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【市況】新興市場見通し:IPOラッシュが本格スタート、13日のSGHDなど10社上場

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、週半ばにかけて日経平均が弱含むとともに、外食関連などのこれまで人気だった銘柄を中心に利益確定売りが広がった。マザーズ指数は25日線を割り込む場面も見られた。しかし、週後半は日経平均が連日で300円超の大幅高となり、相場全体の地合い改善が好感されて新興市場でも押し目買いや買い戻しの動きが強まった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.0%であったのに対して、マザーズ指数は+0.0%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で0.4%高にとどまり、そーせいグループ<4565>は同7.3%安と軟調だった。ただ、サイバーダイン<7779>が同4.1%高、サンバイオ<4592>が同8.1%高となり、指数を支えた。売買代金上位では直近IPO銘柄のサインポスト<3996>が活況を見せた。また、新ソフト開発報道が材料視されたALBERT<3906>、新製品・サービスを相次いで発表したディー・ディー・エス<3782>などが週間のマザーズ上昇率上位となった。反面、前週まで人気だった串カツ田中<3547>やグレイステクノロジー<6541>などが大きく値を崩す場面があり、直近IPO銘柄のクックビズ<6558>が下落率トップだった。ジャスダック主力はセリア<2782>が同1.1%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.6%安と全般軟調だったものの、日本マクドナルドHD<2702>は同4.8%高となった。11月既存店売上高が好調だった。売買代金上位では不二精機<6400>やケイブ<3760>などが大きく買われ、テレビ朝日との資本業務提携を発表したレイ<4317>は前週末比2.3倍の大幅高となった。一方、ビーマップ<4316>や直近IPO銘柄のトレードワークス<3997>などが週間のジャスダック下落率上位だった。なお、12月7日に名証セントレックスへ上場予定だったアトリエはるかは上場延期となっている。

今週の新興市場では、12月のIPOラッシュが本格的にスタートし、新規上場銘柄に関心が向かいそうだ。マザーズ指数や日経ジャスダック平均は先週後半の戻りも軽く、個人投資家のマインドや需給は比較的良好だろう。ただ、IPOラッシュの需給面への影響を考慮すれば、マザーズ指数や日経ジャスダック平均は高値圏でのもち合いとなることが想定される。メジャーSQ(先物・オプション特別清算指数)を無事通過し、相場全体の乱高下に振らされる場面も少なくなるだろう。

今週は12月11日にシルバーライフ<9262>、12日にアセンテック<3565>、13日にSKIYAKI<3995>、サンバイオ<4592>、14日にバルニバービ<3418>、エニグモ<3665>などが決算発表を予定している。10月に上場したシルバーライフやSKIYAKIは初の決算発表となる。SKIYAKIは足元やや軟調な値動きだが、業績の伸び率が高いだけに、決算発表をきっかけに見直しの流れとなるか注目したい。

IPO関連では、12月12日上場の一家ダイニングプロジェクト<9266>及びカチタス<8919>を皮切りに計10社が新規上場する。最も注目を集めているのが13日上場のSG HD<9143>だ。同社は佐川急便等を傘下に持ち、公開規模1276億円、上場時の時価総額5187億円と今年最大のIPOとなる。ブックビルディングでは2ケタ倍に届く需要を集めたとみられ、しっかりした初値形成が期待される。

《FA》

 提供:フィスコ

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