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【市況】米国株式市場見通し:FOMCが開催予定


19-20日開催予定のFOMCではバランスシートの縮小開始時期が示され、利上げは見送られる可能性が高いが、連銀がハリケーンによる米南部地域経済の状況をどのように判断し、利上げのタイミングにどれほどの影響を与えると考えているかが焦点となる。市場はインフレ低下、政治・地政学リスクへの警戒感を背景に12月の追加利上げに対して懐疑的であったが、ハリケーンによる経済的損失が懸念される一方で、エネルギー価格の上昇や復興需要が確認されれば、急速に年内の利上げが意識されるだろう。一方で、先週末の北朝鮮によるミサイル発射を受けて、国連安全保障理事会は同国への制裁強化に踏み切る可能性が高く、再び地政学リスクへの警戒感が金融市場に混乱を招く可能性には注意が必要だ。

週初はアップルの新型iPhoneの予約開始後3日間の予約状況に注目が集まりそうだ。初週の予約状況によって、iPhone販売で恩恵を受ける通信キャリア各社や部品メーカー、そして決済ネットワーク企業などが物色されるだろう。また、高価格帯のiPhone Xが11月に出荷されるまで、買い控える顧客がどれほどいるのかも見極めたい。前年に比べて控え目ではあるものの、通信大手各社は、2年落ち程度までのスマートフォンを下取り、iPhone8/8 Plus/Xの値引きに充てる販売促進策を打ち出しており、価格競争が激化する可能性がある。

経済指標では、9月NAHB住宅市場指数(18日)、8月住宅着工・建設許可件数(19日)、8月輸入物価指数(19日)、8月中古住宅販売件数(20日)、8月景気先行指数(21日)などの発表が予定されている。住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数は8月に3ヶ月ぶりの高水準となり、今後6ヶ月の販売見通しも前月を上振れた。9月も予想を上回る内容となれば、16年下期の住宅市場に楽観的な見方が広がるだろう。

個別企業では、自動車部品・アクセサリー小売のオートゾーン(19日)、運送会社のフェデックス(19日)、グラフィックソフトのアドビ・システムズ(19日)、家庭用品小売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(19日)、食品のゼネラルミルズ(20日)、自動車販売のカーマックス(22日)などの発表が予定されている。自動車部品小売銘柄の業績は低迷傾向にあり、アマゾンの脅威や電気自動車を巡る懸念など不安要素が大きく、軟調決算が予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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