【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):安川電、TSIHD、大成建
安川電 <日足> 「株探」多機能チャートより
安川電機<6506>が8日続伸し連日の上場来高値更新。今月に入ってからの株価上昇率は30%に達している。先月23日に18年2月期の連結純利益を従来予想の300億円から390億円に増額修正することを発表。産業用ロボットの需要が中国向けなどに好調だ。市場には今期連結純利益は400億円前後への再増額観測があるほか、19年3月期の同利益は500億円前後との見方も出ている。株価は上昇基調を強めているが、依然、外国人投資家などの積極買いが流入しているとみられている。
■TSIホールディングス <3608> 851円 +6 円 (+0.7%) 本日終値
TSIホールディングス<3608>が反発。27日の取引終了後、欧米でストリートウエアを展開する米HUFホールディングス(カリフォルニア州)を12月14日付で買収すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。HUF社の発行済み株数のうち90%を6300万ドル(約70億円)で取得する。「HUF」は、米国や欧州を中心に約30カ国でブランドを展開しており、国内ではTSIHD子会社のジャックが15年から販売代理店として展開している。今回の買収により、TSIグループの事業ノウハウを積極的に投入することで、従来以上に国内およびアジアの展開を加速させる方針のようだ。なお、18年2月期業績への影響は現在精査中としている。
■大成建設 <1801> 6,020円 +40 円 (+0.7%) 本日終値
大成建設<1801>、大林組<1802>、鹿島<1812>など大手ゼネコン株が買われているほか、他の建設株全般も総じて買い優勢となった。政府は建設国債なども発行して財源を確保し、2017年度の補正予算案の追加歳出を2兆円台後半にする検討に入ったことが一部メディアを通じて伝わっている。そのなか、防災対策や土地改良などの公共投資に前向きに取り組む構えにあることで、ゼネコンをはじめとする建設セクターの収益環境に追い風になるとの思惑が広がっているようだ。
■マンダム <4917> 3,730円 +20 円 (+0.5%) 本日終値
マンダム<4917>がしっかり。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を3450円から4200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、「女性化粧品」と「ルシード」の成長による国内事業の堅調や、アジア圏でメークと連動するクレンジング市場の拡大を享受すること、さらに、安定した利益成長と配当性向40%方針にもとづく増配などを評価。18年3月期の営業利益予想を82億6000万円から87億円へ、19年3月期を同88億1000万円から92億9000万円へ、20年3月期を同94億8000万円から99億9000万円へそれぞれ上方修正している。
■イーエムシステムズ <4820> 2,460円 +6 円 (+0.2%) 本日終値
EMシステムズ<4820>が続伸。岩井コスモ証券は27日、同社株の目標株価を2300円から2850円に引き上げた。投資判断は「A」を継続した。同社は調剤薬局向けレセプト(診療報酬明細書)コンピュータの開発販売大手。第2四半期(4~9月)の連結営業利益は前年同期比31%増の15億900万円だった。主力の調剤システム事業などの売り上げが順調に増加。18年3月期の連結営業利益は、会社予想26億円に対して28億円(前期比8%増)と増額修正を予想。同証券では、医療ICT(情報通信技術)化における成長企業として評価している。
■トヨタ自動車 <7203> 7,038円 +12 円 (+0.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など大手自動車株が頑強な値動き。外国為替市場でドル売り・円買いの動きが加速し一時1ドル=110円台に入る円高に振れたが、最も為替感応度の高い自動車セクターの底堅さが目立っている。トヨタの今期の想定為替レートは11月7日の上期決算発表日に1ドル=111円に修正されたが、実勢はそれより円高に傾きつつある。当然ながら、これ以上の円高は業績下方修正要因として警戒されるところだが、市場では「円高は採算面で影響が出るものの、それ以上に、好調な米国経済が自動車販売需要を支えるとの見方が強いのではないか。また、株式需給面では以前のように為替にリンクさせたアルゴリズムのインデックス的な売りプログラムが組まれていないことが挙げられる」(準大手証券)としている。
■沢井製薬 <4555> 5,380円 -530 円 (-9.0%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
27日、沢井製薬 <4555> が500万株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限90万株の第三者割当増資を実施するほか、自己株処分による100万株の株式売り出しを行うと発表したことが売り材料。新株発行が最大で発行済み株式数の約15.5%におよぶ規模とあって、株式価値の希薄化や株式の需給悪化を懸念する売りが向かった。発行価格は12月5日から8日までのいずれかの日に決定。最大で約394億万円の調達資金については、短期借入金の返済の一部に充てる。
■東京エレクトロン <8035> 22,280円 -650 円 (-2.8%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が一時1000円を超える下げをみせたほか、ディスコ<6146>、SCREENホールディングス<7735>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連株が総じて売り込まれた。前日の米国株市場ではインテルやエヌビディア、ザイリンクスといった半導体関連株が売られて全体相場の足を引っ張った。証券会社のリポートをきっかけに半導体需要先行きに対する弱気な見方が一部で浮上、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数も1.3%安と反落しており、この流れが東京市場にも波及する格好となった。
株探ニュース