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【特集】鈴木英之氏【嵐は去った――秋晴れ日本株どこまで上がる?】(2) <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

―解散総選挙も相場押し上げ、この強気ムードは“ホンモノ”か―

 3連休明けとなった19日の東京株式市場で日経平均株価は一気に上値追い態勢を強め、8月7日以来となる2万円大台を大きく回復した。上値追い態勢の続く米国株市場に加え、為替も1ドル=111円台後半まで円安が進行していることが強気の投資家心理を後押ししている。さらに、安倍首相が衆院・解散総選挙の意向を固め、にわかに選挙モードとなったことも過去の経験則から株高を助長している。9月第1週の“どんより感”が嘘のような秋晴れ相場だが、ここからの見通しはどうか。ベテラン市場関係者2人に話を聞いた。

●「10月下旬に2万800円前後へ上昇も」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 日経平均は10月下旬に向けて2万800円前後へ上昇する可能性があるとみている。トレンドは上昇基調であり、下値は1万9800円程度だろう。

 この日、日経平均は2万円台を回復し年初来高値を更新した。この要因には、北朝鮮リスクが後退したことや米NYダウが7連騰となり最高値を更新したこと、などがあるとみている。特に米国市場では、税制改革が前進することへの期待が膨らんでいるようだ。

 日本では衆院解散による総選挙の可能性が報道されたが、自民党が大きく負けることは考えにくく、アベノミクスは継続されそうだ。ただ、このことは株式市場では認識されていると思う。

 今後の展開をスケジュール面から眺めると、19~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て、いったんリスクを取りやすくなり上値を試しそうだ。ただ、10月は10日に北朝鮮・党創建記念日があるほか、18日には中国共産党大会が予定されている。この北朝鮮や中国絡みのイベントを視野に、日経平均はいったん少し弱含むかもしれない。しかし、10月下旬の日本企業の決算発表入りで、相場は再び強含むとみている。

 個別では、安倍政権が掲げる教育無償化などに絡む銘柄、それに電気自動車(EV)関連株などに投資妙味があると予想している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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