【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、東京ゲームショウ、北朝鮮情勢
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
■株式相場見通し
予想レンジ:上限20100-下限19600円
来週は節目の2万円を意識した相場展開が期待される。商いが膨らみづらい相場展開が続いているが、インデックスに絡んだリバランス商いながらも週末15日には売買代金が7月31日以来の水準まで膨れた。売り越し基調が続いていた海外勢による買いが観測されており、需給状況が好転する可能性が期待される。北朝鮮情勢については、今後も日本上空を通過する形でミサイルを発射する恐れや、さらにこれが常態化する可能性も警戒されるなか、積極的には手掛けづらいところではある。
しかし、有事に発展するような状況にならなければ、先進国市場での相対的な出遅れ感からの資金流入がみられる可能性はありそうだ。日経平均は先週の上昇で約1ヵ月程度もち合いを続けていたレンジの上限を突破し、8月9日の急落前の水準まで回復してきている。当然、ここから20200円辺りまでは累積出来高が積み上がっている水準であり、戻り待ちの売り圧力は警戒されるところ。それでも2万円を回復してくるようだと、ショートカバーを誘発する格好でリバウンド基調が強まる可能性があるため、北朝鮮情勢を睨みながらも堅調な相場展開に期待したいところである。
19、20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。終了後に経済予測が公表され、イエレンFRB議長が会見する。バランスシート圧縮が決定され、利上げはないと予想する参加者が多い。小売売上高が半年ぶりの大幅減だったが、ハリケーン「ハービー」の影響から自動車が落ち込んだとみられており、織り込み済み。一方で先週の物価関連指標を受け、年内利上げの可能性が高まってきている。会合後に出される声明のトーンやスタンス、それにイエレン議長の会見が先行きの金利動向を占う上での手がかりになる。
また、21日に東京ゲームショウ2017が開幕する。足元で次世代電池関連などへの物色が強まっているが、やや過熱感も警戒されてきている。一方で、調整が目立っていたゲーム関連は値ごろ感からの仕切り直しが期待されそうである。その他、新製品発表イベント通過で材料出尽くし的な動きをみせたiPhone関連だが、今週は販売動向が伝えられるため、好調な出足しともなれば、関連銘柄の見直しが意識されやすいだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合う展開か。米連邦準備制度理事会(FRB)は19-20日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、現行の金融政策を維持する公算だが、バランスシートの縮小を決定するとみられており、金融正常化方針の維持が好感されそうだ。足元のインフレ指標は予想をやや上回っており、12月に追加利上げが行われる可能性は残されていることもドル相場を下支えする要因となる。一方、引き続き北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる米朝対立は為替相場に大きな影響を及ぼすことが予想される。
■来週の注目スケジュール
9月18日(月):敬老の日、中不動産価格指数、ユーロ圏消費者物価指数改定値など
9月19日(火):基準地価、独ZEW期待調査、米住宅着工件数、米FOMCなど
9月20日(水):貿易収支、訪日外国人客数、日銀会合、FRB議長会見など
9月21日(木):日銀総裁会見、東京ゲームショウ、米景気先行指数など
9月22日(金):独製造業PMI、米製造業PMIなど
9月23日(土):NAFTA再交渉の第3回協議など
9月24日(日):独連邦議会選挙など
《TM》
提供:フィスコ