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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「売買活発化しやすい12月」

株式評論家 富田隆弥

◆久しぶりに「SQ前の水曜日」が意識された。12月6日に日経平均株価は一時503円安となり、終値も445円安の2万2177円と急落。下値ポイントの25日移動平均線(6日2万2513円)を大きく割り込み、チャートの崩れが懸念された。ただ、翌7日に320円高の2万2498円と急反発したことで、6日の波乱は先物の清算(8日SQ)に伴う一時的なポジション調整によるものであったと推測される。

◆そして、12月7日の米国市場でNYダウナスダックが上昇し、夜間の日経平均先物が2万2620円で終えていることから、日経平均は再び25日移動平均線(7日2万2533円)を上回り、チャートの崩れをひとまず回避、11月9日高値(2万3382円)からのもみ合い圏に戻した。

◆もみ合いから上放れるならば、1991年当時の2万5000円~2万7000円を目指すことになる。それは来年相場への期待になるのだろうが、とはいえ世界の株式市場は高所にあるのでこれからも乱高下しやすく、25日移動平均線や6日の2万2119円安値など日足の下値ポイントも注視しておきたい。

◆先物の裁定取引に伴う現物買い残も3兆円と2年ぶりの高水準に膨れているほか、信用買い残も6週連続増加し2兆9886億円に拡大している。一方で外国人投資家は11月第5週に2426億円売り越し(現物+先物)と4週連続で売り越している。

◆師走の日本は投資マインドが盛り上がるところだが、アベノミクスで過去4回の12月相場は調整傾向が目立つ。外国人投資家がクリスマス休暇を前に手仕舞いに動くのが要因と思われるが、この8日に米雇用統計と米債務上限適用期限、13日にFOMC、そして地政学リスクの高まりもあり、12月相場はまだ上げ下げ忙しく動くことを想定しておく。

(12月7日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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