25.6%増)、最終利益は7億2300万円(同16.6%増)とそれぞれ見込んでいる。今期は主力の東京23区内を中心とする投資用マンションの販売で、前期比12.7%増の365戸の販売を見込んでいる。また、業績好調に伴い、今期の年間配当を前期比5円増の25円に増配する方針。
●本州化学、自動車用半導体関連の電子材料が堅調
本州化学工業 <4115> [東証2]は11月14日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を185億円から189億円(前期比8.8%増)へ、経常利益を20億円から24億円(同19.8%増)へ、最終利益を10億円から12億円(同21.7%増)へ増額した。今後も自動車用特殊ビスフェノールや、半導体関連の電子材料、ビフェノールの堅調な需要が継続する見込み。
●石井表記、電子機器部品事業の収益急改善が寄与
石井表記 <6336> [東証2]は14日、18年1月期第3四半期累計(2-10月)の連結経常利益が前年同期比3.4倍の9億6700万円に急拡大したと発表した。1月に獲得した有力液晶パネルメーカー向けインクジェットコーターの大口受注の出荷が進んでいるうえに、プリント基板製造装置の販売も伸び、電子機器部品事業の収益が急改善したことが寄与している。18年1月期通期経常利益計画の10億6000万円に対する進捗率は既に91.2%に達しており、上方修正の可能性が濃厚となっている。
◆主な好業績予想・低PERの東証2部銘柄◆
経常
銘柄 <コード> 増益率 株価 PER
森組 <1853> 39.5 435 9.7
ヒラキ <3059> 28.2 1185 8.7
プロパティA <3464> 12.5 1661 8.5
グッドコムA <3475> 25.6 1400 11.8
ウェルスM <3772> 18.9 1851 7.7
本州化学 <4115> 19.8 1299 12.4
日本精蝋 <5010> 72.4 396 11.8
ニチリン <5184> 30.9 3890 8.3
トーヨアサノ <5271> 29倍 2818 9.9
高砂鉄 <5458> 28.3 920 7.3
日本精鉱 <5729> 37.2 3710 9.8
アピクヤマダ <6300> 2.3倍 582 9.6
石井表記 <6336> 2.5倍 1429 12.4
ヤマダコーポ <6392> 43.9 3135 9.4
ダイベア <6478> 35.1 799 10.7
IJTT <7315> 36.9 841 8.0
ヤギ <7460> 35.4 2496 8.2
南プラ <7887> 70.2 6210 7.5
ウェーブHD <7940> 27.9 1310 8.1
ソマール <8152> 30.3 4170 11.6
都築電気 <8157> 11.6 1075 13.1
MGホーム <8891> 19.5 1235 7.1
川崎近海 <9179> 62.4 3850 11.3
兵機海 <9362> 53.1 1761 8.2
※株価は20日終値(単位:%、円、倍)
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