【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 奈落の底こそ買いの急所、年末視野に狙う株
株式アドバイザー 北浜流一郎
「奈落の底こそ買いの急所、年末視野に狙う株」
●上昇相場の“旨み”を取り逃がす投資家心理
最近、一人でいても、思わず頬が緩んでしまうことが多い。特にそうなりやすいのは、日経平均ブル2倍上場投信 <1579> [東証E]とNEXT日経平均レバレッジ <1570> [東証E]の値動きを見る時。
これらは私の大好きな銘柄だ。それが日々上がり続けているのだから、喜ばずにはいられない。
両銘柄とも日経平均に連動する形で組成された上場投資信託(ETF)だが、値動きが日経平均の倍速になるので上昇局面では勝負が早く、儲かりやすいため魅力的だ。
しかし、倍速で動くのは、プラス方向だけではない。マイナス方向にも動くので、下降に転じると急速に資金を失う。
こんな特徴がある両銘柄だが、最近私が失望するのは、いま頃になって、
「日経ブル2に投資したいんですけど、どうでしょうか」
こんな質問を受けることだ。株が上がると買いたくなる。これが素直な心情であることは分かっているものの、正直それに従っていては株は儲かりにくい。
市場環境が好転して多くの銘柄がどんどん上がると、非常に安全に思えてくる。そこで投資するのは快適ではある。しかし、「快適な状況」が多くの場合、快適とはいえない結果をもたらすのが株式市場である。
日経平均のレバレッジETF、ブル2ETFも同様であり、買い場は8月下旬から9月初旬の市場環境が極めて厳しい状況にある時だったのだ。
●苦境から復活へ、その兆しを読み取る
この考え方を現在の市場に当てはめると、株価が低迷中の銘柄も捨てたものではないことが分かってもらえるだろう。
明日から早速上がるとはいかないだろうが、3ヵ月先、いや、それが遅すぎるなら、年末には利益が乗っているであろう銘柄は、現在厳しい状況にあると見てよい。
そこでそんな銘柄の中から、選んでみたのが次になる。
まずは東芝 <6502> [東証2]だ。半導体部門の売却が決まったことで、東証は「東芝の特設注意市場銘柄の指定を解除する」方針を固めたとのこと。上場廃止のリスクが完全に消えたわけではないものの、その可能性はゼロに近くなったと見てよく、株価も超スローながら浮上が見込める。
無資格者が完成車検査工程の一部を担当していたことが明らかになった日産自動車 <7201> も、まだ底打ち確定ではないものの、底値が固まりつつあり試し買いを入れたいところだ。
となると、同じく不祥事を起こした神戸製鋼所 <5406> も突っ込み安局面にあり、2~3回に分けての分割買いで対応したい状況だ。
業績不振から11日、今期(18年2月期)の営業利益予想を下方修正した上に、「サークルK」と「サンクス」の閉鎖店舗数を369店舗から664店舗に増やすと報じられたユニー・ファミリーマートホールディングス <8028> も、下落より上昇の確率が高くなる。不採算店の閉鎖は先行きの収益好転を約束するからだ。
そして、収益の回復を狙って個人向け宅配料金を値上げしたヤマトホールディングス <9064> も、現在の株価は売られすぎ状態。年末にかけて次第に見直されるだろう。
さらにもう1銘柄付け加えよう。ソニー <6758> だ。某証券が投資判断を引き下げたことで下げてしまっているが、そろそろ反発時だ。
以上の銘柄は、どれも低空飛行どころか、奈落に墜落したような状況にあるため、正直見ていてあまり気分のよいものではない。
しかし、前述したように、数ヵ月先を見てのことなので不快感(?)は我慢したい。
その上で今度は、高値圏にある銘柄の中から東芝機械 <6104> だ。射出成形機や産業用ロボット需要の好調が続いているため、東芝株よりは安定的な値動きが見込める。
同じく高値圏にある日本工営 <1954> を。この会社は建設コンサルタント首位企業だが、世界展開に積極的で、英国議会が入るウェストミンスター宮殿の大改修事業の建築設計業務を請け負っている。これは将来につながる事業であり、株はさらに高値へ進んでもおかしくない。
そして、最後にハーバー研究所 <4925> [JQ]だ。新発売の高保湿美容液「ディープモイストセラム」のヒットが見込めるため、株も期待が持てる。
2017年10月13日 記
株探ニュース