【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:日清紡HD、タツタ、東海カ
日清紡HD <日足> 「株探」多機能チャートより
日清紡ホールディングス<3105>がストップ高カイ気配。午前9時ごろ、白金を使わない固体高分子形燃料電池用の触媒の実用化に世界で初めて成功したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。現在、固体高分子形燃料電池の電極触媒には、高価で有限な資源である白金が使用されているが、同社が開発した白金代替触媒「カーボンアロイ触媒」は、白金の代わりに炭素を使うことで材料コストを大幅に減らせるのが特徴。既にカナダの燃料電池大手バラード・パワー・システムズの燃料電池スタックに採用が決まっており、携帯型端末に使う電池として12月に販売を開始する予定としている。
■タツタ電線 <5809> 821円 +53 円 (+6.9%) 11:30現在
タツタ電線<5809>が商いを膨らませ急伸、一気に800円台に買われ連日の年初来高値更新となった。東京では2020年の五輪開催に向けてインフラ面から電線地中化が加速するとの見方が強い。「小池都知事の政策後押しもあり、同社など電線メーカーにとって追い風が意識される状況」(準大手証券ストラテジスト)と指摘されている。また、電線地中化だけではなく、同社は電磁波シールドを手掛け、EMP攻撃への防御的観点から防衛関連の一角として材料性を内包している。株式需給面では信用倍率が0.59倍と売り長であり、目先は踏み上げ相場の様相をみせている。「きょうは国内証券がレーティング最上位でフォローしていることなども人気を助長した」(同)という。
■三谷商事 <8066> 4,305円 +200 円 (+4.9%) 11:30現在
12日、三谷商事 <8066> [東証2]が発行済み株式数(自社株を除く)の0.59%にあたる15万株(金額で7億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月13日から12月22日まで。
■東海カーボン <5301> 851円 +25 円 (+3.0%) 11:30現在
東海カーボン<5301>が4日続伸し年初来高値を更新。大和証券は12日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は700円から900円に見直した。黒鉛電極事業のマージン改善により黒字化に向かうことが期待されるほか、カーボンブラック事業の収益改善、それにリチウムイオン電池の負極材事業が成長していることなどを材料視している。さらに、黒鉛電極の原料であるニードルコークスは、米国の製造会社が8月末の巨大ハリケーンで生産停止に陥ったとみられており、黒鉛電極のタイト感が持続する可能性も指摘している。
■セントラル硝子 <4044> 485円 +12 円 (+2.5%) 11:30現在
セントラル硝子<4044>が3連騰と上値指向が鮮明だ。同社株は8月1日にマドを開けて下放れる格好となり、8月14日には大陰線で411円の年初来安値をつけたが、そこをターニングポイントに法人筋とみられる継続買いが観測されている。時価は下放れる前の7月末の株価水準を回復した。リチウム電池向け電解液を手掛ける同社は、欧州で販売会社を設立し需要確保に積極的だ。東京市場でリチウムイオン電池関連株の物色人気が続くなか、相対的に株価が出遅れており、0.5倍台の低PBRも一段の水準訂正余地を示唆している。
■ラクス <3923> 1,974円 +47 円 (+2.4%) 11:30現在
ラクス<3923>は3連騰。12日の取引終了後に発表した8月度の月次売上高(単独)が、前年同月比26.6%増の4億9700万円と高成長を持続したことが好感されている。主力サービスの「楽楽精算」が8月に実施したテレビCM効果もあって問い合わせが増加しており、同63.1%増と高い伸びが継続。また、「メールディーラー」についても同18.8%増収と2ケタ増を維持した。
■日本郵政 <6178> 1,398円 +25 円 (+1.8%) 11:30現在
日本郵政<6178>が続伸。同社はこの日の早朝、自社株買いを実施した。具体的には、午前8時45分、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において、1株1373円で7283万3200株を約999億9998万円の取得金額で買付けている。同社は11日の取引終了後、国内外で最大9億9009万9100株の政府保有株の売り出しを発表。同時に1億株(発行済み株式数の2.43%)、1000億円を上限とする自社株取得枠の設定も発表していた。
■トヨタ自動車 <7203> 6,409円 +48 円 (+0.8%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>、SUBARU<7270>、ホンダ<7267>など自動車株が総じて堅調な値動きをみせている。外国為替市場では米長期金利の上昇基調を背景にドル買いの動きが継続、足もとは1ドル=110円台に入る円安で推移している。これまで円高警戒感の強かった自動車セクターだが、トヨタやSUBARUなど今期想定為替レートの1ドル=110円よりも円安に振れてきたことから輸出採算悪化懸念が後退、買い戻しを誘発している。
■JT <2914> 3,720円 +24 円 (+0.7%) 11:30現在
JT<2914>がしっかり。12日に、たばこ用デバイス「プルーム・テック」(Ploom TECH)スターターキットと専用たばこカプセルの販売エリアを10月30日から400店に拡大すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。「プルーム・テック」は、たばこ葉を燃やさず、高温で直接加熱もしない、JT独自の「低温加熱方式」により、においの発生を大幅に減少させた商品。昨年3月に福岡市内の一部販売店とオンラインショップで発売し、今年6月からは東京都心部約100店舗に販売エリアを拡大していたが、利用者が急増していることから販売エリアを拡大する。また、11月上旬からは、専用たばこカプセルに「メビウス・ブラウン・アロマ・フォー・プルーム・テック」「メビウス・レッド・クーラー・フォー・プルーム・テック」の2銘柄を新たに発売するほか、専用たばこカプセルの販売を、東京都全域の主要なコンビニエンスストアで開始するとあわせて発表した。
■ゲンキー <2772> 4,685円 -315 円 (-6.3%) 11:30現在 東証1部 下落率3位
12日、ゲンキー <2772> が123万5000株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限16万5000株の第三者割当増資を実施するほか、藤永賢一同社社長による5万株の株式売り出しを行うと発表したことが売り材料。新株発行が最大で発行済み株式数の約9.9%におよぶ規模とあって、株式価値の希薄化や株式の需給悪化を懸念する売りが向かった。発行価格は20日から25日までのいずれかの日に決定。最大で約64億円の調達資金については、新規出店や既存店舗改装の設備投資資金や借入金返済などに充てる。
■神戸物産 <3038> 5,460円 -350 円 (-6.0%) 11:30現在 東証1部 下落率4位
神戸物産<3038>は大幅反落。12日の取引終了後に発表した第3四半期累計(16年11月~17年7月)連結決算は、売上高1872億9300万円(前年同期比4.6%増)、営業利益111億5800万円(同35.7%増)、純利益64億3400万円(同2.5倍)と大幅増益となったが、月次動向などから好業績は予想されており、いったん目先の材料出尽くしとみた売りが出ているようだ。期中に業務スーパー34店舗を出店(閉店8店舗)したことや既存店売上高が堅調に推移したことが増収に貢献した。また、NB商品をPB商品へ切り替えたことによる利益率の改善や、価格戦略も功を奏し大幅増益で着地した。なお、17年10月期通期業績予想は、売上高2524億円(前期比5.5%増)、営業利益138億円(同16.6%増)、純利益85億円(同86.4%増)の従来見通しを据え置いている。
■村田製作所 <6981> 16,535円 -215 円 (-1.3%) 11:30現在
村田製作所<6981>、TDK<6762>など米アップルのサプライヤーである電子部品メーカーは売り買い交錯もやや売りが先行している。現地時間12日、マーケットの注目を集めた米アップルの新製品発表会が開催され、スマートフォンの最上位機種である「iPhoneX」を発表、事前に報道されていた通りの内容だったこともあり、アップル株は材料出尽くし感から利益確定売りに下落した。両銘柄とも9月相場で売りを先行させていたこともあって下値抵抗力を発揮しているが、足もとは若干売りに押されている。ただ、iPhoneの高機能化に伴い日本の電子部品メーカーへの中期的な恩恵は高まることが予想され、株価には追い風材料だ。
■ソフトフロン <2321> 235円 +48 円 (+25.7%) 一時ストップ高 11:30現在
ソフトフロントホールディングス<2321>が一時ストップ高まで買われた。同社は12日取引終了後、光通信<9435>と合弁会社ソフトフロントマーケティング(仮称)を設立し、出資比率は同社が65%、光通信が35%で、電力のコスト削減サービス「ハルエネでんき」などの媒介販売事業を展開することを発表、これによる業容拡大への期待が投機資金を呼び込んでいる。
■MICS化学 <7899> 433円 +80 円 (+22.7%) ストップ高 11:30現在
包装フィルムなどを手掛けるMICS化学<7899>がストップ高まで買われている。同社は12日取引終了後に、18年4月期第1四半期(5~7月)の連結決算を発表。営業利益は2700万円(前年同期は100万円)となり、上半期計画5300万円に対する進捗率は50.9%となった。売上高は6億200万円(前年同期比0.9%減)で着地した。水産分野向けの売り上げが減少した一方、医療や産業分野向けは底堅く推移。利益面では全社あげてのコストダウン活動が寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■菊水電子工業 <6912> 1,265円 +214 円 (+20.4%) 一時ストップ高 11:30現在
菊水電子工業<6912>が連日のストップ高と気を吐いている。同社は電子計測器および電源機器を製造、耐電圧試験器や直流安定化電源で高実績を誇る。電気自動車(EV)向け耐電圧試験器への引き合いが高水準で、リチウムイオン電池の評価試験では充放電システムコントローラーを手掛けていることから、同関連テーマの有力株として短期資金が流入している。時価は1996年以来約21年ぶりの高値圏に突入している。
■ハピネス・アンド・ディ <3174> 1,132円 +150 円 (+15.3%) ストップ高買い気配 11:30現在
12日、ハピネス・アンド・ディ <3174> [JQ]が17年8月期の経常利益(非連結)を従来予想の3億9300万円→5億円に27.2%上方修正。増益率が3.3倍→4.2倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。前期業績の上方修正は6月に続き、2回目となる。売れ筋商品の拡充や好調な時計売り場を中心に改装を進めたことが奏功し、売上が計画を上回ったことが寄与。販管費を抑制したことも利益を押し上げた。前日終値ベースの予想PERが18.7倍→11.7倍に急低下し、割安感が強まったことも支援材料となった。
■カーリットH <4275> 757円 +100 円 (+15.2%) ストップ高 11:30現在
カーリットホールディングス<4275>がストップ高まで買われ、上場来高値を更新した。12日にドイツで開幕したフランクフルト国際自動車ショーでホンダ<7267>や独フォルクスワーゲンなどが電気自動車(EV)のコンセプトカーを発表するなど、世界的にEVシフトの流れが強まるなか、EVの心臓部ともいえるリチウムイオン2次電池の評価試験を手掛けている同社への関心が高まっているもよう。同社傘下の日本カーリットの電池試験場は、セルからモジュールまでの、さまざまな種類の電源を取り揃えている。
●ストップ高銘柄
日本無線 <6751> 1,783円 +300 円 (+20.2%) ストップ高買い気配 11:30現在
モリテック スチール <5986> 520円 +80 円 (+18.2%) ストップ高 11:30現在
など、6銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース