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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):アスカネット、日製鋼、FDK

アスカネット <日足> 「株探」多機能チャートより
■アスカネット <2438>  1,746円  +300 円 (+20.8%) ストップ高   本日終値
 アスカネット<2438>がストップ高。11日の取引終了後、量産を前提とした新製法による樹脂製エアリアルイメージング(AI)プレートの試作品が完成し、「CEATEC JAPAN 2017」で展示すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回展示するのは、樹脂に特殊な形状の成型を施したうえ、壁面蒸着を行う新手法を用いた製品で、工程もシンプルで大量生産とコストダウンを可能にしたという。また、品質の向上も図り、従来のガラスプレートにAR反射防止加工を施すことで、画像解像度・コントラストの大幅改善を実現し、リアルな等身大の人物や大型の物体を空中に立体表示する3D-DELZOなどにも対応したとしている。

■日本製鋼所 <5631>  2,638円  +374 円 (+16.5%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 日本製鋼所<5631>が続急騰し年初来高値を更新した。SMBC日興証券が11日付で投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を1900円から3200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。第1四半期決算で、樹脂製造・加工機械事業において、リチウムイオン電池(LIB)セパレータ用フィルム・シート製造装置の需要が大きく増加していることに注目。これを受けて同証券では産業機械事業の受注、収益性前提を上方修正し、18年3月期営業利益予想を132億円から152億円へ、19年3月期を同144億円から191億円へ上方修正している。

■FDK <6955>  227円  +27 円 (+13.5%)  本日終値
 FDK<6955>が上値追い加速。世界最大の自動車市場である中国では、自動車の販売加速による環境問題が深刻化している。そうしたなか、メディアを通じ、中国がガソリン車やディーゼル車の製造・販売を中止する方向でその導入時期の検討を開始したと伝わり、車載用2次電池メーカーやその部材を手掛けるメーカーの株価を改めて刺激する格好となった。同社は富士通グループ内で電池分野を担当し、富士通研究所と共同で高電圧・大容量の全固体リチウムイオン電池の開発に経営資源を注ぐなど、その技術力が注目されている。

■シーイーシー <9692>  2,350円  +190 円 (+8.8%)  本日終値  東証1部 上昇率6位
 シーイーシー<9692>が大幅続伸。11日の取引終了後、18年1月期の連結業績予想について、売上高を465億円から460億円(前期比4.6%増)へ、営業利益を37億5000万円から36億円(同8.7%増)へ下方修正したが、悪材料出尽くし感から買いが入ったようだ。第1四半期連結会計期間において、一部の開発案件で不採算プロジェクトが発生したことが響いているという。ただ純利益は、投資有価証券の売却や税制改正に伴う実効税率の引き下げの影響などを考慮し24億5000万円(同6.2%減)で据え置いており、これが安心感にもつながっている。なお、同時に発表した第2四半期累計(2~7月)決算は、売上高225億9400万円(前年同期比3.2%増)、営業利益16億4200万円(同0.9%減)、純利益11億3400万円(同5.4%増)だった。

■牧野フライス製作所 <6135>  934円  +68 円 (+7.9%)  本日終値
 牧野フライス製作所<6135>など工作機械株が高い。ツガミ<6101>やオークマ<6103>、DMG森精機<6141>も値を上げた。日本工作機械工業会が11日発表した8月の工作機械受注総額(速報値)は、前年同月比36.3%増の1336億円4200万円と9カ月連続で前年実績を上回った。中国向け需要などが工作機械受注を押し上げている。特に、牧野フライスは前日に比べ約8%上昇した。野村証券は11日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「バイ」へ引き上げた。

■ハーモニック <6324>  5,380円  +300 円 (+5.9%)  本日終値
 ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が5日続伸し年初来高値を更新した。東海東京調査センターでは、短期的な株価下落リスクが減り、株価の上昇余地が広がったとして、投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」とし、目標株価を4000円から6100円へ引き上げている。

■神鋼商事 <8075>  3,860円  +205 円 (+5.6%)  本日終値
 神鋼商事<8075>は大幅反発し、8月31日につけた年初来高値3855円を約2週間ぶりに更新してきた。ところが、PER9倍台、PBR0.7倍台と株価指標面での割安さは際立っている。  同社が7月31日に発表した18年3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益は、19億7200万円(前年同期比2.5倍)と大幅増益となった。これを受けて、18年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益を21億円から33億円(前年同期比76.8%増)へ増額している。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属のセグメントを中心に、主要製品の取扱量が増加したことに加え、価格上昇の効果も寄与している。

■エムスリー <2413>  3,065円  +135 円 (+4.6%)  本日終値
 エムスリー<2413>が大幅に5日続伸。11日に人工硬膜「デュラビーム」の製品概要と先端医療分野における同社の取り組みに関する説明会が開催された模様だ。デュラビームは、理研が開発した高分子樹脂を特殊加工する技術を同社子会社の多磨バイオが人工硬膜に応用し製品化したもの。生体適合性が高く、従来に比べて手術時間も短く感染リスクが減ることが期待されている。アナリストからは、多磨バイオが持つ技術のポテンシャルは高いとの見方が出ており、エムスリー株の見直し要因に働いている。

■新日本電工 <5563>  480円  +20 円 (+4.4%)  本日終値
 新日本電工<5563>は続伸。同社は8月9日、17年12月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を660億円から700億円(前期比19.7%増)へ、経常利益を40億円から80億円(同5.0倍)へ、最終損益を35億円から65億円(前期1億1600万円の赤字)へそれぞれ増額した。ところが、株価指標面ではPER10倍台、PBR1.0倍水準と依然として割安水準にある。主力の合金鉄事業が国際市況の上昇により好転していることや、為替レートが想定より円安で推移したことに加え、その他の事業も概ね堅調に推移したことが寄与している。また、同社がリチウムイオン電池正極材料のマンガン酸リチウムを手掛けていることも注目材料となっている。

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