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【特集】上値慕いが止まらない、最新有望「通期増額銘柄」リストアップ <株探トップ特集>

ロンシール <日足> 「株探」多機能チャートより

―週明け東京市場は売り買い拮抗も好決算には好反応、3月期上方修正銘柄に照準―

 週明け30日の東京株式市場は、前週末に日経平均株価が2万2000円台に乗せた達成感もあり、売り買いが拮抗する展開となった。終値は、前週末比3円22銭高の2万2011円67銭と小幅ながら3日続伸した。そのなか、佳境を迎えている決算発表には敏感な反応をみせる銘柄も多い。そこで、4-9月期決算発表に伴って、18年3月期通期の経常利益を上方修正した銘柄に注目した。

●マクニカ富士、車載や産業機器市場向けが好調推移

 独立系の半導体商社大手のマクニカ・富士エレホールディングス <3132> は23日、18年3月期通期の連結業績予想について、売上高を4200億円から4700億円(前期比17.9%増)へ、経常利益を110億円から134億円(同39.1%増)へそれぞれ上方修正した。第2四半期連結累計(4-9月)期間では、国内外のサーバ、ストレージ向けが拡大したことに加え、車載や産業機器市場向けも伸長したことが寄与した。通期の業績では、国内コンピューター市場向けビジネスが一部終息するものの、車載や産業機器市場向けが引き続き好調に推移すると予想され、またネットワーク事業の持ち直しも見込まれる。

●宇部興、ナイロン原料価格のスプレッド改善が寄与

 宇部興産 <4208> は26日、18年3月期通期の連結業績予想について、経常利益を380億円から450億円(同34.9%増)へ、純利益を245億円から290億円(同19.9%増)へそれぞれ上方修正した。ナイロン原料カプロラクタムのスプレッド(製品と主原料の値差)改善や、合成ゴムの原料価格高騰の売り値への転嫁などにより、営業利益以下を上方修正している。ただ、原料価格の低下などに伴い、売上高は7000億円から6850億円(前期比11.1%増)へ下方修正した。

●ロンシール工、生産の効率化やコスト削減などが貢献

 合成樹脂加工による防水シート、床材が主力のロンシール工業 <4224> [東証2]は26日、18年3月期通期の連結業績予想の修正を発表した。売上高は従来予想の208億円に対して207億7000万円(前期比1.0%減)とほぼ計画通りとなる見込みだが、生産の効率化やコスト削減などの諸施策が寄与し、利益は上振れる見通し。経常利益は18億円から20億1000万円(前期比19.6%減)へ、純利益を12億円から13億5000万円(同21.5%減)へ上方修正した。

●東北鋼、自動車および半導体業界向けが好調推移

 東北特殊鋼 <5484> [JQ]は27日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を191億円から201億円(前期比7.4%増)へ、経常利益を16億3000万円から20億9000万円(同11.0%減)へそれぞれ増額した。売上高については、自動車および半導体業界向けが好調に推移している。利益についても、売上増に伴う利益の増加に加え、内製化や歩留り向上をはじめとした原価低減活動の推進、為替換算上の影響などが寄与している。

●東邦鉛、亜鉛・鉛の金属価格上昇により在庫評価益が拡大

 東邦亜鉛 <5707> は24日、18年3月期通期の連結業績予想の増額修正を発表した。売上高は1180億円から1250億円(前期比9.7%増)へ、経常利益を70億円から105億円(同16.3%減)へそれぞれ増額した。亜鉛・鉛の金属価格が想定を上回ったことにより、製錬事業や資源事業の収益が上振れしたこが増収要因となったほか、金属価格の上昇により在庫評価益が計上されたことなどが利益押し上げ要因となっている。

●日精鉱、難燃助剤用アンチモンなどの販売が好調推移

 日本精鉱 <5729> [東証2]が25日、18年3月期通期の連結業績予想を上方修正した。売上高を130億円から140億円(前期比21.6%増)へ、経常利益を10億円から13億1000万円(同37.2%増)へそれぞれ増額した。主力の難燃助剤用アンチモン、電子部品向け金属粉末の販売がともに好調に推移した。

●タカラトミー、国内市場の玩具販売好調などで8期ぶりに最高益更新

 タカラトミー <7867> は27日、18年3月期通期の連結業績予想を上方修正した。売上高1700億円を1770億円(前期比5.6%増)へ、経常利益80億円を115億円(同47.0%増)へそれぞれ増額した。売上高は、国内市場での玩具販売や「トランスフォーマー」、「ベイブレードバースト」の海外向け輸出が好調に推移したことなどが寄与している。通期業績上方修正により、10年3月期以来8期ぶりに経常利益が過去最高益を更新する見通しとなった。

●加賀電子、電子機器向けEMSビジネスなど好調

 加賀電子 <8154> は25日、18年3月期通期の連結業績見通しの上方修正を発表した。売上高を2300億円から2320億円(前期比2.1%増)へ、経常利益を75億円から82億円(同11.7%増)へそれぞれ増額した。主力事業の電子機器向けEMS(受託製造サービス)ビジネスや、半導体および住宅向け関連商材などの販売が好調に推移したことが寄与している。

◆主な18年3月期通期経常利益上方修正銘柄◆
              修正前  修正後
銘柄 <コード>        利益   利益  増益率   株価  PER
マクニカ富士 <3132>     11000  13400   39.1   2319  14.1
宇部興 <4208>        38000  45000   34.9   3480  12.5
ロンシール <4224> [東証2]  1800   2010  ▼19.6   2622   9.0
ニッタ <5186>        10100  11350   17.5   4680  15.2
東北鋼 <5484> [JQ]     1630   2090  ▼11.0   2164  11.1

東邦鉛 <5707>         7000  10500  ▼16.3   5550  8.4
日精鉱 <5729> [東証2]    1000   1310   37.2   3705   9.8
浅香工 <5962> [東証2]    100   120    2.7倍  1919  24.6
ニッキ <6042> [東証2]    630   740   26.7   2679   9.7
Tスマート <6246> [東証2]  1200   1400   35.7   1770  19.7

GMB <7214>         1700   2300   ▼9.7   1953   7.5
タカラトミー <7867>      8000  11500   47.0   1805  24.2
加賀電子 <8154>        7500   8200   11.7   3325  14.5

※株価は30日終値(単位:100万円、%、円、倍)

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