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【市況】国内株式市場見通し:北朝鮮情勢が小康状態なら2万円を意識した相場展開へ

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。週末には終値ベースで8月8日以来の19900円を回復した。北朝鮮による9月9日の建国記念日において大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射は行われなかったこともあり、一先ず安心感から週明けの日経平均は270円超の上昇で19500円を回復。また、11日の国連安全保障理事会の新たな北朝鮮制裁決議について、中国とロシアに米国が譲歩した格好だが、全会一致で迅速に採択されたことも材料視された。米国市場は地政学リスクが和らぎ、投資家心理の改善によってNYダウが最高値を更新。米長期金利の上昇から金融セクターへの見直しが強まったこと、さらに大型ハリケーン「イルマ」の被害が想定より軽微だったことなども買い戻しを誘うなか、欧米市場の上昇を引き継ぐ格好から、リバウンド基調が強まった。もっとも、インデックスに絡んだ商いが中心であり、北朝鮮が威嚇を続けるなか、日中はこう着感の強い相場展開が続いた。週末には北朝鮮が再びミサイルを発射し不透明感が高まったが、既に兆候がみられていたこともあり、海外勢とみられる断続的なインデックス買いにより、週末についても終日堅調な相場展開だった。

今週は節目の2万円を意識した相場展開が期待される。商いが膨らみづらい相場展開が続いているが、インデックスに絡んだリバランス絡んだ商いながら、週末15日には売買代金が7月31日以来の水準まで膨れた。売り越し基調が続いている海外勢による買いが観測されており、需給状況が好転する可能性が期待される。北朝鮮情勢については、今後も日本上空を通過する形でミサイルを発射する恐れや、さらにこれが常態化する可能性も警戒されるなか、積極的には手掛けづらいところではある。しかし、有事に発展するような状況にならなければ、先進国市場での相対的な出遅れ感からの資金流入がみられる可能性はありそうだ。日経平均は先週の上昇で約1ヵ月程度もち合いを続けていたレンジの上限を突破し、8月9日の急落前の水準まで回復してきている。当然、ここから20200円辺りまでは累積出来高が積み上がっている水準であり、戻り待ちの売り圧力は警戒されるところ。それでも2万円を回復してくるようだと、ショートカバーを誘発する格好でリバウンド基調が強まる可能性があるため、北朝鮮情勢を睨みながらも堅調な相場展開に期待したいところである。

また、今週は19、20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。終了後に経済予測が公表され、イエレンFRB議長が会見する。バランスシート圧縮が決定され、利上げはないと予想する参加者が多い。小売売上高が半年ぶりの大幅減だったが、ハリケーン「ハービー」の影響から自動車が落ち込んだとみられており、織り込み済み。一方で先週の物価関連指標を受け、年内利上げの可能性が高まってきている。会合後に出される声明のトーンやスタンス、それにイエレン議長の会見が先行きの金利動向を占う上での手がかりになる。

また、21日に東京ゲームショウ2017が開幕する。足元で次世代電池関連などへの物色が強まっているが、やや過熱感も警戒されてきている。一方で調整が目立っていたゲーム関連へは値ごろ感からの仕切り直しが期待されそうである。その他、新製品発表イベント通過で材料出尽くし的な動きをみせたiPhone関連だが、今週は販売動向が伝えられるため、好調な出足しともなれば、iPhone関連への見直しが意識されやすいだろう。

その他、経済イベントでは、19日に2017年の基準地価のほか、9月の独ZEW景況感指数、8月の米住宅着工件数が発表される。20日に8月の貿易収支、8月の訪日外国人客数、8月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、24日にドイツの連邦議会選挙が実施される。

《FA》

 提供:フィスコ

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