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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米決算本格化、中国共産党大会、衆院選投開票

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限21500-下限21000円

来週は衆院選の投開票を22日に控え、よりアベノミクス加速への期待感が高まるのか、若しくは野党勢力の追い込みから様子見姿勢が強まるかが注目されるところである。慎重姿勢が強まるようだと、いったんは利益確定の流れに向かわせる可能性はありそうだが、先週伝えられた報道各社による序盤情勢調査では、自民党が単独過半数(233)を大きく上回ると分析。市場のコンセンサスは連立与党で300議席超をうかがうとの見方である。そのため、長期安定政権への期待による海外勢の資金流入が一段と強まる可能性がある。また、自民党の公約である(1)北朝鮮への圧力強化(2)アベノミクス加速によるデフレ脱却(3)「生産性革命」による国民所得の増加(4)保育・教育の無償化を柱とした「人づくり革命」(5)震災復興を含む地方創生(6)自衛隊の明記など4分野を中心とする憲法改正-の重点6項目に関連した物色も意識されよう。

日経平均は直近の上昇で過熱感が警戒されてくるほか、21年ぶりの21000円回復により、いったんは達成感も意識されやすい面はある。しかし、21年ぶりの高値水準の更新により、需給面の重石はなく、反対に出遅れ組による押し目買い意欲は強いだろう。また、足元ではインデックスに絡んだ主力大型株主導の相場展開のなか、相対的に出遅れているセクター等への見直しに伴う循環物色のほか、個人主体による中小型株への見直しにも波及してくる展開も注目されるところである。

その他の物色の流れとしては、米国ではゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど金融機関の決算が控えている。18日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されるが、米金融機関の決算や米経済に対する強気な見方が強まるようだと、年内追加利上げ観測への思惑がより高まりそうだ。一方、G20財務相・中央銀行総裁会議で日本銀行の黒田総裁は、2%物価目標の早期達成に向けて「強力な金融緩和を粘り強く進める方針」を各国に説明した。日本の金融政策について「何か批判めいたことは全くなかった」と語っており、日米金利差の拡大への思惑等も日本株市場の押し上げ要因になる。

その他、中国共産党第19回全国代表大会が開幕する。中国経済への期待感が高まる一方、足元の上海指数の強い値動き等は、共産党大会を控えて政府が操作していたとの見方もされていた。中国経済への期待感が高まるのか、若しくは需給面での反動が出てくるのかが注目されやすい。また、北朝鮮情勢の緊張も引き続き注視する必要があろう。北朝鮮が中国共産党の党大会が開幕する18日前後に、複数のスカッドミサイルを発射する準備を進めているもようだと、韓国紙が報じている。北朝鮮情勢を警戒しつつも、まずは、世界的な景気拡大を手掛かりとした一段の上昇に期待したいところである。




■為替市場見通し

来週のドル・円は底堅い値動きか。主要メディアによる選挙戦序盤の情勢調査などによると、与党の自民・公明は合計で300議席を上回る勢いと報じられており、勝敗ラインとされる過半数233議席を大きく上回ると予測されている。公示前勢力(324議席)を多少下回っても、他の政党が補完勢力として加わる可能性が高いとみられており、安倍首相の権力基盤はより強まり、経済政策継続への思惑で円売り安心感が広がり、ドルを押し上げる展開となりそうだ。

一方、9月19-20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、今後の利上げに向けインフレ指標を見極めたいとする複数の意見が出ていたことが、10月11日公表の議事要旨から明らかになった。米連邦準備制度理事会(FRB)による12月追加利上げは織り込み済だが、9月の消費者物価指数と小売売上高は市場予想を下回ったことから、金利先高観はやや後退している。それでも金融正常化の方針は堅持されるとの見方が根強く、ドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。



■来週の注目スケジュール

10月16日(月):首都圏マンション発売、中消費者物価指数、ネットフリックス決算など
10月17日(火):独ZEW期待調査、ユーロ圏消費者物価指数、米鉱工業生産指数など
10月18日(水):米ベージュブック、アルコア決算、中国共産党第19回全国代表大会など
10月19日(木):貿易収支、豪失業率、中小売売上高、中7-9月GDPなど
10月20日(金):独生産者物価指数、米中古住宅販売件数、イエレンFRB議長講演など
10月22日(日):衆院選投開票

《TM》

 提供:フィスコ

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