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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

倉庫精 <日足> 「株探」多機能チャートより

■倉庫精 <3578>  294円 (+80円、+37.4%) ストップ高

 倉庫精練 <3578> [東証2]が連日のストップ高。16日の取引終了後に発表した中期経営方針で、21年3月期に営業損益で1億3000万円の黒字(18年3月期予想5800万円の赤字)を目指すとしており、意欲的な中計との評価が高まったようだ。中計では、5月に親会社となった丸井織物(石川県・中能登町)との連携強化によるグループ総合力を高め、すべての素材(織物・ニットなど)が提案対応できる高収益ミルコンバーターヘの革新を志向。あわせて工場設備のフル活用による納期対応力のアップと限界利益の増加を目指すという。また、早期の復配も目指すとしている。

■Tホライゾン <6629>  360円 (+80円、+28.6%) ストップ高

 テクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]がストップ高。16日の取引終了後、連結子会社タイテック グラフインカンパニーが、米エヌビディア社の人工知能(AI)スーパーコンピュータモジュール「Jetson TX1&TX2」に対応した組み込みプラットフォーム「GT-X1・X2」を販売したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。新製品は、高度な画像処理が可能で、ディープラーニングを用いたユーザシステムの開発や検証、自律ロボット制御システム、各種画像処理システムなどに最適な組み込みプラットフォーム。今後は、顧客独自のカスタム要求や量産供給にも対応し、ユーザの要望に応じてシステム構築して販売するとしている。

■エディア <3935>  1,448円 (+300円、+26.1%) ストップ高

 エディア <3935> [東証M]がストップ高。同社はゲームアプリの開発・運営を行っているが、高利益率のスマートフォン向けゲームが好調に推移している。16日取引終了後にアエリア <3758> と女性をターゲットにした位置情報ゲームを開発運営する合弁会社を設立したことを発表、これを手掛かり材料に投機資金が流入する格好となった。

■サムライJP <4764>  3,285円 (+500円、+18.0%) ストップ高

 SAMURAI&J PARTNERS <4764> [JQG]が3日連続となるストップ高に買われ、年初来高値を連日更新した。16日、投資銀行事業とクラウドファンディング事業を展開するAIP証券を買収し、同事業分野へ参入すると発表したことが買い材料視された。AIP証券の全株式を4.7億円で取得し、完全子会社化する。併せて、筆頭株主の藤澤信義氏ら2名を引受先とする29万4000株の第三者割当増資を実施すると発表。調達する6.9億円はAIP証券の株式取得費用などに充てる。発表を受けて、金融・投資分野への新規参入による業績回復に期待する買いが殺到した。

■旭化学 <7928>  776円 (+100円、+14.8%) ストップ高

 旭化学工業 <7928> [JQ]が8連騰、連日で年初来高値を更新した。株価は一時3日連続となるストップ高に買われ、11年2月以来となる700円台復帰を果たした。同社は12日大引け後に決算を発表。17年8月期の連結経常損益は1億2200万円の黒字(前の期は6700万円の赤字)に浮上して着地。続く18年8月期の同利益は前期比39.3%増の1億7000万円に拡大する見通しとしており、好業績を評価する買いが続いた。同社は電動工具や自動車部品向けを中心に工業用樹脂の成形・加工を手掛ける。前期は国内や中国での受注が増加し、3期ぶりに黒字を達成した。今期も受注増加基調が続く見込みで、2期連続の増収増益を狙う。業績好調に伴い、前期の年間配当を3円→4円(前の期は3円)に増額し、今期も前期比3円増の7円に大幅増配する方針としたことも支援材料となっている。

■メドレックス <4586>  777円 (+100円、+14.8%) ストップ高

 メドレックス <4586> [東証M]がストップ高。同社は16日、米国で開発中の「MRX-10XT」(オキシコドンテープ剤)について、同国で第1相臨床試験を開始したと発表。これが材料視されたようだ。米国では、オキシコドン(中枢性鎮痛薬)をはじめとする強い鎮痛作用を持つオピオイド鎮痛剤が大きな市場を形成しているが、一方でオピオイド鎮痛剤の乱用から14年には200万人が薬物依存に陥るなど社会問題化している。同社はオピオイド貼付剤における乱用および誤用事故の抑制・防止を目的として、独自の新たな経皮吸収型製剤技術AMRTSを開発しており、この技術を用いたMRX-10XTは、より安全で安定した疼痛管理をもたらすものとして期待されている。

■ダイハツデ <6023>  825円 (+87円、+11.8%) 一時ストップ高

 ダイハツディーゼル <6023> [東証2]が3日続急騰。16日、同社が18年3月期の連結経常利益を従来予想の24億円→35億円に45.8%上方修正。従来の30.3%減益予想から一転して1.7%増益見通しとなったことが買い材料視された。売上は計画を下回るものの、想定以上の円安進行による採算改善や為替差損益の好転が利益を押し上げる。16日終値ベースの予想PERが15.7倍→9.8倍に急低下し、割安感が強まったことも買いに拍車を掛けた。

■北川精機 <6327>  608円 (+63円、+11.6%) 一時ストップ高

 北川精機 <6327> [JQ]が3日ぶり急反騰。前週12日にストップ高となった後調整を入れたが、改めて投機資金が流入し再び値幅制限いっぱいまで買われた。同社はプリント基板真空プレス機などを展開し、CCL成形用真空大型プレスでは世界トップシェアを誇る。スマートフォンの高機能化や電気自動車(EV)の普及加速でプリント基板市場に成長期待が高まっており、収益環境は追い風が強い。18年6月期営業利益は前期比横ばいの4億2000万円を計画するが、保守的で市場では上振れの可能性が指摘されている。無配ながら、30%を超える高ROEは注目される。

■LINK&M <2170>  771円 (+42円、+5.8%)

 東証1部の上昇率7位。リンクアンドモチベーション <2170> が大幅反発。東海東京調査センターが16日付で投資判断「アウトパフォーム」を継続しつつ、目標株価を950円から990円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは、企業において「働き方改革」への対応が強まるなかで、今期は需要が増加すると予想。17年12月期の営業利益予想を36億9000万円から39億円(会社計画33億円)へ、18年12月期を同43億8000万円から46億円へ上方修正している。

■ベルーナ <9997>  1,304円 (+62円、+5.0%)

 ベルーナ <9997> が大幅に4日続伸。16日に発表した9月売上高は前年同月比22.9%増に拡大しており、これを好材料視する買いが向かったようだ。月次ベースの前年比プラスは14ヵ月連続となった。9月はグランベルホテルの売上増加と不動産売却があった。その他事業の売上が2倍に膨らんだ。また、主力の総合通販事業が9.9%増と好調だったほか、専門通販事業、店舗販売事業、ソリューション事業は2ケタ増収を達成した。

■田中化研 <4080>  2,394円 (+109円、+4.8%)

 田中化学研究所 <4080> [JQ]、古河電池 <6937> 、オハラ <5218> 、ステラ ケミファ <4109> 、新日本電工 <5563> などリチウムイオン電池関連に位置づけられる銘柄群に買いが流入した。中国では政府が電気自動車(EV)産業の育成に本腰を入れ始め、ガソリン車廃止の検討も始めている。また前週11日には欧州でも動きが出ており、EUの執行機関である欧州委員会が、EV用電池の欧州企業による大量生産に向け18年2月にロードマップを策定する方針を発表するなど世界的にEVシフトが強まっている。これを受けて、東京市場も車載用リチウムイオン電池で商機をつかむ銘柄群に物色の矛先が改めて向いている状況だ。

■CKD <6407>  2,428円 (+109円、+4.7%)

 省力・自動機械大手のCKD <6407> が大幅反発し、連日で上場来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が16日付で同社の投資判断「オーバーウエイト(強気)」、目標株価2700円に新規設定したことが買い材料視された。リポートでは、半導体製造装置市場拡大と海外展開本格化により、成長企業へ変貌を遂げると指摘。同社は3D NANDが牽引する半導体製造装置市場の成長の取り込みが可能であると評価。海外事業はアジア、欧米の各地域で高い成長ポテンシャルを持つと考えている。

■ツガミ <6101>  1,149円 (+43円、+3.9%)

 ツガミ <6101> が大幅続伸、16日は商い急増のなか大きく買われ年初来高値を更新したが、17日もその勢いが継続し一時5%を超える上昇をみせた。精密工作機械が旺盛な中国の設備投資需要などを捉え業績絶好調、16日の後場取り引き開始前に18年3月期第2四半期連結業績予想の上方修正を発表、売上高を240億円から273億8000万円(前年同期比48.8%増)へ、営業利益を27億円から33億5000万円(同2.3倍)に大幅増額したが、それ以上に市場の耳目を集めたのが積極的な株主還元策だ。18年3月期の配当を従来予想の16円から18円に増額したほか、発行済み株数の15.28%に相当する約991万株を20日付で消却することを発表し、需給改善策として非常にインパクトの大きい買い材料となった。

■豊和工業 <6203>  2,678円 (+82円、+3.2%)

 豊和工業 <6203> が大幅高に買われたほか、重松製作所 <7980> [JQ]がストップ高、興研 <7963> [JQ]も一時2600円台をつけるなど防衛関連株の一角に投機資金が集中した。市場では「北朝鮮は米韓合同演習の開始に合わせての弾道ミサイル発射実験は見送ったが、18日からの中国共産党大会に合わせて時間差でやってくる可能性が指摘されている。ただ、石川製などは上値が重く、全体相場もリスクオフの流れではない。需給優先で個別の値動きの良いものについていく短期材料株物色の一環とも捉えられる」(国内大手ネット証券)という見方が出ていた。

■SUMCO <3436>  1,906円 (+53円、+2.9%)

 SUMCO <3436> が反発したほか、信越化学工業 <4063> も買われた。米国では半導体関連株の上昇相場が続いており、16日もインテルやマイクロソフト、エヌビディアなどが買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸で2001年以降の最高値を更新した。海外資金の東京市場回帰では相対的に出遅れる半導体関連株にも買いが向かったもようで、そのなか半導体素材メーカーであるSUMCO、信越化ともに年初来高値には届いてないことでリターンリバーサル狙いの対象として浮上した。

■マツキヨHD <3088>  8,100円 (+210円、+2.7%)

 マツモトキヨシホールディングス <3088> が反発、9月15日以来約1ヵ月ぶりに上場来高値を更新した。同社はドラッグストア大手でM&Aに積極展開して業容を拡大。一方で不採算店舗の閉鎖などリストラにも取り組み利益率が改善している。足もとの売り上げは好調に推移、9月の既存店売上高は前年同月比3.2%増、全店売上高は6.7%増と前年実績を上回っており、これが買い安心感を誘った。18年3月期営業利益は前期比2.9%増の292億5000万円を見込むが上振れの可能性もある。ROEも11%台と2ケタをキープしており、機関投資家の買いを誘導したようだ。

■エボラブルA <6191>  2,355円 (+55円、+2.4%)

 エボラブルアジア <6191> が上伸。16日の取引終了後に発表した9月度の取扱高が53億7860万1685円となり、前年同月比89%増となったことが好感された。また、今期の累計取扱高は403億9759万円で前期比45%増となったもようで、取扱高の拡大が続いているようだ。

■SMC <6273>  41,300円 (+780円、+1.9%)

 SMC <6273> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が16日付で、投資判断「オーバーウエイト」、目標株価4万8000円で新規にカバレッジを開始しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。同証券では、17年3月期売上高のアジア向け構成比35%、アジア・オセアニアで市場シェア47%などで、アジアの空気圧機器市場の成長を取り込めることや、高成長が続く半導体製造装置 などのエレクトロニクス向け需要の獲得、全世界でシェア35%を有し、今後も欧米中心にシェアを拡大していることなどを評価。会社側の18年3月期営業利益予想1450億円に対して1855億円を見込み、19年3月期も同2147億円を見込んでいる。

■NSW <9739>  2,257円 (+41円、+1.9%)

 日本システムウエア <9739> が反発。16日、同社が18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の9.3億円→13.3億円に43.0%上方修正。増益率が3.3%増→47.8%増に拡大し、16期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。デバイス開発をはじめとするプロダクトソリューション事業の需要増加で、売上が計画を上回ったことが寄与。生産効率の向上に加え、一部費用が下期に後ずれすることも上振れの要因となった。なお、通期の経常利益は従来予想の24.3億円(前期は24.5億円)を据え置いた。

■住友重 <6302>  4,590円 (+80円、+1.8%)

 住友重機械工業 <6302> が反発、年初来高値を更新した。世界的な好景気を背景とした企業の旺盛な設備投資需要を映し、ロボットや物流搬送システム需要の増加が同社の手掛ける減速機の受注拡大につながっている。また、「射出成形機は中国スマートフォンメーカーのハイエンド化に向けた投資需要が追い風となっている」(国内中堅証券)という。18年3月期営業利益は前期比5.3%増の510億円を会社側では予想しているが、「540億~550億円程度まで増額修正される公算が大きい」(同)とする声も出ている。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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