【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):MSジャパン、神戸鋼、アウトソシン
MSジャパン <日足> 「株探」多機能チャートより
MS-Japan <6539> [東証M]が急反発し、上場来高値を更新した。1日、15万株の立会外分売を実施すると発表したことが買い材料視された。同社は16年12月にマザーズへ上場したが、東証1部への市場変更を目指している。今回の立会外分売はその形式要件である流通株式比率の充足を図ることを目的。なお、予定期間は11月17日から22日まで。発表を受けて、1部市場変更に期待する買いが向かった。さらに、同時に発表した18年3月期上期(4-9月)の経常利益(非連結)は前年同期比30.4%増の6億円に拡大し、従来予想の5億円を上回って着地したことも支援材料となった。会計事務所や税理士法人など専門的な組織への人材紹介の好調が続いたうえ、一般企業の管理部門への紹介も伸びたことが収益を押し上げた。
■富士急行 <9010> 2,842円 +322 円 (+12.8%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
富士急行 <9010> が急反騰し、年初来高値を更新した。1日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比19.4%増の41億円に伸びて着地したことが買い材料視された。遊園地を中心とするレジャー・サービス業が収益を牽引した。富士急ハイランドでリニューアルしたジェットコースター「ド・ドドンパ 」、さがみ湖リゾートプレジャーフォレストでは新設したアスレチックアトラクション「マッスルモンスター」が好評だった。イベント実施や飲食店改装なども奏功し、客数を伸ばした。
■シーティーエス <4345> 900円 +95 円 (+11.8%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
1日、シーティーエス <4345> が18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の5.1億円→6.7億円に30.7%上方修正。増益率が8.2%増→41.4%増に拡大し、従来の2期連続での上期の過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。主力の建設ICT事業において積極的な新規顧客開拓などが奏功し受注が好調で、売上が計画を上回ったことが寄与。コスト抑制も利益を押し上げた。上期業績の上振れに伴い、通期の経常利益も従来予想の12.8億円→14.4億円に12.5%上方修正。増益率が13.3%増→27.4%増に拡大し、従来の7期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。業績好調に伴い、今期配当を従来計画の7円→9円に増額修正したことも支援材料となった。
■テイ・エス テック <7313> 4,495円 +365 円 (+8.8%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
テイ・エス テック <7313> が続急伸し、連日で上場来高値を更新した。同社は1日に、18年3月期の連結税引き前利益を従来予想の415億円→450億円に8.4%上方修正。増益率が15.9%増→25.7%増に拡大し、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。中国を中心とした主要顧客先であるホンダからの受注台数の増加や機種構成の良化が収益を押し上げる。生産合理化や円安効果も利益拡大を後押しする。なお、下期の想定為替レートは1ドル108円と前回発表予想を据え置いた。
■神戸製鋼所 <5406> 1,084円 +87 円 (+8.7%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
神戸製鋼所<5406>が5日続伸。同社が先月31日に発表した不適切行為にかかる「安全性検証状況」の内容で安全性に問題なしと判断する顧客企業が多かったことから、買い安心感が広がっている。また、同30日の決算発表では、不適切行為の影響など考慮し18年3月通期の業績予想は営業利益などを減額したが、第2四半期時点では上方修正している。貸借倍率は0.5倍と売り長状態にあり、信用売り方の買い戻しも流入している様子だ。
■アウトソーシング <2427> 1,709円 +132 円 (+8.4%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
アウトソーシング<2427>が大幅高で連日の上場来高値を更新。同社は製造現場への人材派遣や請負を主力に展開するが、高水準の求人需要を背景に業績は好調に推移している。海外もM&Aを軸に積極展開して収益に反映させている。1日取引終了後に発表した17年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算は売上収益が1655億1500万円(前年同期比77.4%増)、営業利益は68億5700万円(同73.8%増)、最終利益は34億2000万円(同2.4倍)といずれも高水準の伸びを示しこれが好感される格好となった。
■石原産業 <4028> 1,812円 +134 円 (+8.0%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
1日、石原産業 <4028> が18年3月期上期(4-9月)の連結最終損益を従来予想の2億円の赤字→24億円の黒字(前年同期は7.9億円の赤字)に上方修正。従来の赤字予想から一転して黒字に浮上を見込み、3期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。主力の酸化チタンが中国で環境規制強化により減産が相次いだことで需給が引き締まる中、販売が大きく伸びたことが寄与。円安による為替差損益の改善や無機化学事業でのコスト削減も黒字転換に貢献した。修正した上期予想が通期計画の24億円にすでに達しており、通期業績の上振れを期待する買いが向かった。
■レーザーテック <6920> 2,665円 +181 円 (+7.3%) 本日終値
レーザーテック<6920>が大幅高で6連騰、上場来高値圏を舞い上がる展開となった。半導体関連企業を取り巻く環境はスマートフォンの高機能化や自動車の電装化、データセンターの増設需要などを背景として極めて良好。半導体向けマスク関連装置などを展開する同社もこの恩恵を大きく享受している。既存のEUVマスク検査装置、CMOSイメージセンサー検査装置への引き合いが旺盛、商品競争力が高く9月下旬には約160億円規模の新製品受注に成功したことも開示している。また、同社が有するレーザー技術は、量子コンピューター分野でも今後注目される可能性があり、成長材料は多い。18年6月期業績予想は営業利益段階で前期比微増の50億円を見込むが、保守的で市場では上振れの可能性を指摘する声も出ている。
■能美防災 <6744> 2,035円 +108 円 (+5.6%) 本日終値
能美防災 <6744> が続急伸。1日、18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の20.5億円→31億円に51.2%上方修正し、減益率が43.6%減→14.7%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。同社はセコム傘下の総合防災機器大手。堅調な市場環境を背景に火災報知器などの販売が好調に推移する中、継続的な原価低減の取り組みが奏功し、採算が大きく改善する。なお、通期の経常利益は従来予想の104億円(前期は104億円)を据え置いた。
■サンケン電気 <6707> 746円 +37 円 (+5.2%) 本日終値
サンケン電気<6707>が続伸、10月26日に年初来高値760円をつけたが、その後は売り物に押されていた。目先買い直されて5日移動平均線を再び上回ってきた。半導体素子を手掛けており、旺盛な需要に支えられ業績は好調。18年3月期は最終利益段階では事業構造改革費用の計上に伴い137億円の損失(従来予想25億円の黒字)となる見込みだが、これは一過性のもの。一方で、白物家電向けデバイスや為替の円安効果などが収益に反映され、本業のもうけを示す営業利益は従来予想の73億円から100億円に大きく上方修正している。また、同社はパワー半導体分野に強みを持っており、電気自動車(EV)市場の拡大やIoT時代に対応したデータセンター増設の動きが追い風となっている。
株探ニュース