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【特集】大塚竜太氏【10連騰日経平均、“熱狂”はどこまで】(1) <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―過熱感増すも物色意欲なお盛ん、マーケットの共通認識は―

 週明け16日の東京株式市場は、日経平均株価がリスクオンの流れに乗り一段と上昇、ついに10連騰を記録した。騰落レシオやRSIなど指標面からの過熱感は覆うべくもないが、利益確定売りを吸収してなお上値を指向する物色意欲の強さ、21年ぶりの高値圏を突き進むその背景にはいったい何があるのか。10月後半から11月にかけて東京市場の景色は実りの秋一色となるのか否か、第一線で活躍するベテラン市場関係者3人に見通しを聞いた。

●「目先行き過ぎ感あるものの上値余地は十分」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 日経平均株価は足もとの動きだけ見れば行き過ぎて買われている感は否めないものの、大勢トレンドが上向きであることは変わりようがない。衆院選は与党大優勢とみられており、政権安定を好む外国人投資家の買いは今後も継続することが予想される。短期的な調整を挟むにせよ上値余地はまだ十分にあると判断している。

 10月下期相場入りにあたっては、月末から企業の中間決算発表が控えていることもあって国内機関投資家は積極的に買いを入れづらく、ここまでの経緯で利益確定の売りからスタートすることが半ば予想されていた。そこに合わせたように外国人が玉を拾いまくり、あれよという間に日経平均は上昇した。こうなると国内勢も“持たざるリスク”が意識されるなか、今後はこれに追随していかざるを得ない事情がある。

 日経平均は9月8日の終値が1万9274円だったが、そこからわずか1ヵ月あまりで2000円幅も上昇したことになる。これは時間軸と上げ幅の両面から判断して、少々バブル的な匂いを漂わせてはいるが、ファンダメンタルズとの比較で決して水準的に割高に買われているわけではない。日経平均は当面は上値にフシがなく、今後1ヵ月くらいの間に2万2000円ラインを意識するような場面に遭遇しても全く不思議はない。一方、下値リスクもこれまでの上昇の反動で当然ながら考慮されるが、押し目買いニーズは強く、深押ししても2万800円前後が下限となりそうだ。

 物色対象としては米国など好調な海外経済の需要を取り込む輸出株が有利だろう。内外金利差の影響で円安環境が続くとの思惑も追い風となる。相対的に出遅れ感のあるソニー <6758> をはじめ電機セクターに注目している。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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