【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):シャープ、東エレク、山パン
シャープ <日足> 「株探」多機能チャートより
シャープ<6753>が大幅続伸。前週末27日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、営業利益を900億円から930億円(前期比48.9%増)へ、最終損益を590億円から690億円(前期248億7700万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。売上高は2兆5100億円(前期比22.4%増)で据え置いたものの、中小型液晶パネルが好調に推移していることに加えて、液晶テレビの販売増などが牽引役となり、9月中間期業績は計画を上振れて着地しており、足もとの好業績を反映させた。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1兆1151億6500万円(前年同期比21.3%増)、営業利益405億6200万円(同513.4倍)、最終損益347億3900万円の黒字(前年同期454億2000万円の赤字)で、営業利益は従来計画の370億円を上回った。
■東京エレクトロン <8035> 19,630円 +135 円 (+0.7%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が3日続伸で新値街道を走っており、2000年5月につけた上場来高値2万90円奪回を視野に入れている。また、シリコンウエハーを手掛けるSUMCO<3436>は大幅高で8連騰、2015年3月の戻り高値2458円を上抜き、リーマン・ショック前の2008年7月以来、9年ぶりの高値更新を果たした。このほか、ディスコ<6146>、SCREENホールディングス<7735>、信越化学工業<4063>、トクヤマ<4043>など半導体関連株が軒並み値を飛ばしている。米国ではインテルの好決算を受け同社株や他の半導体関連株が総花的に買われ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2%超の上昇をみせ2000年以来の最高値圏を走っている。ビッグデータの普及加速でデータセンター不足に対応した増設の動きが強まっており、半導体需要は旺盛。東京市場でも上値余地を見込んだ海外マネーの流入が関連銘柄を押し上げている。
■日本瓦斯 <8174> 3,380円 -295 円 (-8.0%) 本日終値 東証1部 下落率6位
27日に決算を発表。「上期経常は66%減益で着地、今期配当を4円増額修正」が嫌気された。日本瓦斯 <8174> が10月27日大引け後(15:00)に決算を発表。18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比65.5%減の15.9億円に大きく落ち込み、通期計画の105億円に対する進捗率は15.2%にとどまり、5年平均の28.2%も下回った。同時に、今期の年間配当を従来計画の38円→42円(前期は34円)に増額修正した。
⇒⇒日本瓦斯の詳しい業績推移表を見る
■エス・エム・エス <2175> 3,440円 -265 円 (-7.2%) 本日終値 東証1部 下落率9位
エス・エム・エス<2175>が大幅反落。前週末27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高131億6200万円(前年同期比9.8%増)、営業利益21億4600万円(同7.1%減)、純利益18億5900万円(同0.9%増)と営業減益だったことが嫌気された。キャリア関連事業の拡大や介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」の会員拠点数増加などで売上高は伸長したものの、好調な介護キャリア事業で採用の強化などの投資を増やしたことで、営業利益は減益を余儀なくされたとしている。なお、18年3月期通期業績予想は、売上高278億400万円(前期比20.6%増)、営業利益43億7800万円(同20.1%増)、純利益33億9600万円(同21.3%増)の従来見通しを据え置いている。
■トッパン・フォームズ <7862> 1,179円 -69 円 (-5.5%) 本日終値
トッパン・フォームズ<7862>が大幅続落。前週末27日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を2700億円から2400億円(前期比6.9%減)へ、営業利益を110億円から70億円(同26.1%減)へ、純利益を65億円から32億円(同45.5%減)へ下方修正したことが嫌気された。国内のビジネスフォームやビジネスプロセスアウトソーシング、海外子会社が減収となる見通しとなったことに加えて、成長を見込んでいたデータ・プリント・サービスやデジタルソリューションなどの拡大が限定的にとどまる見通しであることが要因。また、人件費の上昇なども利益を圧迫したとしている。同時に、低消費電力ながら長距離伝送できる通信方式LoRaを活用したIoTソリューションを、エネルギーや介護の分野で提供するMTES社(東京都中央区)が実施する第三者割当増資の一部を引き受け、資本参加すると発表したが、これを材料視する動きは限定的のようだ。
■山崎製パン <2212> 2,050円 -109 円 (-5.1%) 本日終値
山崎製パン<2212>が大幅反落、前週末27日の取引終了後、17年12月期の連結業績予想について、売上高は1兆510億円(前期比0.9%増)で据え置いた一方、営業利益を370億円から306億円(前期比13.0%減)へ下方修正したことが嫌気された。一部の子会社の業績不振に加えて、人件費や物流費の増加が利益を押し下げた。ただ、最終利益は固定資産の譲渡益を計上したことから、197億円から244億円(同34.3%増)へ上方修正した。また、最終利益の上方修正に伴い、従来は普通配当18円を予定していた期末一括配当について、普通配当20円、創業70周年の記念配当3円の合わせて23円を実施すると発表したが、これに対する反応は限定的のようだ。なお、前期実績の18円に対しては5円の増配となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計決算は、売上高7787億8200万円(前年同期比0.8%増)、営業利益219億8200万円(同15.1%減)、最終利益134億5500万円(同7.3%増)だった。
■ウォンテッドリー <3991> 6,850円 -300 円 (-4.2%) 本日終値
27日、東証と日証金がウォンテッドリー <3991> [東証M]について30日売買分から信用取引に関する臨時措置を実施すると発表したことが売り材料。東証は委託保証金率を現行の30%以上→50%以上(うち現金を20%以上)に、日証金も同様に貸借取引自己取引分などの増担保金徴収率を現行の30%→50%(うち現金を20%)とする。信用規制による人気離散を警戒した売りが向かった。
■リコー <7752> 1,128円 -48 円 (-4.1%) 本日終値
リコー<7752>が大幅続落。27日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、営業利益を180億円から100億円(前期比70.5%減)へ、最終損益を30億円の黒字から70億円の赤字(前期34億8900万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。構造改革の進展や為替の影響で、売上高は2兆円から2兆400億円(前期比0.5%増)へ上方修正したが、経営再建中のインド子会社に対する追加の財政支援を打ち切るのに伴い、今後発生が想定される損失300億円を見込んだことなどで、営業利益以下を下方修正するという。支援を打ち切るのは現地販売会社のリコーインド。リコーインドを巡っては、15年11月に監査法人の指摘を受けて、不正行為の兆候が発覚。これを受けてリコーでは、17年3月期に69億円の損失を計上していた。リコーではこれまで再発防止策などの支援を行い、増資の引き受けなどの財政支援を行ってきたが、業績が改善しないうえ、主要取引先との関係も悪化。今年10月には現地主要取引先が現地裁判所にリコーインドの2度目の会社更生手続きの開始を申し立てていた。このため、グループ全体の損失を限定するために、今後の追加支援を行わないことを決定したという。
■ヒップ <2136> 1,414円 +300 円 (+26.9%) ストップ高 本日終値
ヒップ<2136>が急騰、年初来高値を約1カ月半ぶりに大幅更新した。時価は2007年以来約10年ぶりの高値圏。機械や電子設計など開発系技術者派遣を手掛け、半導体業界や自動車業界向けなどで高水準の人材ニーズを取り込んでいる。取引先にデンソーテクノやパナソニックグループなどを有しており、ここ数年来の成長は目を見張る。きょうの急騰後でもPERは13倍台に過ぎず、株価指標面からも一段の上値余地を示唆している。
■日ダイナミク <4783> 995円 +150 円 (+17.8%) ストップ高 本日終値
27日、日本コンピュータ・ダイナミクス <4783> [JQ]が18年3月期の連結経常利益を従来予想の6億円→7.9億円に31.7%上方修正。増益率が80.2%増→2.4倍に拡大し、従来の10期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。上期に自治体向け駐輪場運営システムの大型案件を獲得したほか、駐輪場利用料収入が伸びることが寄与。ITサポート&サービス事業の拡大で先行投資費用の回収が進み、採算が急改善することも上振れに貢献する。
●ストップ高銘柄
エイチワン <5989> 1,600円 +300 円 (+23.1%) ストップ高 本日終値
セメダイン <4999> 880円 +150 円 (+20.6%) ストップ高 本日終値
サムライJP <4764> 3,450円 +500 円 (+17.0%) ストップ高 本日終値
など、10銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース