【市況】新興市場見通し:ミクシィなど主力銘柄の決算相次ぐ、11月IPOはBB期間に
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
先週の新興市場では、日経平均が引き続き強い動きを見せるなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均も上昇した。中小型株への本格的な資金シフトはなお見られないが、良好な市場環境が追い風となった。日経ジャスダック平均は連日で年初来高値を更新し、マザーズ指数も取引時間中としては8月初め以来となる1150pt回復を窺う場面があった。ただ、週後半には3連休を控え利益確定売りが広がった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.4%であったのに対して、マザーズ指数は+1.6%、日経ジャスダック平均は+0.5%だった。
個別では、マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が週間で8.4%高となり、指数をけん引した。マザーズではバイオ株の上昇が比較的目立った。ただ、ミクシィ<2121>は同0.9%高と引き続き上値が重い。PKSHA Technology<3993>は目先調整で4.0%安となった。売買代金上位では串カツ田中<3547>などが大きく買われ、塩野義製薬<4507>との資本業務提携を発表したUMNファーマ<4585>が週間のマザーズ上昇率トップだった。反面、直近IPO銘柄のSKIYAKI<3995>などは利益確定売りがかさみ、業績予想を下方修正したベガコーポレーション<3542>が下落率トップとなった。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同7.7%高となるなど全般堅調だったが、上期決算を発表したセリア<2782>は材料出尽くし感から同3.1%安となった。売買代金上位では、業績予想を上方修正したシライ電子工業<6658>やテクノホライゾン・HD<6629>が活況を見せ、SAMURAI&J PARTNERS<4764>が週間のジャスダック上昇率トップだった。一方、Nuts<7612>やYKT<2693>などが利益確定売りに押され、ヒーハイスト精工<6433>が下落率トップとなった。IPOでは、10月31日に東証2部へ上場したCasa<7196>が公開価格をやや上回る初値形成となった。
今週の新興市場は、短期的な調整を挟みつつもしっかりした展開が続きそうだ。急ピッチの上昇が続く日経平均には過熱感もあるが、先高感の根強さから底堅く推移するとみられる。決算発表シーズンが続き市場の関心が大型株に向かいやすいものの、相場全体の良好な地合いが中小型株の買い安心感にもつながるだろう。
今週は、11月6日に夢真HD<2362>、7日にグレイステクノロジー<6541>、8日にミクシィ、日本マクドナルドHD<2702>、エン・ジャパン<4849>、9日にUTグループ<2146>、PKSHA、そーせいグループ、日特エンジニアリング<6145>、ハーモニック、10日にテックファームHD<3625>、じげん<3679>、フリークアウト・HD<6094>、中村超硬<6166>などが決算発表を予定している。新興市場でも主力・準主力級銘柄の決算発表が相次ぎ、物色の手掛かり材料となるだろう。直近IPO銘柄のPKSHAは上場後初の決算発表となる。
IPO関連では、11月上場案件が次々にブックビルディング(BB)期間に入る。11月9日までサインポスト<3996>のBB期間となっているほか、9日からポエック<9264>とトレードワークス<3997>、10日から幸和製作所<7807>とクックビズ<6558>が新たにBB期間となるため、需要動向を注視したい。なお、先週はアトリエはるか<6559>(12月7日、名証セントレックス)の新規上場が発表されている。
《HK》
提供:フィスコ