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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「チャートは戻りのポイント迎える」

株式評論家 富田隆弥

◆15日早朝に北朝鮮が再びミサイルを発射した。9月9日の北朝鮮の建国記念日を無事通過し、買い戻しを強めていたマーケットはここで再び戻り試練を迎える可能性がある(本稿執筆は15日午前時点)。

NYダウ平均が最高値を更新、為替(ドル円)が110円台に戻したこともあり、日経平均株価は14日に1万9918円まで戻す。8日の安値1万9239円から短期間で670円幅の急回復だが、チャートはここが戻りのポイント。まず、日足が「三空踏み上げ」となり、75日移動平均線(1万9860円処)、13週線(1万9820円処)に差し掛かる。一目均衡表は14日に「雲」(先行スパン)が1万9900円台でクロス(変化日)。8月29日安値(1万9280円)から日足9本目の9月8日に安値を付けたが、14日は9月1日高値(1万9735円)から日足10本目。つまり、14日の1万9918円は変化日の戻り高値として意識される。

◆NYダウは14日現在、5日続伸で2万2216ドル高値をつけ、8月8日高値(2万2179ドル)を1ヵ月ぶりに上抜き最高値を更新した。8月高値後は25日線を割り込み、一目均衡表の「雲」や6月からの下値抵抗線に抵触して正念場を迎えたが、そこから再び大きく切り返して「上昇基調」を継続させた。北朝鮮リスクが一巡、ハリケーン(イルマ)被害が予想ほど大きくならないなど「いいとこ取り」は相変わらずだが、行き場のない運用マネーが引き続き株式市場に向かっていると言える。

◆日本株は8日のメジャーSQを通過し先物(12月限)が買い優勢で始まったが、節目の2万円に接近してどうなるか。個別株はリウムイオン電池などEV関連に人気が偏り過熱感を漂わす。為替は110円台に13週、26週、52週の移動平均線が集中しており、その厚い節に差し掛かった。NYダウ、ナスダックは上昇基調を確認したが、今年は高値を更新すると利食い売りが出て上値を抑えるというパターンを繰り返している。

◆「リスクオフ」から再び「リスクオン」に傾いた日米マーケット。カネ余りを背景とする需給相場は強いものの、9月19日~20日のFOMC、20日~21日の日銀政策決定会合や朝鮮労働党創建72周年(10月10日)を控え、様子見ムードを強める可能性もある。もうしばらく小口売買での様子見姿勢も必要だろう。

(9月15日午前 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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