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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

フェローテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■フェローテク <6890>  1,891円 (+71円、+3.9%)

 フェローテックホールディングス <6890> [JQ]が6日続伸し、年初来高値を更新。同社は15日取引終了後に、中国杭州市の開発区委員会と同開発区への進出を前提とした8インチ(200ミリ)半導体ウエハー製造プロジェクトにおける資金支援に関する提携契約で合意したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。主な提携内容は、産業支援策としてウエハー開発・設備購入費用の補助金、財政支援策としてプロジェクト資金の借り入れ時の利子補給など。また、同社はこのプロジェクトに絡み、新たに半導体ウエハーの開発・設計・製造を手掛ける新会社を杭州市に設立する予定だとしている。

■トヨタ <7203>  6,729円 (+249円、+3.8%)

 トヨタ自動車 <7203> が大幅続伸したほか、日産自動車 <7201> 、SUBARU <7270> 、ホンダ <7267> など自動車株に大きく買いが先行。18日の米国株高を受け国内外投資家のリスク許容度が高まるなか、東京市場でも出遅れ感の強い輸出主力株に物色の矛先が向いた。足もとの外国為替市場で1ドル=111円台50銭近辺での推移と急速に円安ドル高に振れていることで、トヨタをはじめ為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善に対する期待が株価にポジティブに作用した。

■ソフトバンク <9984>  8,904円 (+317円、+3.7%)

 ソフトバンクグループ <9984> が続伸、株価は出遅れ感が強かったが、ここにきて水準訂正の動きを見せ始めた。日経平均が2万円大台を回復したことで、インデックス寄与度の高い同社株にとって追い風環境にある。ソフトバンクがサウジアラビア政府などと共同で設立した「ビジョン・ファンド」の動向が注目されているが、18日に米スラック・テクノロジーが同ファンドなどから日本円にして約280億円(2億5000万ドル)の出資を受けたことを明らかにしている。スラック社は法人向けチャットサービスなどを提供しており、ソフトバンクが注力の構えをみせるAI分野への投資とも親和性が高く、株価にプラスに働いた。

■東エレク <8035>  17,230円 (+585円、+3.5%)

 東京エレクトロン <8035> が500円を超える上昇をみせ、6月9日以来約3ヵ月半ぶりに年初来高値を更新、アドバンテスト <6857> 、SUMCO <3436> 、信越化学工業 <4063> なども軒並み上値追い態勢となるなど、半導体関連株物色の勢いが再び強まった。スマートフォンの高機能化や自動車のエレクトロニクス化の進展、ビッグデータ時代の到来に伴うデータセンターの増設需要などを背景に半導体市況は引き続き好調に推移、米国では半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が18日に終値で1160.897まで上昇し2001年以降の最高値を更新、この流れが東京市場にも波及。

■ノーリツ鋼機 <7744>  1,491円 (+49円、+3.4%)

 ノーリツ鋼機 <7744> が続伸。同社傘下の事業投資会社であるNKリレーションズが12%強の株式を保有し第3位の大株主となっているPKSHA Technology <3993> [東証M]が、今週末22日に東証マザーズに株式上場する予定。PKSHAは東大発の人工知能(AI)ベンチャー企業として注目されており、同社のIPO接近とともにノーリツ鋼機に見直し買いが流入した。

■ディップ <2379>  2,550円 (+78円、+3.2%)

 ディップ <2379> が上伸。15日、同社が18年2月期上期(3-8月)の経常利益(非連結)を従来予想の40.1億円→50.7億円に26.4%上方修正。従来の6.7%減益予想から一転して17.9%増益を見込み、4期連続で上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。旺盛な求人需要が続く中、積極的な広告宣伝投資が奏功し、求人情報サイトの広告出稿件数が伸びたことが寄与。コスト削減を進めたことも上振れに貢献した。なお、通期の経常利益は従来予想の105億円(前期は91.4億円)を据え置いた。

■かんぽ生命 <7181>  2,387円 (+72円、+3.1%)

 かんぽ生命保険 <7181> が続伸。日本郵政 <6178> が9月初旬に政府による追加売却の動きを嫌気して急落したが、それにツレ安する形となっていた。その後日本郵政は急速なリバウンドをみせ、それに歩調を合わせる格好で戻り足を強めている。かんぽ生命は全国の郵便局を通じて保険商品を販売できる強みを持ち、配当利回りも2.7%前後と高くPBRも0.7倍台と割安感がある。買い手は実需の足の長い資金が主流とみられ、株式需給面でも信用買い残などに重さはなくリバウンドが速い。

■野村 <8604>  631.7円 (+16.9円、+2.8%)

 野村ホールディングス <8604> が続伸で底値圏離脱を鮮明としており、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前、既に前週に両移動平均線のゴールデンクロスを示現している大和証券グループ本社 <8601> もマドを開けて買われるなど、証券株の戻り足が鮮明だ。日経平均は上昇基調を強め2万円大台を回復、足もとは売買代金も増勢で証券会社にとっての収益環境の改善が顕著となった。投資家の市場回帰に伴う手数料収入の拡大や投信などの運用成績向上に期待し商いに厚みが加わってきた。

■コマツ <6301>  3,168円 (+71円、+2.3%)

 コマツ <6301> や日立建機 <6305> が高い。18日のニューヨーク市場で米建機大手、キャタピラーの株価が上伸し年初来高値を更新。米国内での建機需要の伸びに加え、鉱山機械の需要回復が評価されてキャタピラー株は上昇基調を強めており、コマツなど日本の建機株にも連想買いが流入したようだ。

■ファンコミ <2461>  1,216円 (+27円、+2.3%)

 ファンコミュニケーションズ <2461> が続伸し年初来高値を更新した。15日の取引終了後に発表した8月度の月次業績速報で、連結ベースの売上高が前年同月比16.1%増となり、12ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。アフィリエイト広告サービスのCPA型アドネットワーク事業が同4.3%増と堅調を維持したほか、アドネットワークや行動ターゲティングなどのCPC/ターゲティング型アドネットワーク事業が30.6%増と大幅に伸長したことが寄与した。なお、CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業が30%超となったのは15年7月以来となる。

■SMC <6273>  40,100円 (+620円、+1.6%)

 SMC <6273> が8日続伸し、初の4万円乗せを達成した。米国や日本に加え、中国でも人件費の上昇が問題となるなか、世界的な工場自動化に向けたFA(ファクトリーオートメーション)化投資の流れが活発化している。同社はFA投資に絡む空気圧機器のトップ企業であり、外国人投資家を含めた積極買いが流入したとみられている。

■アンジェス <4563>  631円 (+9円、+1.5%)

 アンジェス <4563> が続伸、前週末15日の取引終了後、同社の尋常性乾癬(かんせん)を対象としたNF-κBデコイオリゴDNA(以下「NF-κBデコイ」)に関する特許が、欧州特許庁で登録されたと発表しており、知的財産戦略の強化につながるとの見方から買いが入った。同特許は、皮膚疾患である尋常性乾癬を対象としたNF-κBデコイを含む薬学的組成物およびその使用方法を多面的に保護するもので、日本では既に12年5月に登録されている。NF-κBデコイは、炎症を引き起こす生体物質であるサイトカイン(細胞から放出される生理活性物質)を抑制するため、過剰な炎症や免疫反応を原因とするさまざまな疾患に有効な治療薬となる可能性があり、同社では現在、NF-κBデコイを用いた椎間板性腰痛症の治療薬を開発中としている。

■小野薬 <4528>  2,430円 (+29.5円、+1.2%)

 小野薬品工業 <4528> が4日続伸。19日、「オプジーボ」が「切除不能または転移性の悪性黒色腫」における適応拡大の承認を韓国食品医薬品安全処(MFDS)から取得したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。悪性黒色腫は、皮膚の色と関係が深いメラニン色素の産生能を持つ色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍。韓国における年間発症者数は約600人と推定されており、今回の適応拡大の承認により、業績への貢献が期待されている。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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